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君が思うわたしとのゴール


あれからも君と会う日々は続いていた。
ダラダラと平行線のまま進もうとしているわたしがいた。
だって今の関係がすごく楽なんだもん。
付き合えば結婚とかってまた考えなきゃだし、
付き合えば別れが来る可能性もあるんだもん。
君はわたしのことが大好きだから、
付き合わなくても彼女なんて作らないって思ってる。
きっとそんなことないのにね。

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君には週に1.2回会いに行く。
次の日仕事がない日は泊まって一緒にお酒を飲むし、
仕事がある日はその日のうちの夜に帰るようにしていた。
君がわたしの家に来ることはない。
わたしの家は元旦那との生活感がとても溢れているし、
ヤキモチ妬きな君は家に呼べないと思った。
以前君にそれを伝えると、
「じゃあ行かない、大丈夫」って言ってたね。
わたしにヤキモチを妬いてくれるなんて可愛いなって
その時は少し思ったりしたよ。
その前に家片せよって感じだよね、ごめんごめん。


このままの関係が楽だけど、ちゃんと君に伝えなきゃいけないなとは思っていた。
君はわたしとの将来を夢見ているしね。
きっとそれがなければ、わたしは永遠にこの関係のままでいいと思っていただろうな。
君は自分のしたいことや思ったことをちゃんと口にして言う。
君の強さにわたしは動かなきゃって思わされるんだ。
まあ、もしかしたらただの重い男ってだけかもなんだけどね。笑


「あのさ、わたし、君のこと2番目に好きって前言ったじゃん」
夜、布団の中で君に話を切り出した。
「うん、そうだったね」
「わたしね、こないだ確かめようと思って、自分の気持ちを。会いに行ったんだ、元カレに」
「え?、、、そうなの?」
「うん、本当に元カレが1番好きなのかなって思って」
「ふぅん、それはちょっと、てか普通に妬いちゃうね」
「ヤキモチ妬かないって言ってたじゃん」
「そうなんだけど、なんかモヤモヤして嫌」
「ごめん、本題に入らせてくれ頼む」
と言い、君を抱きしめる。
「わたし多分、君のことが1番好き、だと、思う」
「え、、、ほんとに???」
君は嬉しそうな声と同時に、横になっていた身を起こし、わたしの方を覗き込んだ。
あーあ、こういうところが可愛いなって思ってしまうんだな。
「うん、うやむやにしててごめん、好きだよ」
そう言うと君はわたしを強く抱きしめて、
「俺も、大好きだよ〜」
と言った。

「でもね、付き合うことはできないの」
君のことが好きだけれど、
君と付き合うことは、結婚はできないということを伝えた。
「この歳になったら結婚考えると思うんだけど、わたしと付き合っても結婚は出来ないよ、」
「それはなんで?」
「もう一度結婚式挙げようとは思えなくて。わたしは君のことが好きだけど、君はほかの結婚式を挙げたいって思う女の人がいいだろうなって。なんていうか、普通っぽい幸せの中で生きていってほしいというかさ、バツイチとかじゃなくてさ。」
なんて、文章にならない言葉で思っていることを一生懸命伝えた。
「俺が結婚式挙げたいって言ったから?」
「それもあるけど、君は23歳だよ、バツイチわざわざ選ぶ必要ある?しかも4つ上のさ」
「結婚式挙げたい女の子なんてたくさんいるんだから、そういう子にしたほうが幸せなんじゃないかなって思う」

少しの沈黙のあと、君は
「んー、じゃあさ、仲の良い友達何人かだけ呼んでさ、飲み会みたいなのしようよ!」
「え?」
「俺の友達とゆぽの友達集まってさ、きっと楽しいよ」
「いや、そうじゃなくって」
「じゃあなに?」

じゃあ、、、なに、、、、?

そうよね、、、そうだなあ、、、、。

わたし、さ、きっとなんだけど、

きっとずっとこのぬるま湯に浸かっていたい。
付き合わなくてもいい、結婚も考えなくていい、それでも両想いでいられるっていう、このぬるま湯の中で生きていきたい。

「君が思うわたしとの一旦のゴールってどこなの?付き合うところ?」
君は即答で
「んーん、結婚だよ」
と言った。

あれ、もしかしてわたしまた、未来が見えてないんだな
そう思った。

前の旦那も君も、なんでそんなに未来を見据えられるの?
わたしは今生きてくだけで必死で、
未来なんて考えられなくて、
結婚とか子どもとかってことも考えられないのに、
なんで2人ともそんなふうに考えられるの?

ああ、そういえば大好きな元カレもそうだったな。
彼も結婚しようって言ってたな。
みんなしてなんでそんな未来のことを考えられるの?

って思ったらやっと気付いた。
わたしがみんなの思う一般的な幸せを願えないのを窮屈に感じるのは、
みんなが未来のことを考えられているのに、
わたしは考えられない、
そんな遅れをとってることの現実逃避、
僻んで妬んで、
それで窮屈になってたんだろうなって。


「まだ付き合ってもないのに、ゴール結婚なの?」
って笑って話を終わらせた。
そのあとの君の話は、正直あんまり覚えていない。

わたしはもう27歳。
その歳に、頭と行動がきっと追いつけてないんだろうな。


いつになったら追いつけるんだろうね、その考えに。

自分のことがわからない今、君とのことなんて余計わかんないや。

もう少し、このままの関係でもいいかなあ?

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