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セフレのほうが美味しい関係じゃない?


「ごめん、バイトかなり入れちゃってしばらく会えないかも」
と、君に告げた。
毎週2回は必ず会っていた君と、
2週間ほど会えなくなると告げた。
「えぇ、それは寂しすぎ」
と君は少し悲しそうな顔をして言った。
そんな君が可愛いなと思い頭を撫でながら
「電話はできるからさ、しようね?」
と言うと君は、
「電話できるから大丈夫、電話できるから寂しくない、電話できる」
って必死に自分に言い聞かせててたまらなく可愛かった。

今までの君との話はこちらから↓


わたしは今、
正社員を辞めてアルバイトで生活している。
3つほど掛け持ちしているため、
大変では無いけれど忙しい毎日ではある。
いつもは休みが週1.2回はあるんだけれど、
友達と会う約束もあり、
君との時間は2週間後まで作れないでいた。

以前も同じようなことがあった。
そのときも2週間ほど会えなくって、
その時に君から「悪い話がある」と言われたのは
今でも絶対に忘れない。
その話を君にすると、
「酔ってたらメンヘラになっちゃうから忘れて」
とお願いされる。笑

「悪い話って何?」
夜中、君にLINEを返した。
「俺は熱しやすくて冷めやすいのかもしれない」
と、きた。
え、あ、、、え????
まあ、そうか、そうだよな って、
わたしは少し冷静になった。
「それに気付けてよかったね」
と送った。
会わないとわかんなくなることや、
逆に気付くことは多いと思う。
それくらい会ってる時のIQってダダ下がりだと思うし、
本当に恋が盲目って言葉がお似合いな2人だと思う。
そんなことわかってたんだけど、
でも好きじゃないって思ってしまうとは思っていなかった。
けど、それに早めに気付いてもらえてよかった。

「じゃあこのまま会わないでいよう」
そう送った。
悲しい気持ちも寂しい気持ちももちろんあったけれど、
それよりもなんだか、なんていうか、
やるせない気持ちというか、
あんなに好きって言ってたのにやっぱこうなるのか
と、思ってしまった。

「待って、でも考えたの、本当に好きじゃないのかって」
「でも電話するために起きて待ってたいって思うし、会いに来てくれたらご飯も作ってあげたいって思うし、会いたいって思うし、やっぱり好きだなって気付いたの、改めて、好き」
と、返ってきた。

正直なんやねんっておもった。
けど、酔っ払った君がわたしの気持ちを探るために
こういうこと言うのは日常茶飯事だったし、
こうさせてしまってるのは中途半端にしている
わたしのせいでもあるのはわかってる。

ただ、その後に君も言っていたけれど
「好き」は難しいなと思う。
一人暮らしの寂しさを埋めてくれる人、
それを好きと錯覚してるんじゃないかとか、
体を重ねられるから好きと錯覚してるんじゃないかとか、
そんなことを考えては、「ほんとに好きなんか?」
と、自問自答を繰り返している。

君とのLINEは
「酔っ払いくたばれ、早く寝ろ」
と送ってその日は終わり、
次の日には「本当にごめん」と謝罪LINEが来た。

「また2週間会えないから、悪い話でもされちゃうかな?」
と、意地悪く言うと
「もう流石に言わないからほんとにさー」
と、君は苦笑いをした。


わたしは夜中にバーでバイトをしているんだけれど、
君から「今日、ゆぽのとこのみに行こうかな」と
LINEが来た。
バイト続きで会えないと思っていたから、
突然会えるってわかってわたしはルンルンした。
バイト先にまで会いに来てくれるなんて
可愛いなとも思った。
バイトは2時過ぎにあげてくれて、
そのあと2人で飲みに歩いた。
カラオケでベロベロになりながら歌った。
そしていつも通りホテルに帰った。

「ねえ?聞きたいことあるんだけどさあ?」
そう切り出したのはわたしだった。
「今さ、付き合ってんのとあんま変わんないじゃん?けどまあ君に今の関係じゃセフレと同じだって言われて考えたんだよね」
「男の子って大体セフレのほうが楽でいいって思うもんじゃないの?付き合ったら束縛だってあるだろうし、わたしは口うるさいから、色々口出しちゃうし、それなら今のままのほうがいいんじゃないの?」
これはわたしの偏見だが、本当に思っていることだった。
外で遊んだりもするし、体の関係も持ってるし、
付き合うのと何が違うんだろうと思っているわたしがいる。
体の関係から始まって恋愛に発展するパターンなんて
わたし知らないし。

でも君はわたしの顔を真っ直ぐ見ながら
「ずっと一緒にいたいから付き合いたいんだよ、それじゃあだめ?」
と、抱きしめた。
やっぱりわたしは難しく考えすぎてるのかなって
思った。

酔い潰れた2人はそのまま寝落ちして、
絶望したのは次の日の朝だった。
君は午前中には実家に帰ると親に伝えていたらしく、
わたしは午前中には親に電話する予定だった。
起きたのはしっかり昼過ぎだった。
2人とも昨日の夜から音信不通だったため、
親から怒りのLINEが届いていた。

帰り道、
「怒られるの、嫌だなあ」
と、君はポツリと呟いた。
「ね、わかる、わたしも」
と、わたしも落ち込みながら返事をした。
「この歳になって親に怒られるのかあ」
「まあ何歳になっても怒られるもんは怒られるよね」
2人下を見て歩いた。
あーあ、昨日はあんなに幸せだったのに
一瞬にして現実に引き戻されたなあ。
そう思った時に君の方をチラッと見ると、
君とちょうど目が合った。
何がおもろいのかは全然わからなかったけど、
なにか込み上げてくるものがあって、
くすくすと笑いあった後に
2人で声をあげて大爆笑した。

なんとなく
昨日一緒にお酒を飲んだ時よりも、
一緒にカラオケを歌った時よりも、
ホテルで体を重ねた時よりも、
なによりもその瞬間がたまらなく好きだなって思った。
楽しい時はもちろん、意味がわからないときでも、
悲しい時でも、辛い時でも、イライラした時でも、
君と目が合っちゃえば笑えるような、
そんな君と一緒にいれたらいいなと思った。
そんなふうに一緒いられたら、
たまらなくいいなと思った。

君の好きがなくなるのが嫌だなって最近思う。
そう思うってことはちゃんと君のことが好きなのかな。
寂しさを埋めるためじゃなくて、
本当にちゃんと君のこと、好きなのかな。
結局自問自答してるんだもん、笑っちゃうよね。

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