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新自由主義は全体主義への一本道

もうコロナ禍を迎えて一年。相変わらず政府は個人や企業にケチな支援策しか打ち出さない。

まあ無理もない。前の政権も今の菅政権も方向性は資本原理主義、競争原理絶対主義、自己責任論中心のごく一部の大企業や富裕層にばかり有利なものだからな。

はっきり言って資本主義っていうのは何か歯止めがなかったらごく一部の強大な資本力を持った奴らに中小・零細・スタートアップ企業が食い荒らされて最後には大資本家たちの食い合いにしかならないんだ。長期的に見たらとても持続的とは言えん。今日はそんな資本主義とその行く末についての話だ。


資本主義とは

まず、資本主義っていうのは生産活動を行うために必要な固定資産をドンドン増やしていって、そこから更に生産を拡大していくやり方のことだ。そのためなら積極的な借金だってアリだ。そういう資本を投じてインフラを整備するという意味ならかつてのソ連だって資本主義国だったんだよ。

資本主義で資産や生産能力を拡大していく方法には二種類ある。一つは自由経済でもう一つは管理経済だ。自由経済っていうのはみんながイメージしている通り自由な市場競争の中で様々な需要を汲みながら生産を拡大していく方法だ。もう一つの管理経済は例えば少し前の鉄道や農業、郵政なんかがそうだったな。公営で運営したり、補助金と生産量などの調整で価格や従事者の所得を安定させることで景気の波に関係なく安定して生産できるようにする方式だ。

これら二つは両輪でやってこそ国家の資本拡大は順調に進む。そして自由経済でも管理経済でも適切な規制が必要だ。

問題はそれを何の制約もない完全な自由競争にしてしまうと、やがては巨大な資産を持った大企業らによって中小の事業者が食い尽くされていくし、管理経済で回していた産業でさえ自由化させてしまうと公共サービスや国の安全保障にヒビが入ってしまうということなんだ。

そんな流れが中曽根から始まり小泉政権以降急速に進んでいってしまっている。




歯止めのない資本主義

そうやって自由競争が一切の制限なく進んでいくと大企業の独占や寡占、巨大な外資の経済的侵略による地場産業の破壊が進んでいく。労働条件だってもちろん悪くなる一方だ。低賃金と不安定な条件でこき使った方がコストが低くすむんだからな。何より企業がそうやって費用となる人件費や設備投資を削る方向にいけば当然開発能力なども弱くなる。法人税を下げて移民やら非正規雇用増加やらで賃金水準を押し下げ、外国の投資や企業進出を呼び込むことをなんていうか知ってるか?底辺への競争だよ!!!

これはコロナ以前からあったことだ。


そして全体主義へ

ごく一部の者たちの手によって新自由主義政策が推し進められた先の社会なんてとても不自由で悲惨なものだ。

自由競争の果てに残った大企業はほとんど全ての産業の方向性をノルマ、儲け第一主義で支配していくことになる。そこには実質もう自由な市場はなくごく一部のものだけがほとんど全てを支配していく状況ができる。転職の自由?あるわけがない。働く企業が限られているんだから。

 

政府としても企業の数は少ない方が色んな規制がしやすくなるし、株や債券などを通してコントロールもしやすくなる。そうなった企業は組織として政府に縛られるようになり彼らが指示した研究開発や活動しかほとんどできなくなる。そうなれば新しいものは生まれなくなって、企業はただ上から与えられたノルマをこなすだけの存在に成り果てる。外資はまぁ、儲からなくなったり都合が悪くなったりすれば撤退するだけかな。形を変えた統制経済の完成だ。

庶民はものすごい格差のもと、どんなに困窮しようと自己責任の名の下に簡単に切り捨てられる恐怖の中で生活することになるからロクに趣味とかに消費する余裕も無くなる。それどころか低賃金・長時間労働に苦しむことになる。いわゆる上級国民は贅沢な暮らしを楽しむことができるけどそんな金を持て余した連中だって消費するのは普通一人分かその家族分程度だ。トリクルダウンなんてあるもんか。

結局、ワシントン・コンセンサスや新自由主義思想の果てにあるものは産業革命期のイギリスや旧ソ連よりひどい貧しく汚く風通しの悪い階級固定社会だってことはもう目に見えている!!!

 

そんな間違えた方向からの方向転換を急がなくてはいけない!!!今変えられなかったら日本は絶望の谷底へ転落するぞ!!!

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