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冬至②


もみの木ではありません・・・

この年末に、コロナでもインフルでもなく、風邪を引いてしまう、というある意味大当たりの出来事が。5年ぶりくらいの発熱で大人しくしておりました。

で、15日に冬至の柚子湯などについて書く予定だったのですが一週間休み、いつものペースで明日夜だと柚子を買っていただくのに間に合わない!と気付いて慌てて今日書いております。

冬至の柚子湯の習慣は江戸時代に始まったとのこと。冬至と湯治を掛け、柚子も冬に手に入りやすい柑橘で。湯に浸かることは、ある意味新年である冬至に、邪気を払う禊(みそぎ)の意味合いもあり、柚子は実が成るまでに長い年月がかかることから、風雪に耐えて成就するめでたさの象徴でもあり、鮮やかな黄色の実は太陽の無い時期に太陽を思わせ・・・といわれは色々あるものの、なにより寒い冬に温かい風呂に浸かろうということが支持をされたのだと思います。

ただ、科学的に調べてみても、柚子にはそのビタミンや保湿成分で、風邪予防や皮膚保護の働きがあり、シトラールやリモネンといった精油成分は血行や新陳代謝を促進する実際の効用があることも判り、現代でもこの時期の風習として引き続き取り入れられているようです。

冬至には他に頭文字にちなんで「と」をつく食べ物を食べる、とも言われ(「ん」のつくもの、という説も)、とうなすとも言われるかぼちゃ、豆腐、唐辛子などを召し上がる方もいらっしゃるでしょうか。日本人は言葉遊びが好きというのもあるかもしれませんが、言葉には力がある、ということを信じていた証かもしれませんね。

柚子湯は、冬至に限らず風邪予防などによいかと思いますので、寒い時期に何度も楽しんでみてはいかがでしょうか。柚子を輪切りにすると成分は出やすいようですが、皮膚の弱い方には刺激が強いようです。わたし自身は、幼い頃は、丸ごと柚子でも皮膚にピリピリとした刺激を感じました。結構成分が強いのかもしれません。みかんの皮(干したものは漢方薬で陳皮とも)でも似たような効果は得られます。

今日の菓銘は「北山」。
三角の焼き印は樅ノ木ではなく北山杉だと思われます。床柱など茶室に好まれる材ですね。クリスマスツリーやリースの形の和菓子を軽々には作らない、かと言って「杉」とまで明言しないところに矜持と寛大な遊び心を感じました。

12月も下旬です。週末は一段と冷え込み、大雪のところもあるとか。暖かくして、わたしのように体調を崩すことなく、忙しい年末を乗り切れますように。


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