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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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#学習

【古本の話】昭和の裁縫の教科書、洋裁編。話すことがないので写真多め。

教科書を読む回最後にしよう。洋裁編はあんまり取り上げるべきことがない。いや、全くないわけではなく、面白く読んではいるので所々ピックアップしていく。 簡易尺簡易尺というのがある。これはすごい。自分の体にあった服を作るために、あらかじめ自分の体用の定規を作っておくというのだ。 この教科書に出てくる型紙は、自分の胸囲を基準とした数字を使うため、簡易尺があると便利というか、無いと無理な仕様になっている。画像の(3)袖口の数字を見ると、「四分の胸囲」と書いてある。これを計算していた

【古本のはなし】昭和十年の裁縫の教科書、足踏みミシン編。

あ、昨日が更新日だったことを忘れて普通に日記を書いてしまった。一日遅れるくらいなら大丈夫大丈夫。 前回の宣言通り、裁縫の教科書を読んでいく。洋服の部が案外長いので、今回は「第一章ミシンについて」だけやろう。 一応目次を載せておくが、当時の持ち主がページの間で殺した虫の死骸らしきものがペシャンコになっているので気をつけてほしい。化石みたいなもんだと思えば大丈夫。 洋服の部で扱う題材を見ていくと、子供服やエプロンなど生活に密接した物が多い。四冊あるうちの二冊目だから、一冊目

【古本のはなし】昭和十年の裁縫の教科書を読む。和服編。

先日、東京蚤の市で裁縫の教科書を手に入れた。以前より『ソーイングの教科書』を頼りに裁縫をしてきた私だが、今度は本当に教科書だ。 古本屋で税込三百円。中を見ると、「昭和十年一月十一日文部省検定済」とある。続いて、「師範学校・高等女学校裁縫科用」「実業学校家事及裁縫科用」だそうで、義務教育や普通科では扱わない教科書のようだ。 中をめくって、前書きのようなものには「これは全部で四巻あって、各学年に一冊ずつ使用するものとして教材を配当」と書かれている。ギョッとして再度表紙を見たら