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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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2022年12月の記事一覧

【歌舞伎のはなし】大石内蔵助はなぜ「大星」なのか

年末だし、歌舞伎のはなしをしようよ。って思ったので、器のはなしを中断して歌舞伎のはなしをしよう。と言っても、調査の時間が全然取れていないからあまり深い話はできないが……というゼロをイチにするために、Google scholarに頼って論文を読む。 年末といえば『忠臣蔵』で年始といえば「曽我物」だろうと思っているが、実際そうなのかよくわかっていない。なんとなく赤穂事件がディセンバーだから『忠臣蔵』は年末のイメージがある。というわけで、『忠臣蔵』の話から。 廣野行雄の「なぜ大

【器のはなし】コンニャク印判はコンニャクを使っていない

前回、染付と印判の話をちらとしたが、型紙刷りの話しかしていないので、他のも出していこう。 まずはじめに、印判は大量生産を目的として開発されたというのは言っておかねばならない。転写などで全く同じ絵柄を絵付けすることができる。いわゆるプリントである。今のプリントと違うのは、活版印刷や版画のように手作業で行われることだ。なので、プリントとは言っても、手作業による個体差が生じる。そうでなくても電気ではなく火の窯を使っているので、焼きの温度によって色味が違ったりする。 ○ 古い順