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「音楽」はヒトの進化に重要だった!?【人類進化の謎を解き明かす】

人間にとって
とてもポピュラーな文化の一つ「音楽」

この「音楽」が実は、単なる娯楽…ではなく
人の進化に重要な役割があった…と言ったら
ちょっと面白そうだ
と思いませんか?

人間特有の「音楽」の使い方

鳴鳥やクジラなど他の多くの種が音楽性をもつのはよく知られている。しかし、社会的活動として音楽を用いるのは人類のみのようだ。
(中略)
人類は、集団内の絆を築くためのメカニズムという、きわめて特異な形で音楽を使う。現代社会ではコンサートホールで静かにすわって音楽に耳を傾けるかもしれないが、伝統的な社会では音楽をつくり、歌い、踊ることは互いに分ちがたく結びついていて、重要きわまる役割をもっていた。

ロビン・ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』P22

他の動物でも音楽性は持っている
…けれど、人間だけは、
音楽を集団内の絆を築くために使う
ということです。

ただし!

それは単に音を聞くだけではダメです。

集団でつくり、歌い、踊るという
能動的な形での音楽
だったようです。

現代的な例で考えてみると…

コンサートホールで静かに聞いているだけ
の人達の間には絆は生まれません

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アイドルライブで、
ともに叫んで、跳ねて、能動的に
楽しむ人達の間になら、絆が生まれる

という話に近いのです。

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『人類進化の謎を解き明かす』の著者
ダンバーさんはコレを示す
実験を行っています。

人が絆を感じるようになるには
脳内で「エンドルフィン」という物質が
分泌される事が必要
です。

そこで音楽活動とエンドルフィンの
関係を確認しました。

音楽活動(聖歌を歌う礼拝、ドラムのサークル、踊り)をする人びとの群を、そうした活動をしない対照群と比較した。すると、その種類にかかわらず音楽活動をするとエンドルフィンが分泌される一方で、より静かな活動やただ音楽に耳を傾けているだけではエンドルフィンは分泌されなかった

P197

歌うでも、踊るでも、何でも良いが
とにかく能動的な活動が必要

ただ聞いてるだけじゃダメ

というのが結論になっています。

昔の日本の文化では…?

少し昔の例を見てみましょう。

日本人の昔ながらの共同体
と言えば「村」です

村には、今回示したような
絆を深めるための能動的な音楽
文化はあったのでしょうか?

どうやら、近いものがあったようです。

それは「村芝居」です。

村芝居とは、主に歌舞伎のことです。
(中略)
今日の鑑賞の対象としての歌舞伎とは違い、江戸時代の村芝居は村人自身が歌舞伎を演じたところに特徴がありました。
(中略)
江戸時代には村人たちが自ら役者となって、歌舞伎を村の鎮守に奉納し、村全体でそれを楽しみました。

渡辺尚志『百姓の力 江戸時代から見える日本』Kindle位置No. 1634/2901

現代の「ただ見るだけのもの」とは違い

村人自身が作り、演じ、皆で楽しむ

それが江戸時代における歌舞伎でした。

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これは「絆」を作るための
能動的な音楽活動に近い
効果が
期待できたはずです。

能動的に参加する「音楽」が絆を作る

実は先日話した
脳が大きく進化した際に生じる
「時間不足」問題の解決策の1つが、
この「音楽」だったのです。 

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「音楽」は「社交」を効率化し
大きな群れを維持するのに役立ち
ました。

また、これは、人類進化に重要な役割を
持ってきた…という意味だけでなく
現代において、人との絆を作る際の
大きなヒントになりうる
ものじゃないか

と、私は感じています。

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【参考文献】




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