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アメリカで献血をしてきた
こんにちは、らるです。
みなさんは、献血をしたことはありますでしょうか?
私は齢17のときに初出血して以来、述べ131回の出血を繰り返してきました(2023年7月現在)。
大体65リットルほど私の血液を世に送り出してきたようです。
そんな私がこの度めでたくアメリカで献血をしてまいりました。調べると既に海外献血のレビューはいくつか散見されるのですが、せっかくなので残しておこうと思います。
⚠️一部血液の写真がありますので、閲覧にはご注意ください⚠️
なんで?
40回ほど献血したあたりからただの血抜きに飽きてしまい、47都道府県に血をばらまく「献血行脚」なる泥沼に足を突っ込んでしまいました。
これがかなり楽しく、各都道府県ごとにもらえるノベリティが違ったりしてなかなか旅行のスパイスとなっています。
そういえば献血行脚しようと思いまして
— らる (@lsp_ra) August 5, 2019
47都道府県いつか制覇したい pic.twitter.com/GMmaw2C8bk
Ref.1 献血行脚1年生
しかしながら、私のフォロワーにも同じく献血行脚を生業としている方がおり、さながら陣取りゲームの様相を呈しています。
私が旅先で血を抜く度に領土侵害だと喚き散らかされている今日この頃。
岐阜県以西での血抜きは宣戦布告とみなす旨通知した
— しぶたにかのん(無所属・新) (@motei_ku) July 9, 2023
Ref.2 定期的に送られてくる最後通牒
現在のところ彼の方が陣地は多く(32 vs 22 都道府県)、単純な石高争いでは勝ち目がありません。
そこで私は海外に目をつけました……そう、アメリカです。
広大な土地、莫大なGDPを誇るアメリカを手中に収めれば一気に形勢は逆転、ハル・ノートを叩きつけることもできましょう。
ということで、アメリカを墜とすべく単身ヒューストンに向かいました。
事前準備
とはいえ実際に海外で献血ができるかどうかはよく分かりませんでした。各国で入国者に対する献血規定が様々であるためです。
例えば日本で献血する場合、
輸血を媒介して感染が危惧される疾患(ウイルス感染症等)によるリスクを軽減するため、海外からの帰国日(入国日)当日から4週間以内の方からの献血は、ご遠慮いただいています。
という条件が存在するため、短期旅行の外国人には献血資格がありません。
今回アメリカに滞在できるのは1週間ほどだったため、現地の規定がどうなっているか調べる必要がありました。
アメリカは日本と異なり、赤十字以外にも献血団体が数多く存在します。各団体で細かな条件が異なるため、入念に調べる必要があります。
今回はUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのBloodBankで献血してみることにしました(宿から近かったので)。
ホームページを見る限り特に引っかかりそうな項目はなかった(驚くべきことに、入国後〇〇日後から献血可……という制限がそもそもなさそう)のですが、アメリカ行ってから「献血できないっすw」だと洒落にならないので一応メールで問い合わせてみました。
すると以下のような返信。マラリア流行地からの入国でなければ大丈夫なようですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1690492602225-Sz8ZSNutJt.jpg?width=1200)
成分献血は全血献血の経験が必要なようなので、仰せのままに全血で予約を取り、国内での準備は完了です。
いざアメリカへ
献血の予約も取ったので、いよいよアメリカへ向かいます。片道13時間程度の長距離フライトとなり体力を消耗するため、十分な滞在日程を確保できるのであれば入国後数日してからの献血をオススメします。
ちなみに航空券は往復で40万程度でした。エコノミーなのに高すぎるだろ。
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献血 〜事前検査まで
アメリカに到着した後は、献血予定日まで健やかに過ごします。日本と同様、十分な食事と睡眠、水分補給は不可欠です。
少し気をつけるべき点としては、サプリメントを摂らないようにすることです。アメリカは日本で認可されていないサプリメントが多く市販されており、お土産にする人も多いようですが、当然献血BAN対象なので献血前は摂らないようにしてくださいね。
さて、十分な睡眠と食事を摂ったら献血ルームへ向かいます。
ヒューストンはクソほど暑く、この日も38℃くらいありました。限界学生である私は酷暑の中献血ルームまで2マイル歩いたのですが、これから血を抜く人間の行動として間違っているのでUberを使うのが吉です。
![](https://assets.st-note.com/img/1690494647819-hXI849JWtv.jpg?width=1200)
献血ルームの中はかなりシンプルで、待合室もコンパクトに収まっていました。平日の昼間から献血する奇人はあまりいないらしく、ドナーは私ひとりでした。
ちなみに、自販機などはないので飲み物は各自で用意する必要があります。お菓子も献血後にしかもらえません……。
献血ルームに入るとまず簡単な本人確認を行います。予約をしている旨と名前、パスポートを見せれば手続きしてくれるので、それに従います。
その後、タブレットを用いて問診を行ったのち、医師(なのかどうかは分からなかったが、多分ライセンス所有者)により血圧測定、ヘモグロビン値のチェックが行われます。ほとんど日本と流れは同じですね。
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ちなみに、問診内容は基本的には日本と同じものでしたが、チラホラ印象深いものもありました。
3ヶ月以内に輸血を受けたか?
3ヶ月以内に臓器や組織、骨髄の移植を受けたか?
……それ、3ヶ月でいいんですかね。日本だと確か永久BAN対象だったと思うのですが。
12ヶ月以内に少年院、留置所、Bootcamp(訓練所?)、短期/長期の刑務所に入っていたか?
……これはなんなんでしょうね?色々考えられますけど……。
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![](https://assets.st-note.com/img/1690495990164-T55Nen6iFc.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1690495990212-wMsrl7h9Kq.jpg?width=1200)
献血 〜本採血
事前検査をパスしたらいよいよ本採血です。とはいえこちらも日本とあまり変わりません。強いて挙げればベッドにテレビが無いこと、ヨード消毒がなかったことでしょうか?
靴のままベッドに上がり手技を待ちます。ちなみに私はこの時点で異国での献血を前にニヤニヤが止まりませんでした。
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血抜きの人(日本では看護師さんが穿刺をするが、アメリカでは血抜き専門職があるらしい)が私の腕をまさぐり、採血に使用する血管を決定します。
右腕を一瞥した後左腕を確認し、「こっちがいいね」と左正中を選択……え、正中ですか?
今まで日本では左の橈骨側ばかり刺されており、正中に刺したことはありませんでした……ここで一抹の不安。
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まさかアメリカで正中処女を散らすとは思わなんだ
その後、血抜きの針を取り出しますが……え、なんか太くね?
……そうです、アメリカは16G針を使っているので、日本(18G針)より0.4mm太いのです。忘れてた……。
しかしながらここで退く訳にいかない(しニヤニヤが止まる訳でもない)ので、甘んじて極太アメリカンを身体で受け入れます。クソ痛かったです。アメリカでは1週間に2回まで成分献血ができるところもあるようですが、これ週2回は保たないよ……///
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献血中は日本と同じようにニギニギを渡され、ひたすら血を抜いていきます。
特に変わり映えはしないのですが、飲み物やら食べ物やらノベリティを膝の上に積まれていくので重いのなんの。
テーブルという概念はアメリカにはないようです。
⚠️以下に血液の写真がありますので、閲覧にはご注意ください⚠️
![](https://assets.st-note.com/img/1690498357496-L0c0wd5SA1.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1690498357662-wFGmi3P2SF.jpg?width=1200)
献血終了〜帰宅まで
今回は全血献血だったので、10〜15分ほどで終わりました。量としては500mlちょっとで、日本より少し多め。
抜針の後はその場で15分の休憩を取らされます。飲み物や食べ物が渡され、このタイミングで飲食するよう促されます。メニューにドリトスとかあったけど血抜いた後に食べる奴いるんだろうか。
休憩後はかなりドライで、「もう帰っていいよ〜」という感じ。え、もういいんですか?という感じで献血ルームを後にしました。
貰えたノベリティは
MD AndersonのTシャツ
MD Andersonのトートバッグ
オレオ
ニギニギボール(欲しいと言ったらくれた)
……しょぼいね。
![](https://assets.st-note.com/img/1690500041759-Feg9lZLW1Q.jpg?width=1200)
でもトートはオシャレかも
Q&A
Q. お金もらえなかったの?
A. もらえなかった……。
なんでだろうね?海外だとお金くれるイメージなんだけど……。
大学の附属病院で献血したからボランティア性が強かったのかな。ちょっと残念でした。
Q. 英語力必要?
A. 日常会話レベルで十分。
小難しい医療単語とかはタブレットの問診でしか出てこないから、ある程度の日常会話が聞き取れれば血を抜いてくれる。
英語力よわよわの私にもちゃんと優しくしてくれました、ありがとう。
Q. 日本とどっちが良かった?
A. 日本。
日本の献血ルームの居心地の良さは本当に異常なレベル。
充電し放題、漫画テレビあり、お菓子飲み物食べ放題はアメリカでは手に入らなかった……。
完走した感想ですが
「アメリカで献血!」というレア感で欲は満たせたけど、総合的には日本の圧勝でしたね……。お金もらえてたらまた違ったのかもしれないけど。
とはいえアメリカでの献血は想像以上にハードル低かったです。突然アメリカ出張!ってなっても意外と簡単に血が抜けそうだね。
日本と献血の流れも似ているので、日本である程度慣れている人は全く困らないと思います。
みなさんもアメリカで献血しましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1690501077578-pQL5wOmtc9.jpg?width=1200)
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