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複利と強制貯蓄(長期継続つみたて)というパワフルなツールを利用して老後への備えを自分で責任を持って準備していくこと その3

 今回は老後への備えを自分で責任を持って準備していくための具体策について書いていきたいと思います。

 前回、平成31年に金融庁から発表された「人生100年時代における資産形成」の資料から重要な点を8点挙げましたがそれらを突き詰めると今、日本人が直面している最大のリスクは「老後への蓄えが尽きてしまうこと」に他ならないと思います。

60代の平均的な高齢夫婦の無職世帯をモデルケースとしたときに、収入は年金給付に移行しているなど現役時代と比べて減少していることから毎月の生活においての不足額は約5万円発生すると言われ、残り20〜30年の人生があるとすると不足額の総額は単純計算で1300〜2000万円になります。当然この金額はあくまで平均の不足額から導き出したものであり、各々のライフスタイルによって大きく異なりますが、いずれにせよ長く生きることに応じて多くのお金が必要となり、それに応じて資産寿命を伸ばすことが必要となります。

 資産を形成しまた資産寿命を伸ばすために何をすれば良いか、それは「投資」です。しかし、投資を行う前の前段階として投資を行うための資金が必要です。つまり、まず自身の収入と支出を把握することが大切です。とりわけ、支出のコントロールは自身の経済的自立を早める上でも重要です。なぜなら出来うる限り支出を切り詰めることで貯蓄率も上がるため投資に回す資金も増えるからです。一方でこの支出のコントロールは個人の価値観、ライフスタイルが多分に影響する面もあると思います。

 そうして資金を作った上で投資を開始していきます。投資で最も大事なことは「なるべく早く始めて、長期継続すること」です。なぜなら、そうすることで複利の恩恵を最大限享受できるからです。複利とは、例えば、元金が100万円あり、この100万円を金利2%で1年間預金したとすると、1年後には102万円になります。2万円は元金に対してついた利子です。この2万円も含めて(つまり102万円を)再び金利2%で1年間預けると、1年後には104万400円となります。利子のうち、400円は利子である2万円についた利子です。上記の例で、利子の2万円を元金100万円に組み入れず、100万円のみを再び金利2%で預けたとすると、1年後には104万円になります(100万円+1年目の利子2万円+2年目の利子2万円)。このような運用を「単利」での運用と言います。つまり、複利での運用を行うことは「利子に利子が付く」というイメージです。初めは少ないですが長期継続することで投資に振り向ける元本の牌は次第に大きくなっていくので資産はまるで雪だるまのように大きくなっていきます。

 この複利にさらに強制貯蓄(つみたて)というツールをプラスするとさらにパワフルになります。まるでオートパイロットのように毎月給料から天引きするよう形で自動で積み立てる習慣を築き上げます。

 複利+強制貯蓄(つみたて)、というパワフルなツールを生かすために良い商品が日本にはあります。それはiDeCo(私的年金)、つみたてNISA(非課税貯蓄制度)です。順番としては①iDeCo、②つみたてNISAの順で行うべきだと思います。なぜなら、それは優先順位を考慮したときに自分の人生でまず重視するべきなのは老後資金の確保だからです。

 具体的な金融商品の選定ですがこれはアメリカを丸ごと買うような商品か、全世界を丸ごと買うような商品が良いです。なぜなら、これらの商品が長期で見るとトラックレコードが良いからです。よって日本や新興国への投資は避けるべきです。

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