運命と私 29

朝から気が重かった。

職場で不倫なんて・・・別れると地獄。

江藤の顔を見るのが嫌だった、
気持ちがまた江藤に行ってしまうのが怖かったからだ。

私は北沢の最寄りの駅で電車が止まった時に、
北沢がいないか確認したけど、
北沢はいなかった。

北沢に会えたら少しは元気になれると思ったのに残念。

職場に行くとまだ江藤は来ていなかった。

「昨日のデート楽しかったですか?」

後輩の中谷が聞いて来た。

「えっ!うん楽しかったよ。」

「よかったですね、
そう言えば知ってますか?
今日から1週間も江藤さんお休みらしいですよ?」

「そうなの?」

「奥さんの具合が悪いみたいです。」

「そうなんだ、大変だね。」

「川崎さんって江藤さんと仲がいいですよね?」

「えっ?どこが?話したことあんまりないよ。」

「そうでしたっけ?」

「そんなことより仕事始めないと!」

「は~いわかりました。」

私は驚いていた、
私たちの関係に気が付いてるの?
もう別れたからいいけど・・・
中谷ってやっぱり怖いな!

でも江藤が休みと聞いて私の心は軽くなった。
もう江藤のことは考えないようにしよう。

私には北沢がいる。

つづく

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