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人事は、答えのないパズルのようで…

「会社は自分の希望を聞いてくれない」

「あの人が昇格するの?
 人事ってちゃんと見てるのかなぁ?」

「私の評価ってなんで上がらないの?
 この会社の制度ってダメだなぁ」

…そんなようなことを、
周りが言っていたし、私も少なからず
そう思うことがあった


ただ、いざ、自分が人事を考える側に
回ってみると、
そんなに簡単に、キレイにはいかないことに
気が付く



全員の希望を叶えて上げられれば
それが一番いいのだろう

ただ、皆が評判のいい課への配属を希望しても
その希望を叶えるわけにはいかない

会社組織が回らなくなってしまう


そもそも、その「本人の希望」を
素直に叶えるべきか…という論点もある

もしかしたら、その希望は
「ただ、楽そうだから」といった
成長につながらないものの可能性もある

それは、長期的に見たら
本人のためにならないかもしれない

「本人の希望を叶えることが
 本人のためにならない」
ということも考えられる


一人一人を個別に考える…というだけでもダメだ

チームに新しく人を入れるなら
そのチームの元々の状態…
どんな人がいるのか…
これからどんなことが期待されるのか…
それを踏まえて人を配属しないといけない

DH専門のホームランバッターばかりを
集めても意味がないように
チームの中に「うまくはまる」存在でないと
活躍できない


どの観点を重視するかで
だれをどこに置くかは変わってしまう

答えのないパズルのようだ

だけれど、何かしらの答えを出さないといけない

しかも、その答えを出しても
後から振り返っても、
それが「正しかったのか」を確かめることも
とても難しい。


ある人が、その配属によって活躍しても
もしかしたら、他の部署に入れていたら
もっと活躍していたかもしれない


ある人が、結果的に退職してしまっても
それは、配属のせいではなく
元々、会社そのものに向いていなかったのかもしれない


ある人は、成長して活躍し
そのまま、会社を飛び出して独立してしまうかもしれない
これは、会社の人事として、成功したと
言ってもいいのだろうか?

考えるべき視点が多く
結果も評価しづらい

だから、人事を考える側の人間も
いろいろな考えをもつ
ぴったり一致してくれない

答えのない議論をしなければならない


どうせ絶対の答えがなく
どんな答えを出しても
あとから評価することも難しい…
というのなら

合理的に考えれば
ちょっと考えて、エイヤで決めて
他の仕事に時間を使った方がいいのだろう

だって、どんな風にしても
結果がよくなるか、わるくなるか
わからないのだから


…ただ、そういうわけにもいかない
人の人生が直接的にかかっているから

適当になんて、決められない

だから、結局、合理的じゃないのかもしれないけれど
これがいい、あれがいい、こうではない、ああでもない…と
ぐるぐる考え続けて、考え続けて
そのとき、一番いいと思える答えで、決めていくしかない

簡単じゃないなぁ…。

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