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マッチングアプリヒステリー

知人(40半ば男性)にパートナーができた。
生涯独り身を共する同胞だと勝手に思っていたので寂しい気持ちもある反面、交際報告は我々にとっても希望溢れる良い話題となりました。

2人のなりそめを聞くとマッチングアプリがきっかけだったという。
かつての出会い系サイト「スタービーチ」以降、この手の情報が止まっている私だが知人からの勧めもありマッチングアプリに挑戦することにした。

社名は伏せるがYouTubeの広告で頻繁に流れるW社のアプリをダウンロード。
これだけ広告を垂れ流す財力があるなら、きっと安心かつ利用者も多いサービスなんだろうというのが選んだ理由です。

会員登録には自分の顔写真やプロフィール情報を設定する必要があり、これだけでも結構なボリュームでした。
また年収を設定する項目もあり、婚活への真剣度も伺えます。

ひと通り設定が終わると女の子のプロフィール一覧へと進み、気になった子にリアクションをとって先方の許可が取れたらマッチング成立という流れになります。

そいでもって女の子のプロフィールを拝見するのですが、

綺麗な人が多いのね!

それこそシングルマザーなど境遇は様々ですが、プロフィールだけ見ているとすぐに良い人が見つかりそうな人ばかり。
出会いを求めている人って沢山いらっしゃるんですね。
てっきり世の中に順応出来ている皆様は出会いに満ち足りているもんだと思っていました。

世の流れに乗るべくリアクションを送ろうと意気込むのですが、その時に私の心の中にいる慎重派おじさんが脳内に語りかけたのです。

サクラじゃね?

冷静に考え直せば、マッチングアプリが起点となった美人局事件の報道を見たことがあるし、デートと称して連れて行かれた雑居ビルでイルカの絵を買うまで監禁されたり、カルト宗教の強引な勧誘に巻き込まれたりする可能性もある。

そもそもこんな美人が私のようなおっさんにマッチングする時点で何かしらの魂胆があるに違いない!

もうここまで思考が跳躍すると誰も彼もが業者にしか見えなくなってきた。
このポムポムプリンが好きだという子も反社の彼氏がいるに違いない!
あの美人な女性もAIで生成した画像かもしれない。きっと中身は反社か暇なおじさんだ!

怖い!怖い!
悪霊退散! エコエコアザラク エコエコザメラク! 

とパニックになり、そのままアプリを消去。
なんにも始まってないのに事なきを得ました。

その後YouTubeで「マチアプ本当にあった怖い話」的なコンテンツを見て
「私の判断は間違ってなかったんだ」と自己解釈をして歯を磨いて寝ました。

行く先々で多くの人と知り合っていた若い頃と違い、歳を重ねると出会いの母数が少ない分 初対面こそ慎重になるものです。
そんな慎重さを介した大人の距離感みたいのが実は楽しかったり面白かったりするのかもしれません。

ちなみに冒頭の知人はすぐに破局し、そのあと2人で飲みに行きました。
独り身同士まだまだ長い付き合いになりそうです。

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