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0-2. 高校化学の勉強法

こんにちは。おのれーです。

前回は「化学を学ぶ意味」を確認してみました。早速内容に入っていきたいところですが、今回は化学の学習内容に入る前に、どのようなところに着目して学習をしていくとよいかをまとめておこうと思います。

▶化学はイメージが大切だ!

化学とは、モノの変ぶという学問です。

しかし、モノとはいっても、「目に見えるモノ」と「目に見えないモノ」があります。目に見えるモノの変化を扱っているうちは、イメージもしやすいのですが、気体とか、原子・分子とか、目に見えないモノの変化というのは、とても分かりにくいものです。

化学の入試問題は、そういったイメージしにくい変化を、複雑な反応式で書かせたり、量的な関係を計算させたりするわけですから、問題演習をたくさんして頭を柔らかくしておくことが大切です。

面白いことに、自分自身、大学で化学を学び、実験三昧の生活を送ってから、教員採用試験のために久々に高校の問題集を解いたら、高校生の時よりも問題文に書いてある実験操作や反応が鮮明にイメージできるようになり、問題がスラスラと解けるようになっていました。

当たり前と言えば当たり前のことかもしれませんが、それだけ「起きていることをイメージできるか」ということは、化学を学んでいく上でとても大切なことです。

定期テストや大学入試のために仕方なく化学を学んでいるという人も多いかと思いますが、身近なものと結び付けて考えたり、実際に起こる不思議な(?)反応を見ることは、多くの人の好奇心をくすぐるものだと思います。

化学と出会ったきっかけは強制されたものかもしれませんが、ぜひ少しでも化学を学ぶ面白さを感じられたらうれしいなと思って、私も日々授業をしています。このマガジンでも、そうした面を大切にしていきたいと思っています。


▶化学・実力の構造

高校化学、大学受験化学の実力は、下図のような構造になっていると考えられます。

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今、世の中を騒がせている「センター試験」と「大学入試共通テスト」の問題。「大学入試共通テスト」はだいたいⅣ~Ⅴくらいのレベル(中堅国公立・私立大レベル)であると考えられますが、これを見てみると、基本と言われる「センター試験」も十分実力がないと解くことができない問題だということが何となくわかるかと思います。

ここでは、センター試験レベルまでどのように実力をつくっていくかを考えたいと思いますが、まずとにかくこれだけは押さえておきたいというポイントは次の3つです。

1.周期表を理解する
2.化学式、化学反応式をマスターする
3.mol計算をマスターする

大げさなように聞こえるかもしれませんが、この3つができるようになれば、まず「化学基礎」の範囲はだいぶできるようになると思います。

化学が苦手だという人は、まずこの3つのポイントを押さえる勉強を重点的にやっていきましょう。


▶問題演習のやり方

実力をつけていくためには問題演習は不可欠です。また、同じ問題に何度も取り組んで、解答にたどりつくまでの考え方をしっかり身につけることも大切です。

いろいろな方法があるかと思いますが、より理解が深まると考えられる一つの方法をここでご紹介しておきます。


① 一度問題を解いてみる
まず授業で習った範囲について、教科書準拠レベルの問題集(例:セミナー化学(第一学習社)、ベストフィット化学(実教出版)、リードα化学(数研出版)、化学の新標準演習(三省堂)など)、問題を解いてみましょう。

もし分からなかったら、いきなり解答解説を見るのではなく、教科書や参考書にある例題や問などから似た問題を探し、その解き方を参考にして自分なりの解答を何とか作ってみることをおすすめします。

5分探してみても解法に全くたどり着けないようだったら、解説を一回読んでみます。このとき、解説が言っている意味で分からないことがあったらチェックしておきましょう。

② 間違えた問題、自信のない問題はノートに問題のコピーを貼り付け、自分なりの解説を付ける。
解説は、解答解説や教科書・参考書を見ながらでもよいので、自分が後から読み直したときに解説を読んで理解できるように書きます。分かり切っているところは省略可です。一度自分で解答の流れをつかむことで、抜けている知識の整理や問題を解くための考え方を頭に注入することができます。

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③ 2回目以降は、解説を紙などで隠し、別のノート(もしくは落書き帳、裏紙など)に解答する。間違えた問題には☆、なんとなく正解してしまった問題には△をつけておく。

後で見直す時に自分の弱点が見えてくると思います。自分なりの方法を見つけて頑張りましょう。

また、ノートではなくルーズリーフで問題集ノートを作成しておき、「できた問題用ファイル」と「間違えた問題用ファイル」を2冊用意して問題を分類して保存してするのもよいでしょう。そうすれば、解き直した時にできた問題はどんどんファイルから除いていくことで、自分だけの「オリジナル苦手傾向問題集」を作成することができます。

また、大学入試の当日には間違えたマークの☆が多かった問題を集めて「間違えた問題用ファイル」に綴じて入試会場に持っていき、自分の弱点の問題を何度も見返すことで合格につながった例もあります。手間も時間もかかる方法ではありますが、確実に力は身に付く方法だと思います。


最近の入試問題は「パターン化された問題」をこなすだけでは解くことのできない、「本質的なところを問う問題」が増えてきています。でもそれは決して「奇問難問」ではありません。そのほとんどが、教科書に出てくる内容を十分に理解していれば解くことができる問題です。でもこの“十分に理解”というのが意外とできていない人が多いのも事実です。基本的なことを“自分の言葉で誰かに説明できる”力は、入試を乗り越える上でも、これから社会で生きていく上でも大事なことです。ぜひそのあたりを意識して、問題演習にあたっていきましょう。


次回からは、具体的に「化学基礎」の内容に入っていきます。

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