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【徳利に酒以外をいれるやつ】とっくりカフェタイム【三回目】

前回、前々回↓


徳利に日本酒以外のものをいれて飲む。これは過去に二回も記事にした企画だ。「もうやらなくていいだろ」と世界中の誰もが言わなくても私が大きな声で言う。「もうやらなくていいだろ!!!」うるせえ!!!やるんだよ!!!二度あったんだから三度目もあるんだよ!!!それが世界のことわりだろ!!!

世界の理には逆らえない。そういう人間もいる。

もう三回目ともなると、「徳利に飲み物をいれるとどうなるか」など既に知っている。徳利の形はマグカップよりも保温性が高く、ゆっくりと時間をかけてホットドリンクを飲むことができる。また、徳利とセットで使う盃はその小ささから熱が逃げやすく、火傷せずにあったか〜い飲み物を口に入れられる。つまり、徳利に熱い液体をいれるとなんか色々ちょうど良くなる!


今回は、コーヒーとホットミルクを用意して最終的にカフェオレを作ってみようと思う。徳利の中身を外側でブレンドさせるのって全然聞いたことがないから。

では下準備を。徳利二本、盃二客を洗う。コーヒーに使う酒器は陶器製のため、乾ききったまま使用するとコーヒーの色や匂いが染み付いてしまう。日本酒を飲むときにコーヒーの香りがするのは好みではないので、それを防ぐため器にしばらく水をいれて放置する。ミルク用は磁器製なので、普通に洗って干しておく。


まずはコーヒーを淹れる。豆を挽いて、抽出する。コーヒーを徳利に移すため急須を置き、買って以来使ったことのないスタンドを立て、その上にドリッパーを置く。置く、置こうとして、置けない。スタンドの開く幅が少し広くて、ドリッパーが滑り落ちてしまう。

仕方がないので、急須にそのままドリッパーを乗せた。使ったことないスタンドの出番がようやく来たと思ったのだが、使用せずに退場となった。

という微妙なハプニングのあったコーヒーも無事に出来上がり、徳利に入っていった。

私はコーヒーアレルギーがあり、ものにもよるが多くの場合ブラックコーヒーを飲むと具合が悪くなる。カフェオレだとあまり気持ち悪くならない。今回までメジャーな飲み物であるコーヒーが登場しなかったのはアレルギーのせいだろう。過去のことは覚えていないがきっとそう。

まあ、盃に入った分のブラックコーヒーなら量も少ないし平気だろうと飲んでみた。めちゃくちゃぬるい。

温度を測ると42℃。お風呂かよ。鉄瓶でしっかりお湯を沸かしたはずなのだが、抽出に時間がかかるのと急須から徳利に移すので冷えてしまった。液体が空気に触れる工程が挟まるとすぐ熱が奪われてしまうんだった。なんとかして直接徳利に抽出したほうが良かったか。


コーヒーのセルフドリップには時間がかかってしまうので、その間にホットミルクも作る。牛乳をあっためる方法として熱燗に挑戦する。ただし勘の熱燗である。実際にやり方が合っているか分からないので注意されたし。世の中には燗徳利というのが存在して、おそらくそれを使うのが良い。

まずは徳利に直接牛乳を注ぐ。それから、背の高い鍋などを用意し水を貯める。我が家ではポットを使う。

鍋を火にかけ、水をお湯に変える。一度火を止め、鍋の中に徳利をいれる。弱火にして温度を保ちつつ、牛乳を少しずつ温める。ガラスの徳利では絶対にやっちゃいけないし、陶器でもちょっと不安なやり方だ。磁器でも3cm以上ヒビが入ってたらやめておいた方がいい。鍋底に石とか敷けば確実に安全なんだろうなと分かっているが、石を保管するのが面倒でやってない。代わりにしっかりと様子を見ておく。

ところで、徳利には浮世絵の春画が描かれているのだが、盃にも同様に春画が隠れている。

底にガラス玉が埋め込まれていて、そのままでは絵が見えない。盃に透明の液体を注ぐとガラス玉の邪魔が消え、その下にある春画が見えるようになる。面白い仕掛けなので見せたいのだが、今回は牛乳を注がなければいけないので見せられない。

面白い仕掛けを無に帰して、盃に牛乳の熱燗ホットミルクが注がれた。注ぐとき徳利に手をかけたら熱くてびっくりした。

82℃。お風呂の温度の二倍。盃から飲んだら口内に火傷を負うことなく飲めた。徳利はミルクが入ってる間ずっと、しっかりめに熱かった。口内よりも手の方が火傷しそうだ。


さて、いよいよカフェオレ。器はコーヒーとミルクで使った酒器たちの中間っぽい見た目の小向付を。

ミニチュアと言われればミニチュア。カフェオレのショットと言われればカフェオレのショット。味は普通。普通に、カフェオレ。温度はちょっとぬるめ。コーヒーのぬるさが勝ってしまった。


飲み物の準備は整った。カフェタイムにちょうどいいスイーツとか用意しよう。

いい感じの器があった。
ここに盛り付けよう。
お菓子、お菓子、お菓子……

探したんですが、お菓子が無かったのでカルシウムせんべいの切り絵で代用します。

用意した器からフレームがフレームアウトしているが、アウトしていたとて困るわけじゃなし。


カフェタイムの準備は整った。

カフェタイムとはおしゃれな名前をいただきながら、カルシウムせんべいの切り絵を鑑賞しつつ小さい器に入ったカフェオレを飲む会になってしまった。なぜこんなことに。ブラックコーヒーのせいでちょっと具合悪いし(結局ダメだった)。


性懲りもなく三回目をやってみたが、「日本酒以外が徳利に入ってもと案外サマになる」「徳利を使うとなんか楽しい」「やっぱり保温性高い」メリットはあるものの、「普段使っていない徳利を取り出してきて、洗って、使って、洗って、乾かして、しまう手間がめんどくさい」デメリットにはどうしても勝てない。

コーヒーに使った陶器は風通しの悪い場所に保管しているため、使用後はしっかりと乾燥させてから収納しなければいけない。そうしないと内部でカビが生えることがある。嫌すぎる〜。最近寒いので二日位干しっぱなしにします。


まとめ:徳利を出してきてまでやることではない(年に一回くらいなら気持ち楽しいかもしれない)




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めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。