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小学校1年生の道徳の教科書をまじめに読んでみた。PDCAは小1レベルの話だったのか…。

先日、学習指導要領の話をしました。


小学校低学年の道徳のレベルが
あまりにも高すぎてビビったので
「ホントにそんなレベル高いこと
 習うのか?」
…と思い

教科書を買って確かめてみました。

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東京書籍さんの
『新訂 あたらしいどうとく ①』

「あたらしい」すら、平仮名なあたりに
小学1年生向け感が感じ取れますね。

早速中身を見ていくと…

目次の次のページの時点で
ビビりました。

「道徳の学習をすすめるために」として
こんな事が書いてあります

1,気づく
どんな学習をするか
大事なことは何か考える。

2,考える 話し合う
話を基に自分で考える。
友達の意見をしっかり聞く
話し合った上で自分の考えを見直す

3,振り返る 見つめる
学習したことを振り返る。
今までの自分を反省する。

4,活かす
学習したことを、これからの
生活や学習に活かす。

まとめると

1,学習の目的を明確にする。
2,実際に考え、話す。
3,今までの自分をチェックする。
4,改善して次の学習や実生活につなげる。

この4ステップって
PDCAですよね。

そうか…PDCAって
小学校1年生で習っていたのか…

更に「話し合い」のやり方も
同じページに書いてあります。

・聞く時は
 ・話す人の方を見て聞こう
 ・最後まで聞こう
 ・分かったら、うなずきながら聞こう

・話す時は
 ・皆に向かって大きな声で話そう
 ・最後までしっかり話そう
 ・考えの理由も話そう。

どうでしょう?

話す時に目を合わせてくれない人
最後まで聞いてくれない人
全然反応してくれない人

声が小さくて何言ってるかわからない人
最後まで言い切らない人
考えの理由をちゃんと言わない人

残念ながら…居ますよね。

いかに小学校1年生レベルが
身についていないか

「最初のページだけ」で
分かってしまいました。

これが、道徳を学ぶ際の前提なのです。

さて、中身ですが
当然のことながら「学習指導要領」通りに
作られていました。

主として自分自身に関すること。
(1) 健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をする。
(2) 自分がやらなければならない勉強や仕事は,しっかりと行う。
(3) よいことと悪いことの区別をし,よいと思うことを進んで行う。
(4) うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活する。
主として他の人とのかかわりに関すること。
(1) 気持ちのよいあいさつ,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接する。
(2) 幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にする。
(3) 友達と仲よくし,助け合う。
(4) 日ごろ世話になっている人々に感謝する。
主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1) 生きることを喜び,生命を大切にする心をもつ。
(2) 身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接する。
(3) 美しいものに触れ,すがすがしい心をもつ。
主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1) 約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にする。
(2) 働くことのよさを感じて,みんなのために働く。
(3) 父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つ喜びを知る。
(4) 先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくする。
(5) 郷土の文化や生活に親しみ,愛着をもつ。
              文部科学省 小学校学習指導要領 第3章 
                  道徳 第1学年、第2学年より

教科書の中では
小学校1年生向けの言葉に直してあるものの
内容はこの要領そのものです。

更には「情報モラル」という追加項目まで
設けられており、
「インターネットを使ったいじめ」の
怖さを示唆する内容も含まれています。

盛りだくさんですね…。道徳…。

読みすすめていくと

「ああ…こんな簡単なことなのに
 出来てないなぁ…
 すっかり忘れてたなぁ…」

と、思うところが多々ありました。
2点紹介します。

・人に親切をする理由ってなんですか?
パッと答えられますか?

「なんとなく良い」ことは分かってても
普段、理由を考えることって
なかったりしませんか?

ポイントは「親切に『する』」ひとの感情です
(『される』方の話ではないのがミソ)

親切を「する」と、いい気持ちになる

これが教科書の教えでした。
単純ですが、誰かのために何かすると
いい気持ちになりますよね。
(イヤイヤやらされると、
 なりませんけど。 仕事とか…)

結果的に「される」人もいい気持ちに
なっていて、Win-Winというわけです。

・ダメなことをダメと言えてますか?

リス君と、クマ君の話というのが
例として挙げられいます。

ところどころ端折りますが、こんな話です。

昨日のおやつは、リス君の好きなプリンでした。

そこにクマ君がやってきて
「たべるのがおそいなぁ、手伝ってやるよ」と言い
リス君のプリンを食べてしまいました。

リス君は体も声も大きいクマ君に何も言えませんでした。

それが悔しかったリス君は、夜ふとんの中で考えます。
プリンを食べられて嫌だったことを、クマ君に言いたい

でも、突き飛ばされたら嫌だなぁ
大声を出されたら怖いなぁ。
けれど、言わなかったらずっとこのままだ

よし、明日クマ君に言おう

そう決めたリス君は、次の日、クマ君に言います。
「クマ君、昨日僕のプリン食べたでしょ、謝って」

「それは、リス君がたべるの遅いから手伝ってあげたんだ」

「僕はゆっくり食べようと思っていたんだ」

「そんなことしらないよ。ダメって言わなかっただろ」

「ぼくは嫌だったんだ、クマ君謝って」
とびきり大きな、真剣な声でそう言うと、くま君は謝ってくれました


今日のおやつはいちごでした
「リス君、昨日のプリンの代わりに、これ食べて」
クマ君は好物のいちごをリス君にくれました。

リス君とクマ君は笑いながら一緒にいちごを食べました。

「真剣に言わなきゃ、やられ続ける」
というのが、言いたいことだと思います。

ただ、私が思ったのは
現実には「折れないクマ君」が
沢山居そうだなぁ…
ということです。

物語の中では
間違っていた事を素直に認め
いちごで謝罪の念を示して
最後には打ち解けています。

ただ、この物語で
「ダメって言わなかったろ」と
クマ君が最後まで自分を
正当化し続けていたら
どうなっていたでしょうか?


争いになって、
少なくとも、打ち解けることは
無かったでしょう。

クマ君は友達で居られた相手を
一人無くす
ことになります。

なので
「ダメ」なことを「ダメ」と言われた時
素直にそれを認め、謝ること
(意地を張って自分を正当化しないこと)

というのも、この話の
教えてくれることの一つ
なんだろうな…と思いました。


良い気付きが得られました。
小学校の勉強をやり直してみるのも
面白いものですね。

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