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どうして右手が上なのか・・・

昼間の気温が20度を超え始めました。鉢植えの植物も喜んでいるのか、一日の生長が目覚ましい。早過ぎて、炉の季節の間に風炉の季節のものだと思っていた花が咲きそうで慌てています・・・。

お茶のお稽古を始めて数年、逆勝手の点前を初めてした際、客は本勝手と同じように右手を上にして組むのでいいのか、この組む手も逆になるのかふと疑問が湧きました。が、組む手の上下や足運びについて、お客様にまで〇〇してください、と言うのか・・・という問題もあり、そもそもどうして普段は右手を上に組んでいるのかということを、まずは知りたいと思うようになりました(わたしのついていた先生は教えてくださらず)。

数年経って、茶道関係の本で、座禅を組む時の手(手の平が上になっている)をそのまま逆さ(手の甲が上)にしているので、右手が上になるのだという記載を見つけました(本の名前を記載しようと思っていたら記憶違いをしていたようで、今回、これだったと思っていた本にその記載が見当たらず・・・)。座禅を組む時の手の組み方は法界定印(ほっかいじょういん)といい、右手は下に左手を上にして、掌を上に向けて重ね、両拇指のはらとはらとを合わせ下腹のあたりに引き寄せておく、と言われます(「参禅入門」大森曹玄)が、諸説あるようです。

座禅を組む時の手の組み方に由来しているということなら、本勝手や逆勝手ということで左右変わるものではない、ということになるのですが、その後何やかや調べていたら、この座禅を組む時の手の上下は、インドと中国でも異なり、更に日本の中でも宗派によっても異なっているのだとか。本来どちらが正しいのか、というのも歴史の闇の中・・・。茶道に関わりの深い臨済宗では、座禅の際は右手が下なので、そこから茶席では逆さにして、右手を上にして組むのでしょう。で、色々はっきりしないことが多いので、あまり取り上げられないのだと思われます。書き方を迷うのですが、上記の法界定印が諸説ある、ということについても、宗派等によって法界定印と言われる形が異なっている、という言い方の方が適切なのかもしれません。

これを書いていて、ふとアニメ「一休さん」で、よく座禅を組んでる場面があったけれど、手はどうしてたんだろうと思い、YouTubeでいくつか動画を探してみました。すると臨済宗の僧である一休さんは、臨済宗の右手を下にするやり方で座禅を組んでいました。子供向けアニメでも、ちゃんとこだわって作っていてくれたのだなぁ、とウン十年経って知り、ちょっと感動したのでした。

我が家では、今ちょうど一休という白い椿が咲いています。

今日の菓銘は「野遊(のあそび)」。
お弁当なんか持って出かけるにもいい季節ですね。

日射しも強くなってきます。日焼けが気になる方は、対策もお忘れなく。よい週末をお過ごしください。





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