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いつのまにか好きになってた

突然ですが、落語が好きです。
落語は精神安定剤。朝起きて、今日イヤだなぁていう日に聴きたくなります。

しかし、初めて落語を聴いたときは「あんまよく分かんないな」という印象。
興味はあったのですが、ハマれませんでした。

でも知らぬ間に、あっけらかんとハマっていたのでちょっと振り返ってみます。


🐕️


きっかけは4年前にさかのぼります。
コロナで高校が休校になり家にこもっていたのですが、その時にたまたま春風亭一之輔さんのラジオを聞いてました。

(…この番組、そしてパーソナリティのこのおじさんも、全体的にごくゆるだな~。好きだな~) と思いながら聞いてました。

気になったのでYouTubeで「春風亭一之輔」と検索すると、落語をフル(って言い方はあれかもですが)でたくさんやっていました。

ちょっと。興味あるし聞いてみよっかな。と思い再生するのですが、見てる途中に違うことを考えてしまい、なかなか内容が頭に入らず.......。私に落語はまだ早いのか、落語はちょっと難しいんだな、と思ってしまいました。

だけどこれは慣れの問題なのでは、と思います。がんばって聞いてよく分からなくても、しょうがないのでは、と。なにせ昔のお話ですし、馴染みが薄いのは仕方がない。その馴染みの薄さと分かりにくさを打破する、とんでもない落語家もいるっちゃいますが、最初よく分からないのはあるあるじゃないでしょうか?

なので言いたいことは、一之輔さんは悪くないということです。今聞いてみるとめちゃくちゃ面白いので、私に聴き手としての能力が無かっただけなのです。たぶん...…(下手なこと言えないので自衛)。

でも笑点は好きですし、雰囲気的には興味ありまくりだったので、なかなか落語にハマれないのが悔しかったです。「落語が好きって言いたいのに、よく分かんないじゃないかっ分かるようになりたい!」って思ってました。


地方にいたので生で落語をみる機会は少なく、受験やらなんやかんやで落語からは遠ざかっていきました。

ただ、東京の大学に行きたかったので、「上京したら、ごくゆるラジオパーソナリティ・一之輔師匠を絶対生で見るぞ」という夢がありました。実際、一之輔さんは自身のYouTubeで寄席に来いと言ってますし、適当に寄席に行けば会えると思ってました。



🌸🍶


そして、上京してから1年後、つい4か月前に初めて寄席に行きました。

何度か行こうと試みましたが、落語ではなくお笑いライブに行ったり、なんやかんや忙しかったりと、色々あって行けなかったのです。

でも、やっぱり寄席に行きたい!と思わせてくれた方がもう1人います。

それは、蝶花楼桃花さん。
お正月のお笑い番組をのほほんと見ていたら、桃花さんが落語をやっていました。

(NHKの東西笑いの殿堂という番組で見ました。ちなみに今月、池袋演芸場にて31日連続ネタ下ろし中。すごすぎます……。)


今まで見た落語とは違う、なんか分からないけど、スッと理解できるなぁ、この人すごいなぁ、生で見てみたいなぁと思う落語でした。

この人に会うために寄席に行ってみようかしら、ちょうど春休みにも入るし、と思い、寄席に行くと決めました。



🍑


初めての寄席は、浅草演芸ホールでした。
一之輔さん、桃花さんを見たい!というモチベーションで寄席に行こうとしていましたが、初めて行った寄席にはお二人とも出ていませんでした。ちょっと残念。でも後でまた来ればいっかと思って、入ることを決意。

だいたい寄席は当日券なので、寄席の入口で緊張しながらチケットを買い、入口の人にドアを開けてもらいました。その瞬間、パ~っと異世界が...…。
そこには、純粋な「日本の伝統文化」がありました。着物と座布団、落語家のしゃべり口、歴史を感じる建物......これが本当の「ニッポンの文化」だ!と直感的に思ったのです。あくまで直感です。

外国人向けの日本グッズ的なのとは違う、イメージで作ったものじゃない。純度100%の「日本文化」を、一瞬にして全身で感じ取った‼というような感覚でした。感動でした……。

誰がベテランで面白くて、という知識が皆無なので、とりあえず目の前の落語家の話を聴くのみです。がんばって聴いて、置いていかれることも何度かありましたが、分かんなくてもその場にいるだけで楽しかったです。


(初めて行った寄席での演目。昼席、トリは例のあの方(ググって)ですが、爆笑かっさらってました。)


お笑いとは違って、どっかんどっかん笑うことが全てではないので、なんとなく身構えなくてもいい感じ。しかも意外と同じくらいの年齢の人も(少数ですが)いたので、アウェイ感がなくて居心地よかったです。

そして、生で聴いた方が話がスッと入ってくる気がします。寄席に来ると演目に集中せざるを得ないので、YouTubeで見るより良いかもなと思いました。
なにより、その場にいる人と一緒に、同じものを見て楽しむっていうことが貴重な時間だと感じました。平和で居心地がよくて、ずっとそこにいたくなります♨️


👺



初めての寄席で、落語の面白さに気づいたのは確か。

この世の嫌なことを、落語の世界に入り込むことで忘れる。小説を読んでいる時、映画を見ている時と似たような感覚です。終わった頃には、また行きたいなあと自然と思っていました。

(ちなみにその後、浅草演芸ホールで一之輔さん、鈴本演芸場で桃花さんを生で見ることに成功しました!!! 完全にどハマりです。)

寄席に行くと、嫌でも知らない落語家を見ることになりますが、面白い人が世の中にはまだまだたくさんいるなぁと知れて、楽しくて仕方ないです。

お笑いライブと比べて客層の平均年齢が高めなので、若い人が行くと少し浮く気もしますが……

でも楽しいから行ってしまいます。


🎲


興味があるしハマりたいけど、よく分からなくてハマり切れない、というのは独特な経験だったなと思います。……皆さんにも、そういう経験はあるのでしょうか?


落語にハマるためには、多少つまらなくてもがんばって聴き続けなければ!と思ってましたが、適当に寄席に入って、気がつかないうちにハマることができていました。

落語自体よく分からなくても、あの空間に心を掴まれる人はたくさんいると思います。落語と寄席が好き、これからもずっと見ていきたいし、私が80、90歳~になっても、当たり前に楽しめる娯楽であってほしいのです。

そのために今できることは、とにかく落語を見に行くことと、こうやって落語の魅力を伝えることしかない気がします。

ぜひ食わず嫌いをせず、一生に一度は生で落語を見て欲しいです。一生に一度で大丈夫ですよ~。

実は、落語の魅力にもっとどっぷりハマれたのには、また別の理由があるのですが、身バレ防止のため、割愛。

色々あり、今では落語好きな仲間(だと一方的に思ってる人たち)と定期的に会って、落語を一緒に聴くという予想外なことが起きています。

その人たちには、まだ私がどれほど落語に興味があるのかというのを伝え切れていませんが、まあ気楽に、これからもフラッと落語を聴いていきたいなぁなんて思います。