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デザインの勉強の話③(とはいえ映画の話)

Netflix映画の「彷徨い」を見た。

サスペンスやミステリ、ホラーのジャンルの映画が新着やおすすめに上がっていたら、とりあえず見るようにしているのだけど、冒頭20分くらいで脱落する映画も多い。
大概がカメラワーク、色彩、音楽、カット割りの滑らかさ、が自分の好みのリズムと合わないからなのだけど、「彷徨い」は見事に全部まるっと好みで、一気に見てしまった。

この映画、もともと「舞台演劇」らしく、第一幕・第二幕…と展開する。その度に太字のタイトルがバッと画面全体に出るのが、これがもうそそるのよ。「きた!何!?」って前のめりになる感覚、これがサスペンスとかホラーの醍醐味だと思う。

第一幕と第二幕ではタイトルのフォントも違う。そのフォントを見るだけで、これからのシーンを"こういうのんが来るんか、よし、来い来い"という覚悟が決まる。


『ほんとに、フォント』という本がありますね。

このシリーズが大好き。
NG例と良くなりました♡の例があるから、比較して分かりやすい。
デザインって、究極、わかりやすくものごとをつたえること、なんじゃないかと思ってる個人としてはとてもありがたいシリーズです。面白くて勉強になる本をたくさんありがとうございます。


ほんでまた映画の話。
たぶんこの「彷徨い」という映画、『対比』をものすごく意識して作ってると思う。そしてそのコントラストのつけ方がわりとえげつなくて……

第一幕
・高級車の中で流れる音楽がペールギュントの『朝』
・全体的に白っぽく明るくてきれい、整えられた建物
・要素にルールがある

第二幕
・安ホテルの中で流れるのは力強いラップ・ミュージック
・暗めの照明、乱雑な部屋
・既存のルールが通用しない、わからない

……という感じで、対比がすごい。
白人と黒人、強者と弱者、富裕と貧困。
コントラストが明解であればあるほど際立つ正常と異常の、どこまでが……という物語。

あらゆる場面に一点透視図法が使われているからか、音楽が印象的だからか、少しキューブリックを感じたりもした。最近だと『GET・OUT』や『US』のジョーダン・ピールのエッセンスもちらほら。


ふんふん、いいですねいいですね、と今日も日が暮れるのです。夜になったらイラレを触りましょうね。

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