日本人は「昔の姿」に立ち帰れ【出光佐三『「人の世界」と「物の世界」】
出光佐三という人物を
ご存知でしょうか?
石油元売り会社の大手
『出光興産』の創業者であり
400万部以上売り上げ
V6の岡田准一主演で映画化もされた
ベストセラー小説
『海賊と呼ばれた男』の主人公
国岡鐡造のモデルとなった人物
でもあります。
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この小説の冒頭のシーンが
私の心には非常に強く残っています。
1945年、日本の敗戦の直後
全ての資産を失い
会社の解散もやむなし…という空気の中
平均寿命が50歳(1947年データ)の時代に
既に60歳となっていた国岡鐡造(出光佐三)が
社員に力強く語ります。
「こんな日本人が居たのか…」
と、感動し、憧れを覚えました。
出光興産は、この後見事に復活し
現在も石油元売り大手として
存在し続けているわけです。
私は、出光佐三という人物に
興味を持ちました。
その思想が語られている本として
こちらを読んでみました。
…
日本人は「人の世界」に立ち帰れ
かつての日本は「人の世界」であり
外国(今の日本も含む)は「物の世界」である
日本人はかつての「人の世界」のあり方に
立ち帰り、このあり方を「物の世界」の
人達にも伝え、「平和な世界」をつくろう
…出光の主張を短くまとめるとこうなります。
さて、ここで出てくる
「人の世界」「物の世界」という言葉を
簡単に説明しておくと…
「人の世界」
→元来の日本の姿
・和を重んじる。お互いに譲り合う。
・対立しない
・清貧を誇りとする
「物の世界」
→今の日本および外国の姿
・お互いに権利を主張し合う
・対立して闘争する
・法律、規則、組織で縛る
こういったところです。
なんとなく「人の世界」の方が
生きやすそうな気がしませんか?
「きれいごと」と言われれば
確かにその通りかもしれませんが
もし、本当にこのあり方が実現できれば
お互いにお互いのことを思いやり
一致団結して大きな力を発揮でき
人間が一人一人、イキイキと生きていける
そんな世界になるイメージが
できませんでしょうか?
これを会社の中で実現しようとしたのが
出光佐三だったわけです。
そして実際に、この「人」の力で
大きな成果を生み出し
大きな会社に成長していった
というわけです。
…
もしかすると、今の日本の行き詰まりは
「人の世界」であった
かつての日本を忘れてしまったから
…なのかもしれませんね。
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