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完璧主義は生活習慣病。自分や他人の欠点ばかり目につく減点主義。

「完璧主義」という言葉は褒め言葉か。
それとも逆なのか。
解釈が難しいですね。
自分のことを「完璧主義」と思っている人も多いのではないのでしょうか。
今回は、完璧主義は減点主義という視点を持ってお話したいと思います。

完璧主義と減点主義の定義

  • 完璧主義:常に最高水準を目指し、達成できない場合に自己批判に陥る心理状態。

  • 減点主義:成果や能力を評価する際、欠点や失敗に焦点を当てる傾向。完璧主義者が自己や他者の成果を厳しく減点することで現れる。

心理学的背景

  • 完璧主義の原因:幼少期の体験や社会文化的圧力が影響します。

  • 減点主義の影響:ストレスや不安の増加、自尊心の低下。

例えば、学校ではどんな長所があっても、短所があればそこばかりつつかれます。これをうまく表したストーリーに動物学校という話があります。

昔々、動物たちは「新しい世界」のさまざまな問題を解決するために、何か勇敢なことをしなければならないと考え、学校をつくりました。
学校では、かけっこ、木登り、水泳、飛行を教えることになりました。
学校の運営を円滑にするために、どの動物も全部の科目を学ぶことになりました。
アヒルは、水泳の成績は抜群で、先生よりも上手に泳げるくらいでした。
飛ぶこともまずまずの成績でしたが、かけっこは苦手です。
かけっこの成績が悪いので、放課後もかけっこの練習をしなければなりませんでした。
水泳の授業中もかけっこの練習をさせられました。
そうしているうちに、水かきがすり減ってきて、水泳の成績が平均点まで下がってしまいました。
学校では平均点ならば問題ないので、アヒルの水泳の成績が落ちたことは、アヒル本人以外は、誰も気にかけませんでした。

ウサギは、かけっこはクラスでトップでした。
ところが水泳が苦手で居残りさせられているうちに、すっかり神経がまいってしまいました。
リスは木登りの成績が優秀だったのですが、飛行の授業で、木の上からではなく地上から飛べと先生に言われて、ストレスがたまってしまいました。
練習のしすぎでヘトヘトになり、肉離れを起こし、木登りの成績はCになり、かけっこもDに落ちたのです。
ワシは問題児で、厳しく指導しなければなりませんでした。
木登りの授業では、どの動物よりも早く上まで行けるのですが、決められた登り方ではなく、自分のやり方で登ってしまうのです。
学年末には、泳ぎが得意で、かけっこ、木登り、飛行もそこそこという少々風変わりなウナギが一番高い平均点をとり、卒業生総代に選ばれました。
学校側が穴掘りを授業に採用しなかったので、プレーリードッグたちは登校拒否になり、その親たちは税金を納めようとしませんでした。
プレーリードッグの親は子どもに穴掘りを教えてくれるようアナグマに頼み、その後、タヌキたちと一緒に私立学校を設立して、成功を収めました。

スティーブン・R・コヴィー著『完訳7つの習慣人格主義の回復』キングベアー出版

生産性への影響

  • 完璧主義による生産性の低下:過度の自己批判や決断恐怖により、効率が落ちる。

  • 創造性への影響:新しいアイデアやイノベーションへの取り組みが妨げられる。

これはまさに今の日本ですね。少しのミスでも許さない。炎上する、その結果、その対策のために過剰なコストが配分され、創造性に影響がでています。高品質ですが、イノベーションに乏しいのが定着してきています。
つまり完璧主義は日本という集団が罹患している生活習慣病かもしれません。

世の中で言われる完璧主義は部分最適化でもある

完璧主義は全部のことを完璧にやろうとする考え方です。でも、実際にはすべてを完璧にするのはすごく大変で、無理な場合も多いことがあります。
部分最適化というのは、全部を完璧にしようとするのではなく、代わりに、目の前だけに集中して、それをできるだけいい感じにするっていう方法です。

例えば、ケーキを作る時に、完璧主義者は材料の一つ一つを完璧に量ったり、飾り付けに何時間もかけたりするかもしれません。でも、部分最適化をする人は、ケーキの味が一番大事だと思って、そこに集中します。見た目はシンプルでも、味は抜群!というわけです。

本当の完璧主義が「全てが100点」を目指すのに対して、部分最適化は「目についたところだけ100点にする」という感じです。
この視点を持つと、世の中の完璧主義のほとんどは、ただの部分最適化主義であることに気づけると思います。

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