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電子書籍で財務3表は一体理解できなかった

kindleで本を読むことが多くなって判ったのだが、kindleで十分に読めるものと、そうでないものがある。この本は後者だった。

昔といっても2年くらい前だが、仕事で財務3表を読むことが少なくなかった。商社に入社する多くの人は研修で企業会計を習い、部署によっては簿記や会計の資格の取得を要請されることもある。

ヨルダンにいたときは財務諸表を目にすることは無かった(「貸借対照表」をアラビア語で何というのか私は知らない)ので、リハビリも兼ねてこの本をダウンロードしたのだが、この本はダウンロードしてはいけない本だった。

タイトルの通りこの本は財務3表、すなわち貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)とキャッシュフロー計算書(CS)を行ったり来たりしながら、企業活動に伴う数字の動きを追うことで、財務3表のつながりを理解することを目的に置いている。原料を購入した時、製品を販売した時、資産を購入する時など、さまざまな取引で財務3表がどのように動くのか、どことどこの数字が紐づくのか、理解を深めていく。

そういうわけで、本の中には財務3表が何度も登場する。会計のプロで無い限りは、流し読みで全てを理解するのは困難だと感じた。確実な理解を目指すのであれば、紙と鉛筆を使って本書の取引を財務3表に書き込んでいく必要があるだろう。kindleの耐水機能を駆使してお風呂に浸かりながら読破しようとした私が愚かであった。

kindleで書籍を買おうとするとき、「本当にkindle版でよろしいですか?本書を理解するには紙で購入することをお勧めします」、「この本は紙で購入する方が大半です」といったポップアップが表示されるくらいのおせっかいはあって良いと感じた。

ちなみに「貸借対照表」はアラビア語で「ورقة التوازن(waraqa altawazun)」らしい。

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