分子ガストロノミー(オイルパウダー・エスプーマ・泡・人口イクラ・科学的発想によるその他調理技術)~現実的に応用したい方へ~
近年では分子ガストロノミーという料理を分子的、物理的、科学的、論理的に調理する分子美食学とされる分野が流行ってきています。
いまでこそ料理は化学と言われることが増え、現実味が増しているような気はしますが、この分野の調理法のハウツー本やネット情報が非常に少なく曖昧なものがほとんどになります。
分子調理技術の例
■オイルパウダー
油分をペースト状にしたり、そぼろ状、粉末化してしまう技術です。オレンジ色のオイルパウダーは伊勢海老の色素をオイルに移したものをそぼろ状に変化させたものです。
※上に載っている黒いものは、別の技術で作った別のものです
■料理に応用した事例
こちらは、前述した伊勢海老オイルパウダーを料理に応用し、炭火焼きのイメージを一皿に再現しました。
この技術は使われているレストランを見かけることがありますが、使いこなせていない場合が8割といったところでしょうか。使い方や注意点・レシピなどは後述します
■エスプーマ
これは、フォアグラのソテーをカボチャのエスプーマで覆い隠し、黒酢のソースを添えたものになります。
エスプーマは、食材と気体を混ぜた時に泡状に変化する状態の事を指します。エスプーマ技術のやり方については、少なくとも3種類存在します。そして、カボチャのエスプーマの上に乗っているのが、ローズマリー水を泡にしたものです。
ローズマリー液の泡化の方法は別の方法でもっと軽いタイプの口当たりになっています。こちらについても触れていきます。
このようにまわりに軽い泡上のものを添えています。これはレモンの香りを移した水を泡化したものにます。
こちらは、また違った手法で作った泡です。ほうれん草等の野菜味がする泡でこちらについても触れていきます。
■人口イクラ
私が分子ガストロノミーの分野で1番苦戦した分野がこの『人工イクラ』『人工キャビア』の分野であることは間違いありません。
この分野は、アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムもしくは塩化カルシウムで出来ると知られています。子供のお菓子でもできる簡単な分野と思われるかもしれませんが奥が深いです。料理に凡庸的に応用するためには、科学の知識も必要になってきます。
本書では誰でもわかるように解説します
■科学的発想による調理技術
こちらの料理の上に覆っている食材は大根です。赤い大根ですが、実は中は白いのです。このように発色を手助けする調理技術が存在します。
最新の調理技術というわけではありませんが、このようにアボカドをドーム状に形状変化させる方法等、別の切り口からの使用ができます。
簡単なようで難しい。難しいようで簡単な調理技術を公開します。
オイルパウダーの正体・使い方
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