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頭が欲する食欲

山崎ナオコーラさんの『かわいい夫』のなかに
食欲のお話があった。

食事というものは体の栄養のためだけにとるものではない。
食欲は、体の欲するものと、頭の欲するものの二種類がある。

私はもともと体が欲する食欲をあまり感じない。

お腹すいた!だけが頭のなかをぐるぐるして
今日のランチはどこに行こうかばかりを
考える昼下がりは経験がない。

むしろ食事より本屋にいきたいとか、
カフェでコーヒーを頼んでのんびりしたいとか、
そういう気持ちが強い。

でも友人に誘われると、とたんにご飯が食べたくなる。
なに食べる?どこ行く?という話を自分からするくらいだ。

この違いは体が欲しているのか、
頭が欲しているのかによるものだろう。

父は、誰かと食事をして幸せになりたかっただけなのだと思う。

栄養補給はもちろん必要なんだけど、
食事には幸せに過ごす要素もあると
言葉にして贈ってもらった気分である。

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