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徳を身に着けるには○○が必要【ニコマコス倫理学⑧】
こんにちは、らるです。
前回、徳を身に着けるには
徳のある振る舞いを繰り返していけばいい
という話をしました。
とは言っても、
「じゃあ、徳のある振る舞いって、どんなの?」
という疑問が浮かんできます。
今日は、その「徳のある振る舞い」を
知る方法についてです。
徳を身に着けるにはモデルが必要
徳の身に着け方は
「技術」の身に着け方と同じだ
…というのも前回お話しましたが
ここにヒントがあります。
技術を身に着けるには師匠が必要です。
ですから、徳も同じで
その徳を、すでに体現している師匠を
見つけて真似すればいいんです。
おそらく、多くの人の最初の師匠は
親になるでしょう。
徳を身につける場合、ほとんどの人にとって最初のモデルは親でしょう。それが徳であれ悪徳であれ、親がどういう価値判断をしているかをモデルにして、子どもは様々な価値を自ずと学んでいきます。
親や、近しい人からは、徳も、悪徳も
きっと得てしまっています。
今まで得てしまっているものは置いておくとして
じゃあ、これから良い徳を得たいと
思っている場合はどうすればいいか?
師匠とは言っても、そんなに近くに
立派な人は居ないよ…という人も
いるかもしれません。
ですが、大丈夫です。
複製技術が進んだ現代では、師匠やモデルは必ずしも生身の人間とは限りません。たとえば、書籍もその役目を果たしうるでしょう。
(中略)
生身の人間ではない書籍や動画も、その背後には本を書いた人や動画を作った人がいるわけですから、結局のところ、私たちは人に学んでいると言えるでしょう。
師匠は、本でも、YouTubeでもいいんです。
ただ、もちろん一番いいのは
生身の人間であるとは思います。
アリストテレスの徳論は、一見すると個人の修練のような話ですが、そこには共同体や他者との関わりが含まれています。第1回で、アリストテレスにおいては倫理学は政治学の一部だと言いました。そのことは、徳と技術の話からも明らかでしょう。つまり、善き共同体(そこにおいて師匠やモデルが見出されます)があるからこそ、はじめて善い個人(徳を身につけた人)が生まれ、その善い個人が今度は共同体を支える軸になっていくわけです。
善き共同体の中に居て
善き師匠を見つけること
それが、徳を身に着ける近道です。
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