癲狂院懐旧夢徨居士

インハウスライターを生業とするモノローグ系クリエイティブ・デヴ|ADHDとLDLコレス…

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インハウスライターを生業とするモノローグ系クリエイティブ・デヴ|ADHDとLDLコレステロールは人生の友|鉄道|バス|街|徘徊|酒

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旅先の砂

尼崎の埃 GWが明けてしばらく経ったころ、スニーカーを履いてみると、砂が入り込んでザラザラしていることに気づいた。 玄関先でスニーカーをひっくり返して、パンパンとはたいているとあれ?っと思う。 「この砂、どこの砂だ」 あぁ、そういえば恐山の宇曽利湖畔を歩いているときの砂か──。 そんなことを考えている間にも、恐山の砂は宙を舞い、風に混じって、尼崎の埃になって消えていく。 思い出というのは、そんなものだと思う。どれだけ大切にしようと、心に留めておこうとしても、日常と

    • 感傷という名のゴミを抱えていきている。

      大阪0:34発「サンライズ出雲・瀬戸」東京ゆき。 東京到着は朝7:08ということは、あの東海道を約6時間30分で駆け抜けてしまうことになる。 浴衣に着替えて、ぼんやりと車窓を眺めていると、次から次へと昼間のように明るい照明に照らされて働く人々の姿が現れる。電気、軌道、設備……夜間のわずかな列車の隙間を縫って作業が進められている。 当たり前のことだけど「こういう人たちがいるからいまの自分があるんだ」と実感することができて胸にグッとくるものがある。 当たり前のことだって、この

      • 未来郵便局からの手紙

        みなさんは、開発好明氏の「未来郵便局」というプロジェクトについてご存知だろうか? 小学校の図画工作の時間以来、忘れていたような真っ青な紙。そこに思い思いに手紙を書いて投函すると、1年後に届けてくれるというインスタレーションだ。 送り先は誰でもいい。愛する人?友達?家族?もちろん自分でもいい。1年後という、覚えているような、忘れているようなタイミングで届くこの手紙には、書いたことに、時間という物語が添えられている。 色々あって、ここ数年は毎年「六甲ミーツ・アート」という現