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【感染予防】NHKのコロナ特別番組で紹介されたビタミンDの免疫維持機能。ビタミンDをめぐる状況とともに紹介

コロナ対策の特番のスポットとして「ガッテン!2分ミニ『ビタミンD』」(2020年4月21日23:41~)という番組が放送されました。

ガッテン!でおなじみの小野文恵さんの進行で進むこのミニ番組、食事や日光浴によるビタミンDの効能を解説してくれるもので、ビタミンDによる「免疫維持機能」も紹介していました。

以下の引用は、「ガッテン!2分ミニ『ビタミンD』」からのものです。

今こそお伝えしたい情報があります。
外出を控えていると日光に当たる機会も減ってしまいます。すると、心配になってくるのが、ある栄養素の不足です。

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(C)NHK

その栄養素とは、ビタミンDです。

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ビタミンDは、健康な体を維持するためになくてはならないもの。カルシウムの吸収や筋肉の合成を促したり、免疫の機能まで調整してくれます。

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そんなビタミンD、皮膚に日光があたることで体内に合成されます。しかし、うちに閉じこもりがちだと十分な量の日光があたりません。そのためビタミンD不足になってしまう危険があるんです。

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そこで、ビタミンDが多く含まれる食材をご紹介します。まずは、サケ。一切れで一日に必要な量がまかなえます。

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ほかにも、サンマやアジ、サバなどの青魚にも豊富に含まれています。

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そして、キノコ類にもビタミンDがたっぷり。特にほしシイタケには多く含まれていますよ。

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これらの食材を上手に料理に取り入れて、ビタミンDを補充しましょう。

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もちろん、外で日光浴をするのも効果的。

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家の軒先などで1日15~20分、顔や両腕を出して日光浴をすることをお勧めします。

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以上、ガッテンしていただけましたでしょうか?

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ガッテン!では、このほかにも、今こそお役立ていただきたいの数々をホームページで紹介しています。ぜひ、ご覧になってください。

現状、「ビタミンDがコロナに効くというのはデマ」という専門家の発言が一部マスコミで紹介されたため、「ビタミンDの免疫力維持・向上機能」を紹介する情報が極端に少なくなっています。

確かに専門家のいうとおり「ビタミンDがコロナに効くという」エビデンスはありませんが、「ビタミンDが体の免疫力維持・向上に役立つ」というエビデンスは無数にあります。

例えば、「日経サイエンス ビタミンD」で検索してみてください。マギル大学のL. E. タベラ=メンドーサ、J. H. ホワイトの日経サイエンスの次の論文記事が最初にヒットするはずです。以下の引用は日経サイエンスからのものです。

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(C)日経サイエンス

 この25年で,ビタミンD研究は大きく変わった。その効用が骨の形成だけにとどまらないことがわかってきたのだ。ビタミンDが強力な抗がん作用をもつこと,また,免疫応答の重要な調節因子として働いていることを示す証拠が数多く見つかっている。(中略)
 活性型ビタミンDによる調節を受ける遺伝子は少なくとも1000種類はあると考えられており,体内カルシウムの調節に関与する遺伝子はその代表格だ。いうまでもなく,カルシウムの流れはビタミンDのよく知られた機能である骨形成にきわめて重要だ。しかしこの20年で,免疫反応に重要な役割を果たすさまざまな遺伝子など,ビタミンDの影響を受ける遺伝子群が他にもたくさん見つかっている。
 1980年代以降,ビタミンDにがんを予防する効果があることを示す証拠が数多く見つかっている。多くの疫学研究でも,日光を浴びる時間が長いほど,一部のがんの発生率が明らかに低くなっていくことがわかってきた。
 2004年にマギル大学の私たちの研究室は,ビタミンDの抗がん作用を調べていたところ,偶然に1,25Dが中心的な役割を果たすまったく異なる生理学的防御作用を発見した。さまざまな細菌やウイルス,真菌に対する“天然の抗生物質”を作る2つの遺伝子のスイッチをビタミンDがオンにしていたのだ。実験では,免疫細胞にビタミンDを加えると,結核菌をはじめとするさまざまな細菌に対する防御作用が生じた。これは注目に値する。つまり結核に日光浴療法がなぜ効果があるのか,その長年にわたる謎が初めて解けたのだ。
 ビタミンDが,骨形成以外にも多様な役割を演じていることが明らかとなってきたことで,多くの病気の発生状況に説明がつくようになった。ビタミンD濃度の低さが,がんや自己免疫疾患,さらにはインフルエンザなどの感染症と強く相関することや,疾患発生率に季節変動があることなどだ。(後略)

少し前まで、ビタミンDといえば骨を強くするビタミンくらいの認識しかないのが普通でした。医者でもそのような認識の方は多いものです。

しかし、最新のビタミンDに関する研究をウォッチしている人は、ビタミンDがビタミンというよりホルモンとして人体に作用したり、特定の遺伝子スイッチを活性化させたりするというような知見があります。そもそも、「遺伝子スイッチ」という概念もごく最近立ち上がってきた研究ですから、知らない人も多くて当然です。

ビタミンDは、先進的な研究分野であるため、きちんとした評価は定まっていない面があります。

そして、おそらく、それ以外に公的機関の専門家が「ビタミンDに免疫力向上の効果がある」と簡単には認めようとはしない理由は、実際にビタミンDの大量投与ががんの治療として国内でも研究が進んでおり、標準療法ではなくビタミンDをメインにしてがん治療に選択するという人が多く出ることを懸念しているだろうということがあります。意見が対立しているのではないかと思われます。

また、不当に高額なビタミンDを販売する業者の活動を阻止したいという考えが強くあるのでしょう。

市販のサプリの話ですが、DHCの通販で同社製品のビタミンDのサプリを購入する場合、30日分で286円です。安い物です。しかし、いま調べたところ、同じものがAmazonでは、620円、楽天SHOPでは、1,000円で売られているのを見つけました。ドクター向けの専門ビタミンDはこれとは別物ですが、はるかに高額な商品があるようです。このような状況を考えると、簡単には、ビタミンDには効果があるなどと公言したくない理由もわからないでもありません。

しかし、いまは非常時です。人々の命を守らなければいけません。

人々の間にウイルスが蔓延し、高齢や病弱な人たちが感染の恐怖に脅えながら、手洗い以外に効果的な予防法もないままに死の淵に追いやられていることを考えれば、このNHKの特番スポットのように、体の免疫力を上げるという極めて正当な予防法を人々に広めることは、本来あるべき対応ではないかと考えています

現状、6~8割の人で、ビタミンD不足があるといわれています。しかし、NHKの番組で紹介されたように、日光浴(ガラス越しは不可)や、日々の食事を工夫することで十分なビタミンDを得ることができます。

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私は、日々のみそ汁やラーメンにバターを一切れ溶かして飲むようにしています(バターにもビタミンDは多く含まれる)。うどんだったら、玉子を落として月見うどんにします。

舞茸のバター醤油炒めも美味でお勧めです。

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お日様に当たるようにする、日々の食材を適切に選ぶなど、ごく簡単なことを心がけるだけで、不足しているビタミンDを補って免疫力を維持・向上させることができます。陽の当たりすぎに注意する以外は、特に面倒なこともありません。ビタミンDを意識した生活をお勧めします。

ビタミンDに関するさらに興味深い話はまた今度。

それとは別に、Gigazine(ギガジン)に新しいニュースが出たので紹介記事も書きました。こちらもどうぞ。



一人でも多くの人の命を守る活動を続けたいと思っています。