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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2024年7月の記事一覧

【器のはなし】納涼のためのなずな文。見た目がなんとなく涼しそう。

暑いから涼しげなの見よう!と思って、今回はなずな文です。ベロ藍とか瑠璃釉とかの深い青も迷ったけど、なんか目に入ったから、なずな。 なずな文様と呼んでいる、この模様は霊芝文様とも呼ばれている。植物の花弁みたいなのの中に描いてあるのがそれ。「なずな」はぺんぺん草で、「霊芝」はでかいキノコ。サルノコシカケみたいな見た目だよ、と教えられたことがあるが、そもそもサルノコシカケというキノコを知らなくて全然分からなかった過去がある。 器全体がお花みたいになっているが、これがなずな文の定

【器のはなし】白って二百色あんねん

好き好きの器を大自慢する回。今回は、江戸中期染付輪花縁なます皿。一目惚れと言っても差し支えないほど瞬時に購入を決めた。一客しか無かったし、傷モノだから安かったし。 まず注目すべきなのは白磁の部分が多いところ。江戸期の白磁は高い傾向がある。真っ白は高価がち。おそらく良いものしか残されていない。現在ではダメなのは出回ってない。白磁を美しく作るのは難しいからそもそもの基準が高かったのだろう。ここからは私の想像なんですが(栗原さんの口調です)、あまり良くないのは絵付けして誤魔化して

【着物のはなし】ハッピが英語に似ているためハッピー・コートと呼ばれ西洋人に喜ばれた

夏になると和装の日本人が増える。だから今日は着物の話をしよう。戸板康二『元禄小袖からミニスカートまで 日本のファッション300年絵巻』を引用します。 まず、私が一番衝撃を受けたところ。 着物を着るときに、うなじのあたりに隙間を作るんだけど、アレって江戸時代かららしい。胸元おさえて腰の方から着物引っ張ってちょうどいい空間を作れるようにめっちゃ頑張って着てたけど、結構歴史浅いんじゃーん。やりたい人はやればいいし、難しかったら諦めてもいい要素なんだなと思った。首元からレースやシ