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09【フルムーンレター】

はじめにいっておきます
今日は4800字とロングロングです。
いつも長いけどそのさらに倍
そのつもりで〜

4月30日 夕食のあと
いよいよ

第一の告白


ドキドキするけど
もう待ったなし

5月1日はスウェットロッジ
5月2日に千葉大初診とつづくのよ

このままやとガブちゃんに先を越されて
また、奥にひっこんでしまうから

おもいきるしかないのよ
せっかく満月にお手紙書いたんでしょ
頑張れ!鸞子!いくのよ!RANCO

*この時点ではRANCOで行くつもりやったけど
 11月30日の時点では既にRANCOからMWに変わってます。
 ややこしくてごめんね。
 ただこのプロセスも大事なのでここはこのままで。

ーーーーーーーーーー
はい、ここで唐突に出てきたRANCO
知ってる人は知ってるが
知らない人はなんのこっちゃ??

ということで突然ですが説明しよう
(超個人的なことやし
 めっちゃ長いし人によっては
 気持ち悪くなる可能性があるので
 読むかどうかは自己判断で!)

RANCOの説明飛ばしたい人は
下のドキドキドキドキまでジャンプ!
ーーーーーーーーーー

うちの小学生の頃の憧れは 

♬そばかすなんて気にしないわ
はなぺちゃだってだってだってお気に入り
おてんばいたずら大好き
かけっこスキップ大好き
わたしはわたしは

わたしはキャンディ

ひとりぼっちでいると
とってもさみしい
そんなときこういうの
かがみをみつめて

わらって わらって 
わらってキャンディ
なきべそなんてさよなら ね
キャンディキャンディ♬

(この歌詞に何度癒されたことか。。)

キャンディキャンディになりたかった
モモレンジャーになりたかった
メルモちゃんになりたかった

リボンの騎士にドキドキし
映画 転校生をみて
うちもあの階段落ちたい〜
って思ってた

男子のノリに入るのがほんとに苦手で
女子しかいない、放送委員になって
昼休みは放送室に入り浸り、
女子に混ざってゴム跳びをして
男子で初めて調理クラブに入ったりして
(なぜか部長をやらされたりして)

小4の頃に隣のお姉ちゃんに
遊びでお化粧をしてもらって
可愛いと褒められて
このまま女の子でいたいとおもったこと
いまでも、ずっとずっと覚えてる

だけど見た目は誰よりも
活発な男の子(なんならイカツイ)

みんなは電車や仮面ライダーの筆箱を欲しがるけど
うちはほんとは

キキララが欲しかった


ピアノやバレエが習いたかった

ロボコンのロビンちゃんみたいに
先のとんがったトウシューズはいて
クルクル回ってみたかった

いまのムウを知ってる人は
こんな告白をきいて 
うそやん、

気持ち悪っ

て、きっとなるとおもう

きっとその反応が普通なんやと思う

自分でもなんでそうなのか受け入れ難かったし
どうしたらいいかも全然わからんかった

あの頃はいまみたいに
LGBTQなんて言葉もなければ
小学生に届くそれらしき情報は皆無

自分はおかしい


変人で変態なんやって
絶対バレないように
隠し通すしかないって思ってた

反動で誤魔化すように
必死で身体を鍛えてマッチョになって
地元で超有名なワルガキになった

でもね、
そんなブリブリのヤンキーやのに
編み物が大好きで胸にでっかい
イニシャルをあしらったセーター編んでみたり
(恥ずかしくて着られへんようなやーつ)
紫色の特攻服の刺繍も学校で授業中に
一人、チクチクやってたんよね
(菊の御門に”唯我独尊”)

この先どうなっていったかは
ここで書き出すとすごいことになるから
端折るけどムウのなかで

めっちゃ女子なムウと
ブリブリ男子なオレが
常に同居して出たり入ったりする状態が
できあがったってわけ

そんなこんなで結局、誰にも
ほんまの自分を見せられへんから
本気で人と近づくことができなかったムウの中に
ある日突然、
ぽんっと裸足で入ってきたのがルウ

これがわたしよ、変わらないよ
このままのわたしを受け入れられへんなら
よそあたってね 

と豪語する彼女の前で

ムウももしかしてこの人とならこのままありのままで
生きていけるのかもしれない
とおもったってわけ

で、結婚する前に一回、
そんなムウがいることを告白して

どんなあなたでも大丈夫、
一緒にいれたらそれでいいよ


と、受け入れてもらったんよね

あーーよかった
これでムウはムウのままで生きていけるって
安心をしたんやけど、
やっぱりそんな簡単なことでもなくて

やっぱり受け入れ難いから
アタシの前ではしないでね

って、なって、もう一回、扉の奥に押し込めた

だけど
おさまりきれるようなものではないね

そこから20代のムウは
まぁ荒れた。

もう、やぶれかぶれで好き放題。

愛に飢えてるくせに”愛の化身”とかいうて
愛がなにより大事なんじゃーーー!と街で叫んで

そのくせ、誰ともつながらず、(つながれず)
中島みゆきさんの歌を号泣しながら歌って
いろんなものの中毒になって
散々、迷惑をかけまくってボロボロになって

もうあかん、これ以上はあかん 絶対あかん

ってなって
そうや、新天地にいって生き直そうと
ルウと娘二人を連れて、
千葉にやってきたってわけ

まぁこの間も社会生活をそれなりに送れてたのが
なんとも摩訶不思議で生かされてるとしかおもえんわけやけど

それから20年、その部分は封印(小出しにはしてたけど)して
ここまでなんとかほぼ”男”としてやってきた

でもね、その部分はずっと熱をもってくすぶってる
ムウの中でいまかいまかと出番をまって、、、。

で、去年、娘たちも一旦、親元を離れたタイミングで
愛犬のサンタの看取りをしたこともあって
やっぱり、その部分もちゃんと見て
ここからもう一回、生き直そうと思ったってわけ

いまのままやとムウが生きてることにならんもんって

話し長!

整理すると(全然できてないけど)
ムウの中に男と女の両性&その他がいる状態で
仮にいまあるジェンダー的なわけかたをするとおそらく

性自認は
Qクイア どれでもなくどれでもある
Qクエスチョニング どれとも決められない
Xジェンダーの両性パターンの線も濃厚
もしくは宇多田ヒカルさんも言ってるノンバイナリー

性対象は パンセクシャル(全性愛)のなんでもアリー
そして、ポリアモリー(多分)でもある
というこれまたうちのガブちゃんと一緒で
希少な種類掛け合わせのややこしい存在らしいってこと
(らしいってのがまたさらにややこしいのよ)

ゲイでもなくトランスジェンダーでもなく
どちら側にもなににもなりきれなず、
どこにも属せない中途半端な存在

だけどね
よくよく考えると
あらゆるジェンダーを内包していて
なんの分け隔てなくあらゆる存在を愛せて
それぞれが愛し合うことを心から喜べる
稀有な存在という見方もできるのよね

どれかではなく全部うちの中にあって、
誰かではなく全部をそのまま愛せる存在
なんじゃないかといまは思ってる

困ってることといえば
いまは”THE男物”みたいな
服を着るのが本当に生理的に無理で
うちのようなのが着ても似合う
着心地のいい服を探して着ています

実は 名前遍歴もこのジェンダー問題につながってて

0才 〜英樹(すんごい違和感があった)
13才〜龍二(ヤクザ映画 竜二から)ー
25才〜龍玄(龍二に精神性を付け足して)ー
35才〜流玄(流れるようなしなやかさをもった人)
41才〜ナナ(女性名、でも馴染めずすぐ終わる)
42才〜アリー(女性名やけど違和感なく使えた)

と来たわけやけど
最近、アリーもちょっと違うなぁって思って

で、つけた名前が

三田鸞子(RANCO MITA)

鸞は親鸞さんの鸞
親鸞さんのあり方
(俗人でもなければ僧侶でもなく
 悪人から善人まですべて念仏ひとつで浄土にいける)
という絶対他力のあり方に憧れて
親鸞さんの子のようにいきられますようにと願いを込めて

三田は ホー・ミタクエオヤシン 
うちを取り巻く全ての人へのミタっていうのも
ありつつ音が可愛く綺麗やから

でも、まだ違和感ありありで
定着できるかはまったく不明やけど
これぐらいの名前をつけないと
変わらないかなぁとおもってる

ーーーーーーーーーー RANCOの説明終わり


ということで、食後、ベッドルームでくつろぐルウのもとへ

ドキドキドキドキドキ


もしかしてこれで愛想尽かされて終わる
可能性がゼロではないことを承知しながら
なかなか出てこない声を思い切って絞り出す。。

「ルウ」

「なに?」

(いつもと違う雰囲気の呼びかけにびびってる)

「え? なになになになに?

 怖いんだけど?

 なに?」

「あのさ、手紙を書いたから読んで欲しい」

「え? なに? やっぱり病院でなんか言われたんでしょ
 怖いんだけど。。。。」

「あ、そっちじゃないから 安心して、って言うのも変やけど
 こないだの旅行の時にさ、ちゃんと話そうと思っててさ
 でも、勇気がでんくて結局いえんくてさ
 だから、手紙を書いたのよ、帰ってきてすぐ。

 で、渡す機会を伺っててんけど
 胃カメラとかなんか色々あって
 そっちの方が大きくなってもっといいだせんくなって
 でもこのままやったらこの手紙渡せんままになっちゃうって
 思って、だから今日、思い切って渡すことにしたんよ

 あれやったら今、読まんでもいいけどさ。。」

 

「えーー?なに?? もーーーこわーーいいーーー」



 「あっちに行ってようか?」

 「いいよ、読むよ、ここにいてよ」

 「わかった、でも、新しい話でもないから。。。」
  (と気休めをいう)

 封筒を開けてすごい長文をみて

 「えーすごい長文やんーーーー」といいつつ隣で読み始める
 
 ドキドキドキドキ
 

 バクバクバクバク


 心臓が飛び出しそうに
 

 ドキドキドキドキ

 バクバクバクバク



 内容をざっくりいえば
  ・見て見ぬ振りでいいからそういう
   ムウがいることを知っていてほしい ということ


 「・・・・・・・・・・・・・わかったよ

  わたしはあなたがそばにいてくれたらそれでいいから」

 「好きにしていいよ、子育てもひと段落したし
  それぞれの時間があってもいいしね
  その代わり、私も好きなドラマみさせてもらうーー」

きたーーーーー

きったーーーーーーーー


はーーーーーーーーーーーーーー
ふーーーーーーーーーーーーーー
よかったーーーーーーーーーーー

 「ほんまに、、よかった、、、ほんまによかった、、
  ありがとね、ほんまにこんな変なムウと一緒にいてくれて
  ありがとね、、」

ほんまによかったーーーーー
これできっとガブちゃんもムウを見直してくれると思う
ムウと闘わず、きっと愛してくれると思う

ガブちゃん、

ガブちゃんがどんどんおっきくなって
ムウがムウで無くなってしまったら
ガブちゃんも共倒れで、生きられへんねんで

ムウもガブちゃんの声をちゃんときいて
ムウ自身を生きるから
ガブちゃんのことも含めてムウの全部をいきるから

だから一緒に生きていこ
そして一緒に周りのみんなをごきげんにしていこ!
な、な、お願いやから、一緒にいきよーー

ガブちゃん

こうやって背中をおしてくれて
生きやすくしてくれて
ほんまに ありがとーーーーー


となったのでしたとさ

ーーーーーーーー

この告白で、てのひらを返すように
なにかが変わるわけじゃない

まわりのだれかということよりも
ムウ自身が一番それをびびってるから
ムウ自身が一番それに優しくなれないから

あっち側だけじゃなく
いままで懸命に生きてきたこっち側のうちにも
ちゃんと敬意をはらいたいから

だけど、知っておいてもらえるだけで
きっと、少しはなにかが変わると思う

ムウの中のなにかが、きっと

今日はガブちゃんとあんまり関係ない話になったけど
ムウの中では何十年も抱えてる問題なのであえて書きました

長い話に付き合わせてごめん

そして、しょっちゅう名前変えてごめん
それはただムウの中だけのことやから
それぞれが呼びやすい呼び方で大丈夫なので
これからもどうぞよろしく

ちなみに親鸞さんもいっぱい名前を変えてまーす


教訓
:自分が思うほど周りにとっては大したことではないことがある
:自己満足やとしてもカミングアウトする価値はたぶんきっとある
:したからといって劇的ビフォーアフターにはならないよ 笑

 

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