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「たばこと珈琲」




団塊世代の皆様が若りし頃は、
タバコを燻らす
珈琲を嗜む
という言葉があったんだと思います。
純喫茶では、タバコと珈琲という組み合わせが当たり前で、時の流れをゆったりと感じながらその空間を楽しんでいたのではないでしょうか。
それから30年。
タバコを吸える場所は会社の中にさえもなくなってきて、お昼休憩にどこでタバコが吸えるか右往左往。
僅かな時間でいかに本数を消費できるか。
ゆったりとゆとりをもちながら煙草を燻らすことなどできない時代に。
珈琲の香り、味わいと共に煙草を愉しむ。
そんな嗜みも遠い昔の風景になりつつある。
まだ薄暗い朝靄の中、これから仕事へ向かう人達の表情を眺めながら、何かそういったゆとりある時間を提供できないかなぁと思います。

そういえば、団塊世代のママさんがこういう若い頃を過ごしたという話がありました。

デパートの店員をしていた頃、今よりも百貨店やデパートが賑わい、とても繁盛していた時代。
シングルマザーの彼女はいつも仕事の休憩に煙草を吸いに行っていた。
周りはマッチや使い捨てライターで煙草に火をつけて吸っている中、この瞬間だけは自分の大切な癒しの時間だからと奮発して買ったデュポンのオイル式ライターをバックから取り出す。
デュポンでタバコを燻らす女性の一幕が、とてもかっこよくて、その話しを聞いた時にこの女性の生き様を容易に想像できました。

煙草の煙が生み出す、
時代を強く生きた女性のストーリー。
煙草や、珈琲と共にあるエピソードをこれからも見つけていけたらと思います。

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