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悪魔の目玉

夢の中で

目が覚めるとそこは実家の横の草むらだった

父のクルマに荷物を積み込む小さい頃からの友人のしゅんとヤマ。

このふたりは兄弟である。

どうやらあいつら家族が引越しをするようだった。

俺は手伝いをサボっていて気持ちのいい天気のなか音楽を聞いていた。

あぁーこんな天気のいい日にサボっているんだノスタルジーな気持ちと気分を含めてあのしっとりとしたアコースティックギターの曲でも聞こう。
と思って手元にあったケータイで音楽を変えようかと思ったら、すでにその音楽を聞いていることに気づき俺はまた目を閉じて眠った。

そうすると眉間を強く棒なもので3~5回叩かれた。

よくわからないが、イメージ的には鳥の嘴にでも突っつかれたような感じだった。

そしてしばらく感覚をあけてまた3~5回突っつかれた。

俺は無視。

そしたらまた3~5回突っつかれたのでいい加減目をあけて見てみると。

しゅんが中指で俺の眉間を強く突っついていた。

てっきり俺は手伝いをさせられるために起こされたと思って体を起こした。

そーすると横を1羽の大きな鳥がブォン!

何がおこった!?

と思いそいつが飛んでいった方をみると

サイズ的には桃色ペリカンくらいの大きさで嘴はアヒルのようなタイプのひらべったいので尖ってはいない。
おおよそ日本には生息していないであろうサイズ感の見たことのない鳥がいた。

そのデカい鳥をヤマが一生懸命追いかけて捕まえようとしているのだ。

おい!そっちから回り込め!追いかけろ!!

などと騒ぎながら俺も即座に捕獲をサポートしにはいった。

動物園のような学校で3年間みっちり動物と触れ合っていた俺は自信があった。

なにしろ学校では桃色ペリカンも飼っていたからだ。

しゅんは追いかけ回すばかりで捕獲が明らかに下手くそ。

ヤマは意外とうまく捕まえれそうだ!という感じだった。

しばらくしてヤマが鳥を捕獲!

人の背丈くらいはありそうな大きな虫かごにその鳥をいれた。

そして俺はその鳥にポケットの中に入っていた魔法の水滴をかけてやった。

そうするとその鳥は身長110cmくらいの男の子になり。

やった!やっとだ!

とかなんとか言ってた。

そいで俺はそいつと手をつなぎ実家のドアの前にいった。

しゅんとヤマは隣の家にはいっていこうとしていたが心配そうにこちらをみていた。

そして鳥から少年になったそいつが。

今までありがとうな。

ずっと一緒にいたかったけど今日までだ。

と言って少し泣きそうになっていた。

俺も泣きそうになりながら一言

「今日くらいはホントの弟になれるよな」

と言ったら。

隣の家のドアの前で聞いていたヤマとしゅんが感動して泣きながらこちらに近づいてきた。

俺も泣きながら4人で熱く抱擁を交わした。


しばらく泣いて、周りに三人がいないことに気づいた。

そして俺が家の中にはいると。

俺はふと気がついた。

そうだ!これはドラえもんのあの話だ!

鳥に魔法の水滴をかけてほら!あれだよ!
と思った。

そう思った途端に、なんで?なんで俺は最後に弟になれるなと言ったんだろう。と猛烈に気になった。なぜ俺はあんなに感動したんだろうと。

それを思い出すために遊ぶ部屋にいってドラえもんを読むことにした。

そーすると友人のトーゴがいたので。

トーゴ!ドラえもん貸してくれ!

と俺が言ったらトーゴは小さいポーチの中からドラえもんを10冊くらいだした。

そしてなぜか迷わずに俺はそのドラえもんの7巻を手にとった。

パラパラパラ

俺はページをめくる。

あー、このスゴロクの話じゃないしなー。

うーん。どの話だっけなぁー。

と思いながらページをめくる

パラパラパラ

そして。

あっ!これだったかな?と思い、ある話を俺は読み出した。

その話のタイトルは明確に覚えている


『悪魔の目玉』

まずはのびたとドラえもんが道を歩いていると空中にフワフワ浮いている目玉をみつける。

サイズは人の頭の半分くらいの大きさだ。

ドラえもんは怒り狂った表情でその目玉を地面に叩きつけ潰した。

「なんで、こんなものが!?こんな危険なものを誰が使ってるんだ!!はやく未来に連絡しなきゃ!」

と言って電話で22世紀に電話をかける。

次のシーンでは、円盤のような一人乗りの機械にのった未来人が大急ぎで目玉を探し回る絵がかかれていた

のびたが 「??」

となっているとドラえもんが

「あの目玉は悪魔の目玉と言うんだ。あれと目を合わせると脳内に直接声が聞こえてくる。
欲しいものはなんですか?
ってね、そーして欲しいものを言うとそいつはその願いを叶えてくれるんだ」

のび太がそこまで聞いたところで

「いい目玉じゃないか」

と言うとドラえもんは怒った顔で

「何がいい目玉なもんか!!あの目玉は確かに願いを叶えてくれる。しかし悪意のある願いには破滅的、絶望的な制裁を加える。そして悪意のない、善良な人間の願いにも同様に絶望的な制裁を加えるんだ。
確かに最初は願いが叶って幸福かもしれない。しかし本人が願っていないところまでもドンドン願いはエスカレートし続け、ついには本人の意思すら食らい、絶望の穴に突き落とす、そんな目玉なんだ!あれは!!」

そしてシーンは切り替わりのび太のお父さんがうつる。

そしてのび太のお父さんは家の廊下にフワフワと浮いている悪魔の目玉と目があってしまった。

悪魔の目玉の声が脳内に響く

「あなたの願いはなんですか?」


「そうだなぁー、昔、田舎にいた頃なんかはハンチング帽をかぶってよく父親と狩りをしたものだ、久しぶりにクマでも狩りにいって見たいなぁ」

とのび太の父は言った

そうすると目玉は消え去り何処かへいってしまった。

?マークがでているのび太の父の横のテレビでニュースが流れる

「クマが街にでました。誰かはやく猟銃でクマを撃退してください」と

のび太の父は喜んで、クローゼットの中から猟銃をもってハンチング帽を被り走っていく。

そして次のシーンはのび太とドラえもんが家に帰ってくるシーン。

のび太のママがウロウロしている

「パパったら何処へいったのかしら。何も言わずに飛び出ていって。。。」

そのうち帰ってくるさとドラえもんとのび太は言ったがパパは帰ってこない。

夜になっても。

クマは撃退されたとニュースが流れる。

しかしパパは帰ってこない。

次の日の夜もその次の日の夜も。

そしてニュースが流れる

道端で高校生のカップルが深夜にデートをしているところを猟銃で打たれました。犯人は依然逃亡中です。

のび太とドラえもんがぶっそうだなぁと言う。

そして次の日にまたニュースが流れる。

道を歩いていた酔っぱらいのサラリーマンが猟銃で打たれました。

犯人は依然として逃亡中です。

するとニュースを見ていないママがポツリと

「あらやだ、パパったら猟銃をもっていってるわ。。。」

ドラえもんは嫌な予感がしてタケコプターをして犯人を探し回る。

空き地の前のところでハンターの服をきたヒゲがボーボーになっている男をみつける

「なにやってるんだ!!のび太君のパパ!!」

ドラえもんは言う

のび太のパパはまるで悪魔の目玉のような目でこちらに向かって銃を構えて言う

「僕は悪くない。僕は悪くない。間違っているのはあいつらだ。僕は悪くない」

そして銃を撃つと走って消えてしまう。

次のシーンは山小屋に一人で隠れているパパのシーンである。

頭の中であの悪魔の目玉の声が囁く。

「さぁ、この先の山に若い娘と認知症のおばあさん。それに犬が一匹で暮らしている。
認知症のばあさんは生きていても迷惑をかけるだけだ。殺してしまおう。犬もエサを食らい糞を撒き散らし迷惑をかけるだけだ殺してしまおう。娘も結婚もせず山にこもって迷惑だ殺してしまおう。
そうすればあの山にはクマがたくさんいる。楽しい狩りがたくさんできるぞ?」

のび太のパパは銃を握り締め汗を額から垂らす。




ここまで読んだところで突然、目が覚めて現実に戻ってきた。

今日の夢は薄気味悪く後味の悪い夢だった。

それに結局何が弟だったのか気になって仕方がない。

ドラえもん『悪魔の目玉』で検索してもその話は存在しなかったし、鳥の男の子になる話も調べたけど見つからなかった。

もし『悪魔の目玉』もしくは鳥の男の子のドラえもんの話を夢の中で読んだって人がいたらぜひコメントを

奇妙な夢を見る日まで。


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