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ぜんべいじいさんのいちご

絵本の紹介:8冊目
本のリレーのつもりで、こどもたちを育んでくれた絵本を少しずつ紹介しています。


作:松岡 節
絵:末崎 茂樹 

この本は、私の母からの贈り物。
子どもたちも、大好きな一冊だった。

ぜんべいじいさんは、やまの なかの
ちいさな いえに、 ひとりで すんでいます。
でも ことりや どうぶつたちが いつも
あそびに くるので、ちっとも さびしく
ありません。

ぜんべいじいさんのいちご(出版社 ひさかたチャイルド)

秋に植えたイチゴの苗が、赤い実をつける春。
美味しいイチゴを一人で食べるのはもったいない...と、森のみんなにお知らせし、食べにおいでと誘ってくれる。

かけて きました。とんで きました。
やまの どうぶつたちに ことりたち。みんな まっかな みを
ほおばったり つついたり、 おおはしゃぎです。
「ほら、たくさん たべるが いいぞ。」
じいさんは、あまい かおりを むね いっぱいに
すいながら、うれしそうに ながめています。

ぜんべいじいさんのいちご(出版社 ひさかたチャイルド)

このあたりで「たべたい~。ぱくっ。」が始まり、ひとしきりイチゴ摘み疑似体験。


私が小さい頃、父と母は家を建てるための土地を購入し、土壌改良工事が始まるまでの短い間、私と姉のためにイチゴを植えてくれたことがある。
多分、一回だけだったと思う。

プランターでもなく、ハウス栽培でもなく、ぜんべいじいさん的な完全露地栽培。建設地予定地全面ではなくて、ほんとに少しだけの小さな区画。

赤いイチゴが実をつけた時には、年の近い仲良しの従妹を誘って一緒にイチゴ摘みをした。
とても嬉しくて、こどもの私にとっては、新築の家に住んだときよりも、胸躍る出来事だった。

子どもたちにこの絵本を読んでいた頃は、このエビソードを思い出すこともなかったけれど、古ぼけた絵本を手に取り、表紙を乾拭きしていたら、イチゴ摘みをする私たちを嬉しそうな顔で見ている父を思い出した。
ふふふ、懐かしい。
あの時の父は、まさにぜんべいじいさんだったかもしれない。

父が他界してもうすぐ10年。
この絵本を、いま読み直して、良かった...と思った。


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