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我流(創作料理)と正統派の違い。フランス料理について考える

最近では、いろんな人に聞かれる機会が増えた

創作料理フランス料理の違いとは何か?』

これについて解説されている記事があまり見当たらなかったので、自分なりに解釈して解説していきます。

私のビデオ81_Momentk

基礎ありきの正統派

料理のことを発信する機会が増え、さまざまな分野の料理をリサーチすることが増えました。

フランス料理を日本に持ち込んだ人は様々ですが、その中でも有名な本があります

【LE REPERTOIRE DE LA CUISINE】

様々なレシピ本が出回っていますが、この様な本もあります。昭和46年に辻調理師専門学校の校長、辻静雄の監修のもと日本語訳されたものが発行されたもの。※各フランス料理の定義(例えばプロヴァンス風の定義等)が網羅されている

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ここで一つ例にだします。

fumet de poisson の項目のひとつとして、作り方が記載されています。

玉葱をスゥエして、魚や白ワインと水を注ぎ入れ、レモン汁・パセリの茎・胡椒を入れると書いてあります。

フランスから日本に持ち込まれた際に、そもそもの定義が存在しておりそれにある程度準ずるもの でなければ『フランス料理』とはい難い我流にあたるのではないでしょうか?

・臭みが強いから○○を足してあげる

・○○が足りないから補う

などの試行錯誤が繰り返された結果として『fumet de poisson』のレシピが出来上がるわけです。

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これをfumet de poissonの解釈を 魚の出汁 として捉え、魚を放り込んで、水で煮出すだけでは、そもそもの解釈として正解であるとは言い難いものになるでしょう。

もちろん言葉の意味として捉えれば誤りではないですが、それがフランス料理なのかと聞かれると『それは違う』という回答になり得ます。

知ったうえか否か

フランス料理の定義や基礎的な知識は色々な文章で書き残されており、中国料理なども特にその傾向が強い料理であるといえます。

オリジナル要素が強い料理=我流・創作料理

否、基礎を知っているのかどうかが肝心であると考えます。例えばフランス料理に醤油を使うとフランス料理ではないと解釈する人が一定数いるでしょう。

・醤油の構造を理解する

日本で最も重要な調味料の一つで,日本独特のもの。大豆と小麦を原料としてつくった醤油麹に,濃厚な食塩水を加えて仕込み,約1年間熟成発酵させたものをしぼってつくる。この間に酵母,麹菌,乳酸菌などが作用し,醤油独特の香気とうまみが醸成される

つまり、大豆等を使った発酵調味料です。

・『醤油』ではなく『発酵食品』としての解釈

『醤油は美味しすぎるから使わない』『醤油使ったら、フレンチじゃない』とよく耳にしますが、そんなプライドは私にとってはどうでもよいと思っています。

チーズやワイン、さまざまな物が『発酵』を利用して作られた食材であり、ワインに関してはフランス料理のソースにふんだんに使われます。

ならば、醤油も同じ理屈だと思いませんか?

・プライドの問題

醤油に対して、強く批判をするフレンチのコックは多く見かけますが、『ポン酢』を使うシェフは多く見かけます。

ポン酢のジュレ等、よくみるでしょう。ジュレというのはもともとフランス語であり、日本に浸透した名前の一つですね。

料理の全体像をつかんで、深堀していけば『醤油』に限らず、世界各国の美味しい調味料は多く使われています。もともとフランス料理はイタリアの食文化を取り入れているという説もあるよう、歴史的にみれば『醤油』を使うことは、これといって違和感があることではないのです。

創作料理・我流について まとめ

我流とフランス料理の違いとは

・我流や創作料理とは、料理の定義に反したもの

・フランス料理とは、フランス料理の定義に準ずるもの

ではないでしょうか?

もちろん『我流』や『創作料理』が悪いと言っている訳では、ありませんし今回は答えを出すのであればという縛りの中で記事を書いています。

何千年とも歴史あるなかで、改良され続けてきた定義に基づくのか

それを無視して我流で料理をつくるのか

何方が、合理的で美味しい料理なのかを考えてみると、答えは明確ですよね。この料理歴史の中で築いてきた料理を、改良するのか、我流で1から作り上げるかでは、効率的にあまりにも差が生まれます。

数千年の時の歴史を我流で1人分の人生で越えられるのなら話は別ですけどね。

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