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【身近な改善・気づきから】客観的にみてみませんか?あなたの薬局は大丈夫?

・はじめに

先日、用事があり、都立病院の前を通り過ぎました。以前、同業者であったのもあり、やはり薬局・ドラッグストアなどは気になるので、外からでもチェックをしてしまいます。

病院の前、特に病床数の多い病院ほど、薬局が乱立しています。また、気持ちいいほど普通の薬局。薬局としての特徴もなくただ処方箋を受けるのが当たり前なような冷たいお店なイメージを受けることも少なくありません。、
まるで、患者さんが来てくれるのが当たり前なように・・・・・。

コロナに限らず、日ごろから客観的に分析をし、自店舗がどのように地域にとって大事にしていただけるかを考えていれば、様々なアイデアや改善策が出ると思うのですが、従業員の大半の方は、必要以上やりたがらない人が多いので、金太郎あめのようにどこから切っても同じな薬局が出来上がるという状況になります。そんな薬局に魅力を感じるのでしょうか?

・7割の法則

よく、門前薬局で言われていたのが、掲題の7割の法則。
ホストの病院から近いところの薬局にだいたい7割の患者さんが行き、あぶれた患者さんが隣の薬局に行く。初めの薬局であふれた3割の患者さんの内、隣の薬局に入るのもそのうちの7割・・・という風に数珠繋ぎでなっていくという理論。

もちろん、店舗の大きさや待ち時間などでずれは生じますが、立地が圧倒的に大事であって、サービスや待ち時間などは二の次と言われていました。
今は、その考えで言うと、敷地内薬局も許可されているので、敷地内が一番強いことになります。もちろん、受付料は低いので枚数を裁かなければいけませんが・・・・。

・あなたはどんな薬局にしたいですか?

もちろん収益は大事です。患者さんが来てくれなければ、会社は給料も払えません。店舗の維持費、レセコン代、薬袋・水剤瓶・分包紙代、インク代、など薬局の諸経費は実に馬鹿になりません。人件費であっても、給与以外にも、保険料・税金も一部は会社が負担するので、年収のおよそ1.5倍は会社が支払っているといわれています。

収益の話は、少し横に置いておくとして、掲題のとおり、あなたの薬局は、患者さんから見てどんな薬局でしょうか?それに対して、あなたはどんな薬局にしたいでしょうか?また、他の人と比べてどんな対応をあなたはしていますでしょうか?

今日このテーマにしたのが訳があります。薄汚れたディ〇ニーのぬいぐるみを外に出して飾っている薬局を見ました。確かに、ぬいぐるみを置くことによって親しみやすさを出そうとしたのだろうというのはすぐに思いました。ですが、ぬいぐるみが実に汚い・・・・。久々に引きました。それを見て、逆に、飾っていれば来るだろうという浅はかな思いでやっているんだろうなと感じました。

よく患者さんの立場で言われるのが、大病院の前の薬局は、乱立しすぎていてどこに入っていいかわからないといいます。自分も、久々に薬局群を通り過ぎた時に、自分が逆の立場だったらどこに行くだろうと悩みました。特徴もなく、ただ来るのを待ち構えているような面白みのない薬局。
現在、地域連携薬局や健康サポート薬局、専門医療機関連携薬局など、より地域で役立つような対応を国が動かしていますが、自分は名前が変わるとかよりかは、外から見ても温かみがあり、信頼できると思わせるような薬局作りが大事なのではないでしょうか。
もちろん、地域連携薬局については、取得できるよう対応したほうがいいと思います。次の診療報酬の改定で何かしら加算要件になるかなと踏んでいるからです。

是非、薬局で考えてほしい内容だと思います。

・自分が試したこと(お勧め)

ここまで書くと、お前は何をしたんだ見たいに思われると思います。
自分がしたのは、いくつかあります。

 1.他店で薬をもらう

自分が処方箋をもらった時には、必ず他店で薬をもらうことにしていました。偵察というと聞こえが悪いですが、合法的に他店の対応が見れるので、いいところがあればもちろんパクらせてもらいました。(笑)
技術は、開発するか盗んで自分なりにアレンジしてなんぼです(笑)。
こういうのは、職種に関係なく同じだと思います。

 2.自店舗でロールプレイングを実践する

暇なときは自分のお店の待合室に座ってぼーっと眺めることです。これは一番効果がありました。座ってみることによる気付きはたくさんありました。逆に、何も気づかなければ、改善する意思がないんだと思います。座ることによって、患者さんの目線でいろんなことを見ることができます。待ち時間のアメニティーはどうか?汚れはないか?何かできることはないかと考えながら眺めるということがすごく大事です。
可能であれば、入店から退店まで一連の動作をやってみることです。トイレなども自分で使ってみて考えるといいと思います。

自分の知人で天才的な方がいらっしゃいました。毎回、受付台そばにテーブルを置いて、小物で飾っていました。小物も100均で購入して、場合によっては、販促品も置く。患者さんも喜んで帰られていて、温かいい薬局でした。もちろんトイレにも小物を置いて楽しませることも忘れていません。
しかも、毎月、少しずつ小物を変えていました。もちろん予算をかけすぎないことも大事です。お聞きしてみると一か月1000円ほどに制限してやっているとのことでした。

トイレや人があまり目につきにくいところにワンポイントを入れるだけでもかなり感じが変わります。もちろんそういうことをしていくことによって、従業員のあいさつなども変わってきます。
一時のクリステルばりの「お・も・て・な・し(ホスピタリティ)」なのかなと思います。もちろん自分の店でも相談をしてすぐにぱくらせてもらいました。(笑)

 3.みんなを巻き込む

管理薬剤師が、改善の意識があり、トップ自ら率先して行うことによって、部下の方みんなが見ています。

もちろん、こういったのは暑苦しくなって煙たがられることは多々あるのですが、改善というのはいつの時代も軋轢はそれなりに生じることです。
なので、自分のおすすめは、いつも相談をして、意見をもらうことにしています。

人は頼られると何かしら返したくなるものです。もちろん、いつも頼ってばかりとか利用されていると思われてしまえばそれは別ですが・・・。

自分は、薬局には気持ちよく来局していただきたいし、困ったときに頼れる地域のハブを目指して管理薬剤師をしていました。対応も、時にはフレンドリー、時には厳しいことも言うようにしながらもフォローも忘れずに入れる。
いい思い出も嫌な思い出もたくさんありますが、自分が勤めていた時には、地域ではそれなりに認知度を残せていたかなと思います。
大手だったのでスタッフの入れ替わりは多少はありましたが、大手のマニュアル通りの接客からは若干アレンジして、地域に愛される薬局作りをしてきたつもりです。
従業員は本当に上司のことをよく見ています。だからこそ、みんなに分け隔てなく相談をして意見をもらい、実践することが大事であると思います。もちろん、従業員に気持ちよく働いていただくために、本当に色々気を使って仕事をしていました。今でもいい思い出の一つです。

 4.特徴を作る

自分の薬局の特徴はなんでしょうか?一度見直してみるといいと思います。
自分が手掛けたり相談を受けた店舗は、それなりに自分も改善を手伝ったので思い出がたくさんあります。

もちろん、そこでの特徴を生かしながら改善していきました。
大病院の前であれば、待ち時間の短縮はもちろん、相談しやすい雰囲気であったり、一人でも多くの方に顔を覚えていただき、顔なじみになる。一般的かもしれませんが、やはり昔ながらの泥臭さも大事だと思います。

自店舗の時には、待合室の改造をよくしました。子供たちが楽しんで待てるようなキッズルームの作成やシールのプレゼント、塗り絵コーナー、血圧測定コーナー、場合によっては試食コーナーまで作ったりもしました。
時期によっては、ぬいぐるみで季節感を出したり、自分が手話を覚えて、手話で投薬したりなどもありました。

自分で今書いていても共通性がなさそうに見えますが、大事なのは、根源があるかどうかです。地域に愛されて気軽に相談できる薬局をしていきたいといつも思っていたのでそういった意味では色々チャレンジできてよかったなと思います。

・最後に

コロナというパラダイムシフトから各薬局は苦労されていると思います。最終的には、地域の信頼のおける薬局が生き残る一つの道になるかもしれません。オンライン診療から門前薬局に行く必要性もなくなりました。
いずれ薬局の口コミで選ばれる時代ももう間もなくです。

今までと同じことをしていれば、淘汰される可能性も否定できません。そのためにも、今後どうしていくかを考えることが大事かと思います。

是非、一度、自店舗の入店から退店まで患者さんの気持ちになってロールプレイをしてみて、感じてほしいのです。患者さんが感じていることを・・・。また、患者さんが本当に求めていることを・・・。
違和感は、改善点につながります。

一個のぬいぐるみから今回はこのような記事になりました。自分の中では、見た瞬間に本当に違和感の塊でしかなかったです。
今回の記事が、皆さんの業務の一助になれば幸いです。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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