悲しみの果てに何があるかなんて俺は知らない

ネットやテレビのニュースでショックを受けた方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、私が大好きな俳優さんが亡くなりました。
携帯にニュースが配信されてきて、内容見て愕然。何かの間違いだと、誤報だと思っていたのですが……
私、彼と同い年なので個人的に親近感を持って応援していたのですが。
非情に悔しいです。
彼の自宅まで押し入ろうとするマスコミにはがっかり。
『誰かに相談する事は出来なかったのか』『生きてほしかった』という無責任なコメントを、SNSや電波に乗せて発信している有象無象に反吐が出ました。
真面目な彼の事ですから、誰かに相談して解決出来るならとっくに相談していたと思います。

詳しい社名などはお伝え出来ませんが、退職しているので経験談として書きます。

私は以前、中小系の芸能プロダクションに勤めていました。マネージャーとしてなんですが。そこは所属しているタレントさんが男性しかいません。今テレビや舞台で活躍している子もちらほらいます。
だからこそ彼の辛かった気持ちが痛いほど伝わってきました。
『そうか、辛かったよね。苦しかったよね』って。
実際、タレントさんとして活動していて『病む子』は少なくないです。むしろ開けてビックリ宝箱状態、人前でそういった姿を見せないだけで裏は結構大変なのです。
なのでタレントさんに対する事務所スタッフのメンタルケアが超重要。

タレントさんが病んでしまう⇒メンタルケアをしていたマネージャーも引きずられて病んでしまう

この負のスパイラルも非常に多い。この連鎖を断ち切らないと。
私がマネージャーとして勤めていた時も、担当していた子が気持ちの浮き沈みが激しい性格で、メンタルケアがすごく大変だったのを記憶しています。
別の子はマネージャーが傍にいないのを見計らって、リストカットをしていたり……
私自身、何度も気持ちが引きずられそうになって、辛くなっては当時の社長によく相談していました。
でも最終的には『私にはこの子たちを守る責任がある、この業界で1番にしてやるんだ!』って奮起して仕事してたんですが。
だから今回の件については、彼への心配と同様にマネージメントを担当していた方も心配で仕方ないのです。

そういう世界です、エンターテイメントは。
表の世界は華やかで、応援してくれている人たちの為に笑顔振りまいてますけど、
しんどい、死にたい、辞めたい、思ってた世界と違う、
そんな風に考えている人が多いです。

やりたくない仕事もやらなくちゃいけないし、イベント等では『ファン』というタレント本人からすると全く知らない赤の他人と握手したり写真撮ったり、人によってはハグやお姫様抱っこしたり。
タレント用アカウントのSNSだってやりたくない人もいるでしょう。
自由に発言もしずらいし、プライベートもあったもんじゃない。
人気がある人は変装して出掛けている事もあるし。

自分が同じ立場だったら絶対病んでます。『何なんだよコレー!』って。
でもそういうのを『仕事』というワード使って、タレントさんを上手く言いくるめて出来上がっている業界なんです。

大好きな人だから、こういった業界で働きたい!って思ったきっかけになった人だから。

これ以上悲しみが増えない事を祈るばかり。

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