事実は小説よりも奇なり

　忘れられないチケットの話（実話です）

田舎の高校生だった私は、夏休みに
全国ツアーで地元に来るアイドルの
コンサートに高校3年間、皆勤賞で参加した。

当時のチケット購入方法は、
新聞に告知された住所にハガキで希望枚数を
（4枚まで）申込み→当選の連絡後、
現金封筒で支払う…という流れ。

今では考えられない購入方法だった。
それでも、かなりの倍率だった為、友達と
手分けしてチケットを入手した。

座席は、3年間安定の悪さで、

※ 1階席の真ん中よりちょっと後方列〜
〜2階席の真ん中辺りの列※
という具合で、毎年オペラグラス必須！

高校最後の夏も、もちろんオペラグラス必須席だった

『またか、、』の気持ちで会場に着くと
3回めにしてちょっと知恵のついた友達が
（当時のコンサートのお約束！）
会場前でウロウロしているダフ屋が、
手持ちのチケットに1000円プラスしたら
今の席より良い席のチケットと
交換してくれる！との情報を何処からか聞いてきた

私を含む３人の皆勤賞組は、高校最後の思い出に
少しでも前で見たい気持ちで、
「1000円払う！払う！」で交換して貰った

その日は、今年初めてコンサートに参加した
友達も一緒で、もちろんその子にも
「どうする？
私達は交換して貰うけど…」と聞いた。

するとその子は
「私は初めてで、皆んなに連れて来て貰ったから
席はどこでもいいよ。皆んなは私に遠慮しないで、　　前で見て！😊」と言って、

本当は4人で並んで見るはずだった、

※ 2階の、真ん中辺りの列…の席に座った。

私達は後ろ髪を引かれながらも、やっぱり
ちょっとでも前で見たい気持ちに勝てず
1000円払って、手に入れたチケットの

※1階の真ん中よりちょっと後方列の席に移動した。

コンサートの中盤、ファンサービスの
コーナーが始まった。

柔らかいカラーボールをアイドルが会場に
10個程投げ、大歓声で皆んな立ち上がって取ろうとする。

そのカラーボールの中に、サイン入りの
ボールが３つ入っていて、それをキャッチ
した人は舞台に上がり、アイドルから曲を
プレゼントされる企画だった。

歌ってる間、舞台上のベンチに一緒に座ったり
歌詞に合わせてハグして貰えたり…
至れり尽くせりのサービス企画

１階席に移動した
私達はサインなしのハズレボールも取れなかった。

そこに！
※2階の真ん中辺りの列！！！

ハガキで応募して当った、
私を含む常連組の3人が1000円払って、
ダフ屋に交換して貰った
4席連番の2階席。

その席に一人で座っていた彼女が、

サイン入りのボールをキャッチし、
アイドルと手を繋ぎステージに登場！
1300人のファンの中で、３人だけ…

今でもあの光景は鮮明に覚えてる。

高校最後の夏の日

正直者は、やっぱりちゃんと得をする！を、

しっかりこの目に焼き付けた、

忘れられないチケットの話でした。

事実は小説よりも奇なり、、

相変わらず今も、チケット運は悪くないけど、
座席運には恵まれず…
だけど、この日の事を思い出し、チャンス？があっても座席の移動はしないようにしています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。