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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2023年7月の記事一覧

【器のはなし】あえて人気なさそうな器を紹介する 猪口・向付編

最近ずっと器の話をしてなくて、私から器の影が薄くなっているので、今日はあまり他の人が好まなそうな私物の器をあえてゴリ押しする回とします。手持ちの猪口・向付より五選。 ところで、先日同居人に「その向付取って」と言ったら通じなかった。通じないだろうと分かっていたのだが、それ以外の呼び方を知らないのでそう言うしかなかったのだ。私の語彙力が無い。もっとこう「カップ」とか「〇〇が入ってたやつ」とか言えばいいのに。私の体感だが、令和人に「向付」は通じない。では向付のことを知らない場合、

【古本の話】昭和の裁縫の教科書、洋裁編。話すことがないので写真多め。

教科書を読む回最後にしよう。洋裁編はあんまり取り上げるべきことがない。いや、全くないわけではなく、面白く読んではいるので所々ピックアップしていく。 簡易尺簡易尺というのがある。これはすごい。自分の体にあった服を作るために、あらかじめ自分の体用の定規を作っておくというのだ。 この教科書に出てくる型紙は、自分の胸囲を基準とした数字を使うため、簡易尺があると便利というか、無いと無理な仕様になっている。画像の(3)袖口の数字を見ると、「四分の胸囲」と書いてある。これを計算していた

【観察記録4】すかいらーくの飲茶レストラン、桃菜の器を見てきた【伝統とモダン】

すかいらーくといえばサイゼリヤ、ガストなどのファミリーレストランが有名だが、一番新しいブランド「桃菜」を知っているだろうか。私は先日ガストで知った。注文を入れるタッチパネルで宣伝されていて、「うわ〜行きて〜」と思って最寄りの店舗を調べた。今回はそれとは別の店舗に行った。 桃菜の読み方は「トオサイ」で、本場の飲茶(ヤムチャ)を飲みつつ、点心を中心とした中華メニューを楽しめる場所になっている。すかいらーくの中華と言ったら、間違いなく「バーミヤン」なのだけど、あれよりはファミリー

【古本のはなし】昭和十年の裁縫の教科書、足踏みミシン編。

あ、昨日が更新日だったことを忘れて普通に日記を書いてしまった。一日遅れるくらいなら大丈夫大丈夫。 前回の宣言通り、裁縫の教科書を読んでいく。洋服の部が案外長いので、今回は「第一章ミシンについて」だけやろう。 一応目次を載せておくが、当時の持ち主がページの間で殺した虫の死骸らしきものがペシャンコになっているので気をつけてほしい。化石みたいなもんだと思えば大丈夫。 洋服の部で扱う題材を見ていくと、子供服やエプロンなど生活に密接した物が多い。四冊あるうちの二冊目だから、一冊目