【器のはなし】手持ちの中から食器以外の陶磁器をくりだす

気分的に「人気のなさそうな器シリーズをやるのは今日じゃねえ」と思ったので、別のをやる。いつも食器ばかり見せびらかしているが、当然のように食器以外の器もある。花器くらいしか食器以外が思いつかないが、多分他にもあるだろう。酒器と茶器は食器なのか?まあ良い、本記事での「食器」は「食べ物を乗せる器」くらいに定義しておこう。

ネットの海から画像を拾うのは無断転載になるので、私は礼儀正しく私物を写真撮って載せる。じゃないとニコニコ動画のテニミュみたいに消されてしまう。



さて、まずはこちら。現代では作られていなさそうだが、もし手軽に手に入るなら好きな人は多そう。ギフトに良さそう。

明治前期青磁盃台

これは盃台(はいだい)と言って、盃を乗せるための台だ。なぜそんなものを?と思わんでもないが、もしかすると、畳の上に直接盃を乗せないための道具なのかもしれんな。全然調べてないから憶測だが。こういうのはちゃんと調べてから書くべき。

上から見ると丸く穴が空いていて足がついている小さな台は大体盃台だ。穴の下が貫通していたり、穴の周りが丸だったり多角形だったり変形だったり、いろんな形のバリエーションがある。足の形も色々だし、胴の形も色々。透かしが入っているのや色絵、染付、瑠璃などある。

盃を乗せるとこう。片付けるのが面倒なのであまり使ってないが、盃の位置が高くなって手に取りやすいというのはあるかも。あと見た目がいい。私がこの盃台を選んだのは、ちょっとヨーロッパのお城の柱っぽいのが気に入ったため。

そういえば、前に立ち寄った骨董屋で、写真のと同じ四つ足なんだけど、足の一つ一つが人間になってて、人間が盃を持ち上げてくれるみたいなデザインになってたのがあったな。かわいいなと思う気持ちと労働者だなと思う気持ちで複雑になった。

ところで盃も見ていってくれ。盆踊りかな、これは。かわいいでしょ。


続いてはこちら。見れば分かるやつ。

大正〜昭和戦前染付遊興盃

サイコロをふって出た目の指示に従うやつ。時代はおそらくこれくらいだろうと予想……

酒の量三種類と唄、踊がサイコロに書かれている。残りの一つは空白なので当たりということだろう。もしくはハズレ。

手のなる方へ

現在は美濃焼の豊泉窯が同じデザインのものを生産・販売している。こちらは盃は染付、サイコロはハンコで絵付けしているようだ。色味や絵の雰囲気が違って面白い。多分、私が持っている方も同じ窯かその近辺の窯で作られたんだろう。


次は、ずっと追い求めていたら一つ六百円で買えた奇跡のこれ。

江戸後期黄瀬戸灯明器

黄瀬戸豆皿とかで調べると出てくる。油を入れて芯になる紐みたいなのを使って明かりにしたものらしい。蝋燭や紙燭より楽そうだが持ち運べないから、台の上に乗せてライトにしたんだろう。きっと。

裏側の茶色いのは普通に砂。頑張って磨けば取れるはずだけど、取ろうと思わないので放置。洗って落ちない汚れはもはや模様なのよ。表面を見ると分かる通り、結構雑な作りだ。釉薬がかかりきってなかったり、ひっつきがあったり。形もまばらだ。多分、用途的にそんな頑張らなくてもいいからこうなっているんだろう。あと大量生産されてただろうし。


ラスト。夏に人気の珉平(みんぺい)焼。

明治前期珉平焼黄釉香合

鮮やかな色味で人気が集まりまくっている珉平焼。淡路焼ともいう。淡路島で作られていたため。珉平の方は創始者の名前。緑、黄、青、茶が多いけどピンク、白、紫などもある。とにかく鮮やかでかわいい。模様ついてるのが多いが、個人的には無地で一色のもののが好み。

珉平焼は小皿がよく出てくる。小判型と四角型は頻繁に見る。人気が上がっているせいで年々値上がりしている。香合、徳利、蓮華、鉢、蓋物なんかも出てくるが出会う機会があまりない。

いつか珉平欲しいな〜と思っていたところに、この香合がやってきた。柄無し、一色、食器以外!本当は徳利が欲しいんだけど、全然出会わないため今のところはこちらのみ。珉平の白磁はやわらかくて好きだから、食器を買うなら白磁、絵付けされてそうだがそれもよし。

蓋の裏に銘らしきものがある。掠れてしまって読めない。悲しい。


以上。タバコ盆も載せようか迷ったけど今回は見送りです。食器以外も持ってるよっていうアピールでした。



こういう系の話が好きな方は↓をどうぞ。

次回更新 10/9:いつも考え中
※だいたいリサーチ不足ですので、変なこと言ってたら教えてください。気になったらちゃんと調べることをお勧めします。

めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。