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「世論」とは、頭の中にあるイメージである

こんにちは、らるです。
今日は『世論』について
なるほど、と思える見方があった
ので
紹介していきたいと思います。

まず、「世論」とは何か

本書で紹介されている
『世論』という本の著者、リップマンは
こういいます。

世論とは人々の頭の中に
描かれたイメージであり、
実体のないフワフワしたものだ


世論って言ったら、
自分の外にあるもの…と
なんとなく思ってしまいますが
そうではない、というんですね。

このイメージが社会の中で
集団の意見として形作られる際、
外界からの情報は、

自分の中で
蓄積されたイメージや
先入観、偏見によって
左右されることになります。

そして、頭の中のイメージにすぎない
「世論」を固定するのが、
「ステレオタイプ」と呼ばれるもの
です。

ステレオタイプは本来、
溶かした鉛を型に流し込んで
作る版を指す印刷用語だったそうです。

ですが、リップマンがこの言葉を
社会科学的な概念として使い始めて以来、
文化的な先入観や偏見を含む
意味で使われるようになりました。

ステレオタイプの特徴は以下の3つです。
整理してみましょう。

①都合よく強化される
実際の感覚と先入観は混じり合い、
予期していたものと一致すれば、
そのステレオタイプは
強化されます。

②見慣れないものは排除される
ステレオタイプが定着すると、
それを支持する事実に引かれ、
矛盾するものからは離れます。

③理性的でなく情緒的
ステレオタイプは愛憎や恐怖、
欲望、誇りなどの情緒と
結びついています。


このような特徴をもつステレオタイプを
ベースに生み出された「世論」は、
決して理性的に現実を正しく認識した意見では
ありません。


この状態を放置すると、
社会は情緒的なことで動き、
偏見が助長されます。
人々は正確な情報を理解し、
社会を良い方向に変える
建設的な考え方を持てなくなるんです。

これは、考えてみると怖いことですよね。

近年はインターネットの普及により、
好きな情報だけを収集しやすくなり、
情報の偏りがさらに強化
されています。
自分に都合の良い情報だけを取り込み、
異なる視点を排除することが
容易になってしまっていますよね。

これを防ぐためには、
意識的に幅広い情報を取り、
偏見をへらす努力が必要
だろうと思います


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