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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2023年12月の記事一覧

【古文のはなし】『土佐日記』を読む。海の月も山の月も異国の月もすべて同じ。

あらすじ 土佐を出発するも、なんかすごい見送りをしてくれる人が追いかけてきて、宴会とかやってたけど進むにつれてそういう人もいなくなって、いつの間にか年が明けて船旅中だから満足にそれっぽいこともできず、天候悪くあまり進まず、まったくもう早く帰らせてくれませんかね。 原文↓ 前回↓ ○ 十六日、風波が落ち着かないのでまだ同じところに泊まっている。海に波がなくなったらみさきという所を渡ろうと思う。風、波は依然止みそうにない。ある人、波が立つのを見て「霜さえも置かない地域だけ

【古文のはなし】『土佐日記』を読む。はねといふ所は鳥の羽のやうにやある

『土佐日記』続き。なかなか船は進まないけど日々は過ぎてくもどかしさ。 前回↓ ○ 十一日、夜明け前に出港して室津を出る。人が寝ているような時間帯で海の様子も見えず、月を頼りに西と東の方角を知る。そのようにしていると、夜が明けて手洗いなどいつものようにこなし、昼になった。「はね」というところに着いた。童が「はね」という地名を聞いて「はねという場所は鳥の羽のような形をしているのかな」という。まだ幼い子供の言うことだからみんな可笑しがる。女の子が「本当に名前の通り『はね』のよ