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珠美の島〜18年の時を経て〜8話

国際通りを歩いていた父達に
先に声をかけたのは
母の友達からだった

そのあと近くのお店で
お茶を飲みながら
楽しい時間を過ごしたそうだ

翌日父達は
母の通う高校までやってきた

校門でうろうろしている
彼らを見かけた校長先生が
学校の中に彼らを招き入れたらしく

母達数名は
突然校長室に呼ばれたので
びくびくしながら
その場に行ってみると
昨日のヤマトンチュが
そこに並んで立っていて

「来れるなら
船出を見送りに来て欲しい」と
告げられた

帰り際
脱帽して礼をする彼らを見て
「凛々しくてかっこいい」
と当時の母は思ったっそう

その後
手紙のやり取りを重ね
母は高校卒業と同時に
大阪にやってきた

約束も無しに
父の実家に行ったが
本人は留守だった
淡路島にキャンプに行ったって

その後
母は東京に行くつもりだったが
大正区に住む久米島の親戚に
「東京は物価が高くて住みにくいから
大阪にいなさい」と言われ
大阪に住むことにしたそうだ

数年後、二人は結婚した

偶然、か
必然、か
どちらにしろ
見えない力が
絡み合って

糸で繋がる出来事が
少しずつ集約され
いつの間にか大流になって
未来が変わる

自分がいる今は
自分一人では創造できない

膨大な時の流れと
様々な人達の選択の結果
辿り着いたひとつの世界なんだと

それを感じに
行きたいからなのかも知れないな、
東の奥武島に
ウートートしに行くのは。








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