3時間の1日 8
6時間後にまた同じ女の人が来た。
「決めましたか?」
「はい、あの・・・質問していいですか?」
「はい、なにか?」
「僕の他に僕のように仮想の世界に行った人はいるんですか?」
「いますよ!
でもみなさん1週間で飽きて帰られています。
3ヶ月なんて最長です。」
「そうなんですか?」
「眠ることが出来ない、食べることもない、
楽しみが無いこの世界で恐怖を感じる人が多いです。」
「そうなんですね・・・」
「ここの世界が気に入ったのならここにいても大丈夫ですよ!」
「はい・・・」
僕は元の世界に帰ると決めていたのに、
帰ることが急に怖くなった。
みんなが飽きるこの世界、でも僕には合っているのかもしれない!
元の世界に戻っても幸せが待っている訳ではない、
何の保証もない世界。
ここは安定の平和な世界、でも楽しみはない。
僕は冒険者にはなれない、
やっぱりここにいようか?
僕の決断は揺らいでいた。
「じゃこの世界にいるんですね?」
ハッキリしない僕に女の人はイライラしていた。
「もう少し考えさせてもらえませんか?」
「わかりました、
では明日・・・3時間後にまた来ます!
これが最後です、
そしてこの世界にいることを決断したら、
もう元の世界には戻れません。」
「わかりました。」
女の人はイライラしながら帰って行った。
僕はどうしたらいいんだ?
この世界に残ったらどうなる?
元の世界に戻ったらどうなる?
僕は3時間考えた。
そしてついに答えを出した。
つづく
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