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小さい頃からホラーが好きで“世にも奇妙な物語”とか“あなたの知らない世界”とか好んで見ていた。

そのせいか不思議な出来事を題材にしたストーリーやホラーやら怪談物を造作するのが得意で昔は良く想像しながらゾクゾクしてた。

最近になりホラー熱が再発し定期的にYouTubeで怖い話やら心霊関係の動画を見てるせいか無性に造作ホラーを書きたくなった。

ならばと思いnoteにでも書こうかなと思ったので久しぶりに造作ホラーをここに書いてみようと思う


~カワイイね婆さん~

私が小学校の頃の出来事である。

いつものように下校をしている時に学校から家に帰るための近道である林の中の狭い道を通っていると、見知らぬおばあさんが近付いてきて「かわいいねぇ~」と言ってくる事がおきた。

知らないおばあさんだし、声をかけたらただニタニタと笑ってるだけだから怖くて愛想笑いをして帰った。

その次の日も同じような事があり、怖くてサッサと帰ったのだが次の日に学校に行くと、他にその道を使っていた子達も同じ事があったらしく学校中で噂になっていた。

その日は先生達も噂を知り危険だからその道を使わないようにと注意をうけ皆使わなくなった。

それから数日たち、学校帰りに友達の家で遊んでいた私はもう時刻が6時を過ぎてるのを知り急いで家に帰ることにした。

「お母さんに怒られる」

そう思いながら走っているとその林の道の前に通りかかった。

普通に走って帰れば15分くらい、でもこの道を使うと10分も時間が短縮できる。

大通りと大通りを結ぶメチャクチャ便利な道なんだけど、ここはあのおばあさんが出る道、学校からは通るなと言われてる道・・・

だけど、普通に帰れば7時近くになってしまう、あきらかにお母さんに怒られる。

だったら背に腹は帰られない、怖いけど走って突っ切ればいい、そう思い全速力でその道を駆けていこうとした。

だが時期は秋ごろ6時頃の時間帯といえばもう周りは暗くなり始めてる。

まして林の中、ほぼ真っ暗、私は後悔した。

林に入った瞬間なんともいえない肌寒さを感じた。

秋だからと言えばそうだが、この寒さはなにか質が違う、何かに睨まれている感覚のそれである。

物凄く怖かったが、勢いで道に入りもう既に半分くらいまで来ていた。

ここまで来たらもう引き返せない、走って突っ切ろう、そう思ったが動けなくなった。

足が地面に根をはやしたようにピクリとも動かない、なんで?動いてよ、そう思っていた時私を凝視する視線を感じた。

「えっ?」そう思い足を見ていた顔を上げ視線を感じる方へ目線を向けた。

そこには朽ち果ててボロボロになった木造の一戸建てがたっており、その窓からあのおばあさんが物凄く怒り狂った表情で私を睨んでいた。

「ヤバい」そう思ったが体は動かない、どうしようもない私は目をつぶりその威圧に耐えていると私の首もとに生暖かい息を感じた。

おばあさんがとなりに居ると感じた。

もうダメだそう思った瞬間「かわいいねぇ」少しか細く悲しそうな声でそう言ってきた。

そしてその瞬間私は意識を失った。

それからどれくらい時間がたったのか、私は高校生くらいの男の人にたたき起こされた。

「大丈夫?」

そう言われ私は「はい」と言うと目の前にたたずむボロ屋を指差し「あそこにおばあさんが居た」なぜかそう言ってから高校生にお礼を言って帰宅した。

時刻は7時20分こっぴどく母に叱られその日は泣き寝入りをして終わった。

それから2日後の事、あのボロ屋に警察官が集まって捜査をしていたらしい、その噂を母から詳しく聞くと、高校生がおばあさんの遺体を発見して警察に通報した事が解った。

それを聞いて私はなんとなくあの出来事が起きた経緯を察した。

その後カワイイねおばあさんは出てくることは無く普通にあの道を使うようになった。

私もその道を利用する。
だが私はあの一件があって以来、あの家の前を通る度に会釈するようになった。


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