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2023年9月 パニック発作 タイミング法

 月経開始から13日目に受診した。このクリニックでは主治医以外でもカルテを共有して担当できるという説明があったので、前回とは違う医師の予約をとった。

悪気も、なにもなかったと思う。ただいつも通り診察されたはず。そしてただこの人は診察が手早くササっとスピーディな人であっただけ。

ただ私はさっと入れられたエコー器具に酷く動揺した。いとも簡単に辛い記憶がフラッシュバックされた。混乱したまま、顔だけ平気な振りをして、その月のタイミングの時期を指導してもらって…。

お会計を待っていたところで限界だった。
でも、ただでさえナイーブな不妊治療患者の前でパニック発作を起こすわけにはいかない。通りすがりの看護師さんに「どこか休めるところがないか」必死で聞いて、普段は面談などに使われる説明室に案内してもらった。

個室に入ったらすぐに過呼吸を起こし、勝手に流れてくる涙と一緒にぐずぐずになったアイメイクをタオルハンカチでぐりぐり拭いて必死に息をしようとした。そしてどうにか今の自分の状態を看護師に説明した。

性に関わることで嫌な思いをしたことがある。内診台の姿勢がトリガーになって恐怖心がよみがえる。先ほどの内診でフラッシュバックを起こして今辛い。ということを、回りくどく、息も絶え絶え細切れになる言葉で何とか伝えた。

彼女はさっと私の酸素をはかり、背中をさすりながら話を聞いてくれた。聞きながら会計担当者に少し待つよう連絡しているのも見えた。気遣いが染みた。「そんな体験をしたんですね」「ここは安全ですからね」「安心してくださいね」と声をかけてもらい、15分ほどで落ち着くことができた。

帰宅後、今後はこのようなことがあってはいけない。と思った。クリニックには、長年治療をして、まさにその日に子を持つことを諦めなければならない人がいるかもしれない。逆に、喜びをかみしめている人もいるかもしれない。穏やかな場所を保つ努力は患者側にも必要だ。

もう少し事情を話しておいたほうがいいと思い、自分の性被害についてクリニックの窓口にメールで連絡をした。診察のたびにこのことを説明することの負担が大きすぎるので、「ゆっくり、私に何が起きているのか説明しながら診察してほしい」ことを共有しておいてほしいと伝えた。

個別対応は大変だろうに、カルテに記載しておく旨すぐに返信が来た。これ以降、診察時に怖い思いをしたことで現在まで1度もない。

この時の分だけ診療時の領収書/明細書を紛失してしまっている。捨ててしまったのかもしれない。

■2023年9月の医療費
・タイミング指導
計:約2,000円(治療の合計:68,240円)

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