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ランブン雑談・ボドゲ編 その18 今更ながら『ゲームメカニクス大全』読みました

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンです。
本日は、一時期ボドゲ制作界隈で話題となりました著書『ゲームメカニクス大全』について記事にいたします。購入自体は話題になって割とすぐだったのですが、内容量が多く読破するのに時間がかかったためこのタイミングでの発表となりました。今回は具体的な内容ではなく本の概要と読んだ感想を率直に書いていきます。
それでは本題に入ります。


書籍情報

この書籍の情報は以下のサイトから確認できます。

【翔泳社の本】
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798164731

ゲームメカニクス大全


本の表紙

本の概要

『ゲームメカニクス大全』はボードゲーム(および類似のデジタルゲーム)に使用されているゲームルールに使用されるメカニクスをまとめた辞書のような内容です。全部で13個のトピックに分かれており、それぞれのトピックでいくつもの用語が解説されています。トピックは前後半で分類でき、前半は「ルールを構成するパーツ(ターンの進行方法やアクションの種別、勝利条件など)」、後半は「ゲームの枠組み/ジャンル(ワーカープレイスメントや移動系など)」となっています。
本書はそれぞれの用語の説明だけではなく、そのメカニクスの歴史や実用例、採用するメリットデメリットなどの解説が書かれており非常にボリューミーなものとなっております。


感想その① 買って良かった

率直な感想として「買ってよかったな」と思いました。その理由は制作を行う上で使い勝手が良さそうだと感じたからです。この本は「ルールを構成するパーツ」と「ゲームの枠組み/ジャンル」の辞書のような内容なので、制作中困ったときの参考書として使用できます。「ルールを改定してより良くしたいけど、その案が浮かばない」「新しいジャンルのゲーム制作に挑戦するけど知識が足りない」など、あと一つ知恵が必要なときに非常に便利です。この本は制作活動のスピードとクオリティを一段階レベルアップさせてくれる、そんな内容になっていると思います。


感想その② 若干の読みにくさがある

この本は文字の大きさや文章の書き方、翻訳、ページの区切り方など全体的に読みやすくなるように意識していると思いました。けれども、それと同時に以下の点では若干の読みにくさを感じました。

・トピックの大枠の分類が不明瞭
本の概要で「トピックは前後半で分類でき~」と記述しましたが、この分類は私が勝手に分けたものであり、実際の本ではその点について明言されていません。つまり、勝利点の話もワーカープレイスメントの話も全て同列のトピックとして書かれています。最終的には辞書のような使い方をすることが多いと思うのでそこまで大きな問題ではありませんが、冒頭から読んで行った際は少し分かりにくいなと感じました。
ただ、前後半で大きく二分できるということさえ覚えていれば全く問題ないため、この本を読む際はそのことを頭の片隅に入れておいていただけたら幸いに思います。

・メカニクスのメリット/デメリットの記述を探しにくい
この本は各項目が「関連する項目」「概要」「解説」「参考となるゲーム」に分けられて説明されています。しかし、最も参照することが多いであろうメカニクスのメリット/デメリットが全て「解説」の文章中に書かれており、長い文章の中から自分で探してこなければなりません。ですので、もし辞書のように使用する場合はメリット/デメリットをペンなどでマークするなど手を加える必要があり、最初の方は使いづらさを感じるかもしれません。

以上2点について読みづらさを感じました。しかしながら、冒頭にも述べたように全体的に読みやすさを意識して本が書かれているため、最初から意識して読んでいれば気にならないレベルの話かと思います。


感想その③ 初めての制作には向いてない

この本は制作活動に非常に便利な内容がたくさん書かれているとても良い本だと思います。けれども、あくまで辞書や参考書であって指南書や教科書ではないので初めてボードゲームを制作するという人向けではないです。辞書があっても文章が書けないのと同じように、この本を読んだから良い作品が作れるというものではありません。中に書かれている内容も今まで制作を行っている人にしか伝わらないような内容も多く、初めて制作をするという方が読んでもピンとこないと思います。
逆に言えば(ルールの)制作を行ったことがある人、または元々他の分野で制作を行っていた人にとってはとても有益なことが書かれているので、そういう方には非常に強くオススメできる本となっています。


最後に

本日は『ゲームメカニクス大全』を読んでの感想を書かせていただきました。色々書きましたが、ボードゲームを制作している全ての人に買って欲しいと私は思っています。この本さえあれば自身の制作のみならずテストプレイ会などで案を出すときにも共通言語として使用することができ、よりスムーズで質の高い議論ができることは間違いないです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事をきっかけにこの本の読者が増え、より良い作品が世に出る手助けが少しでもできたなら幸せに思います。

『チキン・ラン』
多人数短時間(4~7人、20分)、自由な交渉とシンプルな数比べ
プレイ難易度★★★
キャッチコピーは「―破産か、罵倒か―」
【紹介動画(YouTube) URL】
https://youtu.be/1C1C3qeQsl8
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/chicken-run
『B級映画制作委員会』
多人数軽量級(3~6人、10分)、リレー式大喜利ゲーム
プレイ難易度★★
キャッチコピーは「限られた予算と時間の中で『俺達の最高傑作』を作れ!」
【紹介動画(YouTube) URL】
https://youtu.be/m1iDNyYKa1w
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/b-kyuu-eiga-seisaku-iinkai
ゲームマーケット2021春
『Mole in the Cult』出展しました。
【ルール解説note URL】
https://note.com/ranbun_bdgcobor/n/nfb098775d4d6?magazine_key=m04f7ef0d353e
多人数中量級(4~8人、60分)、じっくり遊べる正体隠匿系ゲーム
プレイ難易度★★
キャッチコピーは「裏切者には粛清を」
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/mole-cult

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