連載小説 Catopia6
「バステトの首輪?」
「それがイエネコにかけられるリミットの名前だ。いまのあんたは、ビッグキャットしか入れない場所にも入れる。その足とジャンプが届く限り、どこへでも行けるのさ」
ルイは思わず、オレンジ色の猫をまともに凝視した。セルゲイはちらりとこちらを見たが、余裕のある態度で視線を草むらに戻した。
「失礼しました……」
ルイもすぐ我に帰り、足元の木の根を見つめる。
「気にするな。誰だって驚く」
「にわかには信じ難いです。でも、ログに残っている以上、あなたがなにかをしたのは