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私も「神」の一部なんだ スピノザ『エチカ』

「神」

色々な捉え方をしている人が
居ると思う。

私は、なんとなく
神=自分とは別の、とても凄いもの
というイメージを持っていた。

しかし、スピノザが
『エチカ』で示した「神」は
それとは違っていた。

今日は『エチカ』を
ざっと一周した感想を書く。

すべて在るものは神のうちに在る、
そして神なしには何物も在りえず
また考えられない。

『エチカ』第一部 定理15

全てのものは
「神」の「うち」
にある。

すなわち、
この私も「神」の一部だ
ということである。

この見方は
私にとって新しいものだったが
読み進めていく内に納得した。

スピノザは
「神即自然」(神=自然)
であると証明している。

宇宙を動かしている
自然法則そのもの

と言ってもいいだろう。

であれば、たしかに
私たちもその法則の一部
=私たちも神の一部

というのは納得がいく。

『エチカ』は5部構成になっている。

基本的に、小難しい定義・公理
定理とその証明で埋まっていて
中々読みにくい本である。

さらに、
3章までは主に
神・身体と精神・認識・感情等は
「どういうものか」の話がメイン。

なかなか「どうしたらいいか」
見えてこない。

かなりハードルの高い本である
という印象が強かった。

「どうしたらいいか」
もっとも分かりやすく出てくるのが
第4部付録
「正しい生活法について」である

今日は大方針になる部分を
第4部付録 第4項から紹介する。

人生において何よりも有益なのは
知性ないし理性をできるだけ
完成する
ことであり、
そしてこの点にのみ人間の最高の幸福
すなわち至福は存する


なぜなら、至福とは神の直感的認識から
生ずる精神の満足そのものに
ほかならないのであり、
他方、知性を完成するとは
これまた神、神の諸属性、
および神の本性の必然性から
生ずる諸活動を認識する
ことに
ほからないからである。

「神」を「自然」と読み替える
しっくりくる文章になる。

「神」=「自然」の諸活動を認識し
正しく見ること

それができるようになるのが
幸福への道だ、と
スピノザは言うのである。


ルソーが『エミール』において
自然教育の重要性を叫んでいたのも
この『神即自然』の感覚に
近いものを持っていたからではないか

私は思っている。

『エチカ』を学ぶことは
ルソーの学びを深めることにも
繋がるのではないか、
という期待感も感じている。

今後も学んでいきたい。






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