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陰キャ・コミュ障・キモオタクがBtoC営業職としてギリギリ戦っていく方法について ①見た目編

この世には何を間違えたのか営業に配属された哀れな陰キャ・コミュ障・キモオタクの方がいらっしゃると思う。

皆さんご存じの通り、営業の世界は体育会系で、華々しく、顔の良い陽キャのフィールドです。
そんな世界に放り込まれ、給料と生活のために嫌でも戦っていかなくちゃならない時、我々陰キャ・コミュ障・キモオタクのナードがどうやって戦っていくかについてまとめていきます。

これは、休日は一言も喋らず漫画やアニメを暗い部屋で見て一日を浪費する陰キャ・コミュ障・キモオタクの僕が、後輩指導のために自分の考えをまとめたものになります。
また、基本的にBtoBではなくBtoCの営業活動の話です。
外回りで個人宅へ商談に行くような営業を行なっている方に向けた話になりますが、割と普遍的な内容になると思います。

しかし、世の中の「営業」についての記事やコラムはレベルが高すぎる。
特に法人営業のコラムはエグくて、市場調査、自社商品の理解、ターゲットとキーマンの選定、プレゼンテーションからクロージングまで高度ながら抽象的な内容がカタカナ多めで語られています。
そりゃもちろん営業するには正しいマインドやマーケティングの知識も必要ですけど、ちょっと待ってください。我々コミュ障のナードはそもそもそういう土俵にあがっていますか?
コミュニケーション赤ちゃんであるオタクとしては、そもそも顧客のニーズの探り方なんて分かるはずもなく、人と目を合わせて会話するのも辛いし電話にも出たくない。簡単な雑談さえうまくできず気まずい無言の時間が続いたりするのに、テクニカルな営業ができるわけないです。

でも営業できる人はこのように言うんですね。
「お客さんとの会話が止まったことなんてないなぁ笑」
……そう、お察しの通り、陽キャ・コミュ強・爽やか体育会系との間には、永久に理解されないほどの深い断絶があります。
我々はその領域に到達することはありません。
何故なら生まれついての性質を変えることはできないですから。
それではどうやって戦っていくのか。

演技力を磨くしかありません。

生き残るには「メソッド演技」しかない。

まず心構えの話からします。
よく「自分らしく」「ありのままに」という綺麗な言葉がありますが、絶対に鵜呑みにしないでください。
天性の才能をもったコミュニケーション強者は「自分らしく」営業をしても人間的に完成されているので成果が出ます。
意志薄弱で欲望に忠実なオタクが「自分らしく」「ありのままに」振舞ったらカスみたいな人間にしかなりません。
ではどうしたらいいのか。
まずは紳士的で礼儀正しい丁寧語を話す強キャラをイメージしてください。誰でもいいです。
黒執事のセバスチャンでもヘルシングの老ウォルターでもキングスマンのコリンファースでもインターネットで有名なプルデンシャルゴリラさんでもいいですが、イメージしたら、そのキャラクターを自分に降ろしましょう。
いわゆる「メソッド演技」に近い状態で、あなたが理想とする営業マン像を作り出し、その人が憑依したように振舞ってください。
オタクの皆さんなら、ガラスの仮面の北島マヤもアクタージュの夜凪景も使っていた憑依型の演技法だということは一般教養として知っているかと思いますので、すんなり入ってくるかと思います。
それにオタクが非オタクより優っている唯一の長所は、「妄想力」です。
その能力を存分に使って、完璧で究極の営業マンを作り上げましょう。

人は見た目が9割だとするならば

「人は見た目が9割」という少々古いですが有名な本があります。

その内容はノンバーバルコミュニケーション(非言語)の重要性を心理学的知見から解説するとっても興味深い本です。機会があれば是非読んでみていただきたいのですが、ひとまず本のタイトルをそのまま受け取って考えてみてください。
(ここからはトンチキ話なので読み流していただいて結構です)
まずは俳優の横浜流星さんをイメージしてください。
横浜流星さんの全好感度が100としたら外見含む非言語コミュニケーションで与える好感度は90です。
我々オタクの全好感度は多く見積もって横浜流星さんの10分の1として、10です。そうなると非言語コミュニケーションで与える好感度は9です。
通常状態で横浜流星さんと我々にはアホ計算で単純に好感度81の差があります。
辛い現実ですね。
逆に言えば、見た目含む非言語コミュニケーションを底上げすれば、横浜流星さんとの好感度の差が埋まるということです!(?)
まぁ、好感度のガバガバ計算は置いといて、外見リスクマネジメントは重要です。
先ほど想定した自分に憑依させるキャラクターと、今の自分の姿はマッチしていますか?
コミュ障が営業するには演技しかありません。しかし演技の前に自分の姿、振る舞い、言動を客観的に見直し、修正をしなければなりません。残念ながらありのままのあなたが完璧な変身ポーズをしただけではヒーローにはなれないのです。キャストに選ばれる容姿と能力、演じ続ける強い意志とライダーベルトが無い限りは……

身体を整える覚悟を決めましょう。

まず前提として、あなたが致命的なほど太っているなら、痩せない限りは成果は出ません。この世のコミュニケーションは清潔感というふわっとした言葉に支配されています。残念ながら相撲取り以外の致命的に太っている方から清潔感を感じる人間はいません。
一般的な太り方なら大丈夫です。なんとかなります。
ではここからは具体的に頭の先からつま先まで、このように外見リスクマネジメントをしていきましょうという事を羅列します。絶対にそうしろというわけではなく、そうした方が一般的に好感度が上がりますということをお話していきます。

髪型 営業の髪型は短髪にしましょう。
もしかしたらあなたが思い描く理想のキャラクターが黒執事のセバスチャンだったなら大変申し訳ないですが、髪型だけは二次元のキャラクターに寄せてはいけません。
横の髪が耳にかからず、襟足も短めに。刈り上げてもいいです。なるべく1000円カットではなく一般的な床屋でオーダーしましょう。(顔剃りで眉なども整えてくれるため)
あなたがジャニーズ系のイケメンならミディアムの長さでも戦えるかもしれませんが、オタク顔では無理です。
また、必ずおでこを出してください。一般的に前髪で額が隠れてしまっていると「暗い」「幼い」印象を与えてしまいます。
そして、整髪料を使いましょう。整髪料の有無だけで見た目の社会性が変わります。

眉毛 必ず整えましょう。必ず整えましょう。
大事なことなので二回言いました。人の眉毛は一週間で崩れます。男性において眉毛の与える印象は非常に大きいです。常に意識をして、自分で整えてください。鼻毛も切りましょう。あなたの理想とするキャラクターは絶対に鼻毛は出ていません。

眼鏡 基本的にはコンタクトにしましょう。
眼鏡はオタクの代名詞です。オタクが眼鏡をしていたら大抵の場合は相乗効果でオタク度が増します。レンズが分厚いとただでさえ小さいあなたの目がより小さく見えます。メガネ男子はイケメンだからメガネが似合うのです。

 剃りましょう。
もしあなたの会社内でオシャレ髭が許されていても、世間的に清潔感はありません。インチキ臭い印象を与えます。もちろん無精髭は論外です。

 掃除しましょう。
意外ですが、他人から汚れは見えます。あと、耳には地味に毛が生えているので剃りましょう。

歯 出来る限り綺麗に整えましょう。
現在は基本的にマスクをしているので油断しがちですが、飲み物を飲む時やお客様と食事をする時などは見られる部分です。歯並びを治すのは難しいですが、黄ばみや黒ずみはなるべく歯医者にいってケアしましょう。
また口臭に関しても気をつけましょう。当たり前ですが、人と会う前に絶対にニンニク入りのラーメンを食べてはいけません。

 切りましょう。
男性なら爪が長いことにメリットはないです。童貞感も出て二重に最悪です。実はお客様の中にも、私達の顔を見てお話をしてくれない方がいらっしゃいますが、そのような方が見るのが我々の手元です。手は想像の2倍は見られていると考えてください。神は細部に宿ります。深爪くらいがちょうどいいと思ってください。

手の甲の毛 剃りましょう。
前述の通りお客様によく差し出すことになるだろう手。手の甲に太い毛がバーコードみたいに生えていると不快感を与えます。剃りましょう。

首筋の毛 剃りましょう。
首筋もムダ毛が生えがちです。剃りましょう。

肌 綺麗に保ちましょう。
荒れていると当然印象が悪く、不摂生のイメージもつきます。
手っ取り早く効果が出るのは風呂上りの化粧水と夕食後にビタミン剤(C,B1,B2)を飲むことです。


服装を整える覚悟を決めましょう。

あなたの会社にどのような服装規定があるかによると思いますが、基本的にBtoCの営業であるならばスーツスタイルが一般的かと思います。
ここからはあなたの服装について外見リスクマネジメントを行っていきましょう。
そして、前提として認識してほしいことなのですが、この世の9割の男性はスーツのサイズがあっていません。恐ろしいことにスーツのサイジングさえしっかりしていれば、非常に清潔に見えます。本来スーツは男性をカッコよく底上げする衣服なのです。

スーツ なるべくパターンオーダー等で自分に合ったサイズを用意しましょう。
上でも述べた通り、スーツのサイジングは見た目の清潔感には非常に重要で、ここを改善するだけでかなり外見が向上します。
スーツは唯一、「ジャストサイズ」が必ず一番カッコいい衣服です。
重要なのは肩幅、胸回り、袖口です。
そこでオススメなのがオーダースーツです。
吊り下げのスーツで自身の身体にドンピシャのスーツを購入することは、不可能ではありませんが、難しいです。
パターンオーダー、イージーオーダーなどのオーダースーツであれば、採寸者のスキルにも若干左右されるものの、身体にジャストのスーツを仕立てる事ができます。
スーツはシングル、ダブル、スリーピースと種類がありますが、一般的にはシングルのスーツが王道です。
ラペルの太さなども標準の物が良いですが、細めだと上級者っぽくオシャレ感が出ます。センターベントも溌剌とした印象がありますが、サイドベンツも重厚感が出るので好みで選んでください。
パンツも、現在オシャレさんにはタック入りがトレンドですが、無い方が若くスタイリッシュな印象を与えます。逆に貫禄を出したい場合はワンタックかツータックが良いです。裾上げはシングルでもいいですが、私はカジュアルな印象のあるダブルの方が好きで大体4センチほどにしています。
そしてセンタープレスは常に保つようにしましょう。
オタクは基本的に自身の服装にこだわらない方が多いです。
無論私もそうでしたが以前に考えを改め、ゲームのキャラクリだと思うようにしました。キャラクリだと思えば、自ずとこだわりたくなってくるもので、袖口を本切羽にしたり、チェンジポケットを付けたり、遊びもできるようになってきます。やりすぎは逆に印象が悪くなりますが、適度なこだわりは良い印象を与えます。
何より不思議なことに、体型に合ったスーツを着ていると自信や活力が湧きます。キャラクター憑依の演技に入る前に、形から整えるのはその後のメンタルコントロールにも非常に重要です。

また、本音を言えば、毎日違うスーツを着ているという清潔感と服装に気を遣っている感の印象付けのために最低5着は欲しいです。もっと言えば春夏と秋冬で5着づつ、計10着は欲しいところですが、お財布と相談してください。

Vゾーン スーツ選びと同様の重要性です。
ジャケットとシャツとネクタイは、その方の個性を演出する重要な要素です。
シャツ:本当はシャツもオーダーで作った方が良いのですが、難しいようなら既成でジャストサイズの物でドレスシャツを購入しましょう。その際はなるべく腹回りが細いデザインのメーカーを選んでください。
色は白のほか、薄いブルーや、ツイル生地やヘリンボーンを選びましょう。
チェック柄や強いストライプは避けましょう。
襟のデザインはワイドカラーなど開いた襟のものが個人的にオシャレに感じますが、ボタンダウンのものだけは選ばないようにしましょう。ボタンダウンはカジュアルな印象があり、基本的にネクタイを合わせるのはおかしいです。またフォーマルな装いではNGなことから、敏感なお客様の中には鼻につく可能性があります。なるべくリスクを排除しましょう。
また、個人的にボタンなどにデザインがあるボタンダウンシャツを着ている方が多いですが、オシャレっぽく見えるだけで全くオシャレじゃなく、すごくダサいです。なるべくやめてほしいと思います。
また、襟や袖の汚れ、皺は当然気を付けてください。
ネクタイ:色や柄で印象が大きく変わります。センスの世界になってきますが、選ぶコツはいくつかあります。①無地は便利です。何本か持ちましょう。②色数が少ないほど合わせやすいです。③柄が小さいほど合わせやすいです。

ネクタイピン 付けましょう。
ジャケットを脱いだ時にネクタイがぷらぷらしているとみっともないですし、お客様と食事する時や手を洗う時も邪魔になりません。ネクタイが摩耗することも防げ、シュレッダーへの巻き込みなど事故防止のために付けた方がいいです。ちょっとオシャレに見えるアクセサリー要素もありながら、実用的でもあるので総合的に得だと思います。
ただ、私はとあるお客様に、「風にたなびくネクタイが渋くてカッコいいんだろうが!」と言われたことがあります。だからそのお客様の所に行く時だけピンを外して、「社長にネクタイピンのこと言われて、非常に共感したので外しました!」と言ったら喜んでいました。臨機応変に対応しましょう。

ベルト 靴の色と合わせましょう。
ゴリゴリのブランドロゴとかがデザインされているようないやらしいものでなければなんでもいいと思いますが、靴の色とは合わせましょう。意外と全体のバランスで重要なアイテムです。
また穴は5個にして通常時は真ん中のホールにピンを通すように切って長さを調節しましょう。お店の人がやってくれますが、自分でも簡単にできます。

靴 とりあえず内羽根のストレートチップさえあればなんとかなります。
もっともフォーマルかつ、スーツにも合う靴が内羽根のストレートチップです。これ一足あれば冠婚葬祭含めて、基本的にどのような場所でも大丈夫です。ただ、好みで外羽根やモンクストラップ、ウイングチップなど他のデザインの靴を履いてもいいと思います。お客様とシーンに合わせて選んでください。
基本的にゴム底の靴の方が歩きやすいので、長距離歩く方はゴム底の方がよいです。雨にも強いです。
また車を運転する場合はなるべく底が薄い靴の方が運転しやすいです。
最低3足はあると良いです。ちゃんとシューキーパーも使ってください。理想は5足あると靴は長持ちしますし、水虫にもなりにくいです。
私は以前、初めてお会いするお客様のご自宅へダブルモンクストラップの革靴を履いていったら、「初めてあがる家には内羽根のストレートチップを履いてきなさい」と注意を受けたことがあります。オタクが気にしていないだけで、見てるお客様は本当によく見ていますし、マナーに厳しいです。

カフス なくてもいいですが付けているとオシャレです。
スーツスタイルの中で個性が発揮できる数少ない装飾品なので、私は好きでよく付けていますが、カフスボタンを留められるシャツを用意しなければならないため少々面倒くさいです。

靴下 無地でスーツの色に合わせましょう。
当然、裾から地肌が見えるような短い靴下はダメですし、穴の開いたものなど論外です。派手な柄なども避けましょう。

時計 必ず付けましょう。
時計は、時間管理の必要性のある営業にとって必需品です。
スマホでいいじゃん!という方は、商談中にスマホを取り出して時間を確認するつもりですか? 人によっては無礼に思われますのでやめましょう。
さらに経営者やお医者様など、ある程度お時計に詳しいお客様は、着用している時計をしっかりチェックしています。
ステンレスのアナログ時計で3針のモノが比較的フォーマルでオススメです。セイコーなら何も思われません。お金があるならオメガだとお話が広がるかもしれません。もっとお金があって手に入るならロレックス。
秋冬ならレザーストラップもいいですが、いずれにしろあまり高級すぎるものと、派手すぎるものは避けましょう。
またアップルウォッチはやっぱりちょっと浮きます。着用するか迷った時は、位の高い公人と映像で記録される会談をする妄想(例えば何故か自分が麻生太郎氏と会談する、など)をして、その時に避けた方がいいなと思ったのなら避けましょう。

番外編:クールビズについて
世の中の男性を等しくほんのりダサくした、戦犯的環境対策であるクールビズですが、その推奨基本スタイルである半そでシャツにノーネクタイで営業活動を行うのはなるべく避けたほうがいいでしょう……
真夏にネクタイジャケットまで着用しろと言うのはかなり心苦しいですが、私はそうした方がいいと思います。
その方がイカれ感が出るからです。
営業は若干イカれてる方が成果が出ます
人聞きが悪くて恐縮ですが、要は人より逸脱した何かがあった方が、リレーリョンシップ構築の足掛かりになりやすいということです。イカれた真面目さ、イカれたマメさ、イカれたプレゼンテーションの上手さ、イカれたヒアリング能力の高さ、イカれた見識の広さなど、自分の周りにいるトップセールスを思い起こしてみてみると何か良い意味でイカれてませんか?
我々はナチュラルボーンイカれ営業にはなれません。最初に戻りますが、演じなければならないのです。過酷なことに我々はイカれも演出しなければならないのです。
とはいえクールビズをするかどうかは、会社の方針と自身の体調と要相談で決めましょう。


持ち物を整える覚悟を決めましょう。

服装の延長線上で、営業時の持ち物を整えましょう。
常にメソッド演技で降ろすキャラクターの事を考えてください。あの完璧な営業活動を行うキャラクターはどういう身体をしているのか、服装はどうなのか、持ち物はどうなのか、現状の自分との違いを修正してください。
これは「形から入る」を徹底的に実践し、見た目から受ける印象を横浜流星さんに近付ける方策です。人生経験が年齢に伴わない中身のない我々オタクが、とりあえず外見だけで切られる可能性を潰していく作業です。

鞄 なるべく手持ちのビジネスバッグを選びましょう。
最近はビジネスリュックが流行していますが、スーツにリュックはジャケットを痛めますし、フォーマルではありません。万が一リュックを背負ったままお客様にお会いした場合、失礼な印象を与えてしまう可能性があります。両手が空くし、実際便利なため使用してもいいと思いますが、なるべく3wayになるものなどを選び、客先では手持ちに変えましょう。

ハンカチ 自分用とお客様用とカバン用で3枚用意しましょう。
イカれポイントを簡単に稼げるのがハンカチです。
まず、手を洗った時や汗を拭く時に自分で使用するハンカチは当然用意しましょう。次にいざという時にお客様に差し出す用に、予備のハンカチを用意しましょう。さらに、ご自宅へあがった際にカバンの下に敷くハンカチを用意しましょう。
有名な本で「かばんはハンカチの上に置きなさい」という営業本があります。

これも滅茶苦茶面白い本なので、是非機会があったら読んでほしいのですが、要はこの本のタイトルを実践するだけです。
確かにカバンって床置きすることも多くて、靴の裏と同じくらい汚い可能性がありますからね。それをお客様のご自宅に触れさせないという配慮を、露骨に堂々とやるわけです。イカれを感じるものの、決して悪い印象にはならないと思います。我々がナチュラルボーンコミュニケーションで戦えないなら、そういう所で戦っていきましょう。
あと、ポケットティッシュも当然持ちましょう。水に流せるものだといいです。

折り畳み傘 常備してた方がいいです。
日本の気候はガバガバなのでスコールもバンバン降ります。多少濡れていた方がお客様の同情を引けるというイカれテクニックもあるにはあるのですが、小さくていいので折り畳み傘は常備していた方が便利です。

携帯靴ベラ 持っていた方がいいです。
もしあなたがしっかり内羽根のストレートチップを履いているのであれば、お客様のご自宅の玄関先で簡単に靴を履くことはできないはずです。
その時にお客様から靴ベラを借りていませんか?
どうせ靴を脱ぐ事が分かっているのだから、対策しましょう。
携帯靴ベラを持ち歩き、イカれポイントを稼ぎましょう。

携帯スリッパ 持っていた方がいいです。
稀有なケースですが、お客様先でスリッパが用意されていないことがあります。そんな時に靴下で上がりこんでいませんか?足の汗の跡がフローリングについて、恥ずかしい気持ちになっていませんか?すぐにやめましょう。
携帯スリッパを持っていれば対応できるのですから、対策しましょう。

筆記用具 勝負ペンを一本用意しましょう。
自分用の筆記用具はもちろんのこと、お客様が使用する用に勝負ペンを用意しましょう。
こんな逸話があります。高級車のディーラーで担当営業マンは感じがよい方でしたが、いざ契約書にサインしようとした時に出てきたのは、1本100円くらいの粗末なボールペン。お客様はそのボールペンでサインするのが気に入らなくて、契約を白紙にしてしまいました。この逸話が本当にあった出来事かどうかは置いといて、お客様の心情を理解していない行動であることは理解できるかと思います。我々のように無神経なオタクとしてはペンがなんであれ特に気にしませんが、重要なのは「そういう人も当然に存在する」ということを認識する、ということです。リスクはなるべく減らしましょう。

名刺入れと名刺 名刺を持たない営業は営業ではありません。
名刺は営業の必需品で、絶対に切らしてはいけません。何故なら、自分が何者なのかを証明できる持ち物、名刺か社員証くらいしかありませんから。
稀に名刺で個性を発揮してくる営業もいます。私の知っているイカれ営業は名刺に自分の似顔絵を描いて入れていました。さすがに真似できません。

手帳 アナログの良さがあります。
令和の世ではスケジュール等をスマホやタブレットで管理している方がほとんどでしょうが、こと営業の世界になると何かを手帳に書き込むというアナログ感がスマホやタブレットより顧客に安心感と仕事できる感を与え若干の心理的有利に働きます。

電卓 何故かスマホより提示した時の印象がいいです。
なぜスマホは印象が悪いのでしょうか。恐らくスマホのオールマイティな機能性とプライベート的な性質が、電卓の計算機能に特化した専門性と誰でも使えるイメージに心理的印象で負けるのではないかと考えています。

付箋 A4クリアファイル クリップ
こんなんどれだけあってもいいですからね。

その他 自分で営業に必要だと思う物を持ちましょう。印鑑とか朱肉とか。


動作を整える覚悟を決めましょう。

ここまで身体、服装、持ち物を整え、若干のイカれエッセンスも注入し、かなりキャラクターを降ろすのに適した器になってきたのではないでしょうか。あとは動作を整えてより理想的なキャラクターを演じることを目指しましょう。
動作とは所作や立ち振る舞いです。つまり、遂に演技の領域です。
礼儀正しさは動作のディテールに宿ります。人の印象を決定づける大きな要因となります。
本来は自分が相手からどう見られているのかを常に意識することが重要なのは言うまでもないですが、今まで意識していなかった我々が意識できたら苦労しません。
まずは自意識を捨て、演じることに終始しましょう。

基本姿勢
オタクに限らず人類のほとんどは姿勢が悪いです。立ち姿勢、座り姿勢から気を配るだけで他人からの印象はかなり変わります。頭頂部から一本の糸が真上に伸びていて、引っ張り上げられているイメージを想像してください。
立ち姿勢では常に両足に体重をかけ、重心を崩さないように心掛けましょう。目線は床と並行になるようにまっすぐ前を見据えて、あごを引きましょう。
座り姿勢は軽く握った手を膝の上に置く面接スタイルか、目の前にテーブルがあるのであれば、手を軽く組みましょう。

歩き方
立ち姿勢と同じく、頭頂部を糸で吊られているイメージをし、あごは適度に引き目線を水平に保ちましょう。肩を丸めるのではなく、胸を斜め上に張るようにして、ひじをやや外側に開いてください。歩幅はなるべく大きく、少し緩やかに、着地の際は前の足がしっかり伸びた状態になるようにかかとから着地を意識をすると、自信や男らしさを感じさせます。内股、ガニ股にならないよう注意し、レッドカーペットの上を綺麗に歩くようなイメージで意識しましょう。

お辞儀の動作 
手を自然に身体に沿うようにして、両手の指を揃えて前で重ね、左手を上にしましょう。一般的に右手は武器を持つ手であり、右手を隠すことで攻撃する意志がないことを示します。
背中から首をまっすぐな状態に保ったまま上半身を前に倒しましょう。
お辞儀を始めてから1,2、3と心の中でカウントし、3で元に戻りましょう。
お辞儀の角度はその重要度によって30度、60度、90度で使い分けてください。商談の決定時や、お見送りの時は当然90度です。

表情 笑顔が基本です。
我々オタクはインターネット上ではワロタ!草!と、まるでニチャニチャ笑っているように振舞っていますが、実際に笑っていることはありません。基本は「無」ですよね、私には分かります。しかし、営業をしていく上では、当然それではいけません。
表情、とりわけ笑顔はコミュニケーションを円滑に進める上で非常に重要であり、物事を伝える際には協力な武器になります。
どんなにぎこちなくてもスマイルをキープしてください。
商談中は常に笑顔を維持し、お客様の感情に応じて表情を変えてください。例えば、クレームやご不幸の話になった時は申し訳なさそうな顔や悲しそうな顔をしましょう。我々オタクは本来美少女ゲームなどで、攻略キャラクターの気持ちに沿って好感度を上げる選択肢を選んできたはずです。コンテクストに沿った表情を選択するくらい、訳ないはずです。今こそ積みあげてきた国語力を発揮する時です。多少オーバーなくらいの表情で、心の底から思っていなくても、相手に寄り添った対応を心掛けましょう。演技もクオリティが上がれば他人の感情を動かせます。

手の動き
プレゼンで有名な経営者を思い浮かべてください。そのプレゼン上手な人達が直立不動で話をしていることはまずないでしょう。手の動作はノンバーバルコミュニケーションでも重要な要素となります。
しかしながら手の動作の難しい点は、あまりに大げさな動きは逆に不自然で不快に見えてしまうということ。そこは会話の流れで自然に見える動きをしなければなりません。
最初はこれだけを心掛けましょう。①相手に手のひらを見せる動作を②何かを強く伝えたい時に行う。

①見た目編 おわりに

さて、もし上記の内容を実践できたのなら、器はかなり整ってきています。
あなたの見た目好感度はおそらく30~50くらいにはなったのではないでしょうか?もちろん横浜流星さんほどの見た目好感度は叩き出せなくても、初期状態の好感度9の時よりはだいぶマシなはずです。
これでやっとお客様は我々キモオタクの話を聞いてくれます。
そう、やっと話を聞いてくれるようになるだけです。
本質的な営業、つまり商売はここから始まります。
本当に妄想したキャラクターを演じていくのはこれからです。
でも大丈夫です。話を聞いてくれるようになれば、そこそこ売れます。
何故なら、顧客側にメリットが無さすぎる詐欺に近いような著しく粗悪な商品じゃない限り、商品の良さで売れるからです。
我々が目指すのはトップセールスなんかではなく、そこそこの結果を出すセールスです。
陰キャ・コミュ障・キモオタクの皆様、なんとかギリギリやっていきましょう。無理そうなら職を変えましょう(本末転倒)
テクニック編も時間があればまとめたいです。後輩指導のために……

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