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[映画]オッペンハイマーを消化する
いい映画だった!!!
いい映画だなって思う映画には共通点があって、
誰かと話したくなったり、誰かのレビューを見たくなったりするとき。
まさしくそんな映画!
原子爆弾研究のマンハッタン計画を中心に、オッペンハイマーを描いた映画で、映画鑑賞中にこの映画を理解するためには、時代背景や1950年代の「赤狩り」についての理解が必要だった。
私は「赤狩り」については全然わかっていなかったから、見終わってからから調べてようやく映画が理解できた。(笑)
あと、映画の表現が面白かったなと思ったんだけど、どう書けばいいんだ?ってなってる。
物理学や量子力学については、星や爆発などの映像が使われて、理論的なことは抽象的に表現されているなと。それがまた綺麗。
で、その対照的に、人間の感情は、幻覚のように表現されているなと。
「悲しい」とか「憎い」「怖かった」とかセリフでの表現は少なくて、
見ている人々が、その人物と同じ感情になるようにシーンが作りこまれている。それが、幻覚みたいなの。
オッペンハイマー、精神的に病んでいた時があったらしいから実際に幻覚みたのかなって思った感じ。
だから、そのように表現されている人には同情してしまった。
そして、映画を見終わった後の電車では、高校生の時に行った平和研修を思い出していた。
東京大空襲の経験者に話を聞いたり、長崎原爆資料館へ行き、平和記念式典にも参加した。その際、レポートにまとめて最終的には冊子を作った。
その冊子を引っ張り出して、当時の自分の感想を読んでみた。
『戦争体験者の方の話を聞いて、現代は戦争の犠牲者の上に成り立っている世界だなと思いました。』
『当時各家庭で防空壕を作っていたと聞きました。このエピソードはとっても衝撃的でした。なぜなら、各家庭の格差によって防空壕の性能や規模に違いが出てきてしまうからです。』
『政府はこの違いに何もしなかったことから、国民一人一人の命を軽視していたという印象を受けました。』
東京大空襲を体験した人々にインタビューをした時の感想みたい。
こんなしっかり文章書いてる高校生の自分、すごいんだけど(笑)
この時もだけど、やっぱり日本人が学ぶ「原爆」は原爆自体でなくて「原爆による被害」なんだと思った。
ただ、この映画では原爆をまた違う視点から見ることができた。
それは、アメリカが学ぶ「原爆」の視点だ。
オッペンハイマーは、科学者として原爆開発への興味・関心があり、
そして原爆は、暴走するドイツ・日本を止め、終戦のために必要なものであると確信していた。
きっと、オッペンハイマーだけでなく、ほかの科学者も原爆こそ終戦に必要だと思っていたし、その考えがアメリカ全土に広まっていて、珍しいものではなかったと思う。
そして、アメリカではなかなかポツダム宣言を受け入れない日本に対し、原爆投下が意義あるものになった。
この流れが現実であり、アメリカでは、「終戦のための原爆」と捉えられている。
「原爆」に対して、アメリカと日本では違うイメージがある。
でも、確かに違いがあるのは当然だよな。立場も違うんだからな。
どっちも学ぶ機会ってなかなか無いよな。
などと、電車のなかでぐるぐる考えることができた。
そして、このNOTEを書いているとまた一つ思い出した。
それは大学時の国際政治の授業だ。
「アメリカは、世界の警察システム的な存在なんだとの自負がある」
そんな感じのことを国際政治で学んだ気がする。実際に、アメリカは、自国以外にアメリカ兵を駐在させているからだ。
日本にも米軍基地があるように、ほかの国にも米軍基地がある。
その名目は「その国を守るため」
そして、この映画をみて、第二次世界大戦中もこの精神は、アメリカに流れていたと思った。
『ソ連やドイツが原爆の開発に成功する前に、何としてもアメリカで完成させなければ!!そうしないと世界が破壊されてしまう!!
この戦争に勝利し、アメリカが原爆を保持することが世界の治安維持になるんだ!!』
そんな具合に。
言い方はもっとかっこよかったかもしれない(笑)
オッペンハイマーがヨーロッパ時代に出会った学者たちを思い出して、「彼らは優秀だ、彼らなら原爆開発しかねないぞ」みたいなシーンがあった。
そんな「焦り」も原爆開発の後押しになったんだろうな。
実際にアメリカよりヨーロッパのほうが量子力学を重要視していたそうだ。
なんなら、オッペンハイマーがアメリカに量子力学を持ち込んだ。
そこから原爆完成させたんだよな。すごいカリスマ性だね。
この記事はネタバレもあるけど、オッペンハイマーを分析してて面白かった。
すごいきれいな日本語~!!!って感動して読んでたけど、書いた人准教授だったりした人だった。そりゃそうだ、きちんとした文章かけるよね(笑)
日本で戦争が起きていない今日を当たり前に。
今日も特別ないつも通りを生きよう。
そう思わせてくれた映画でした。
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