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ヨルダン在住者は家に帰ったら直ちに20秒間手を洗いなさい【JOCV Day233】

3月2日に国内では最初のCOVID-19の感染者が確認されたヨルダンだが、本日ヨルダンの通信規制当局(Telecommunication Regulatory Commission)からSMSでメッセ―ジが送られてきた。ヨルダンで携帯電話を持っている人であれば全ての人が受け取ったであろう国家機関からのメッセージがこれだ。

إغسل إيدك عشرين ثانية فورا عند دخول البيت
拙訳:家に帰ったら直ちに手を20秒間洗うように

日本人の私からすると「何を今さら」と思ってしまう内容である。日本であれば家に帰ったら手を洗うことはもはや常識だ。幼稚園や保育園でも教わるものだろう。コロナウイルスがあろうとなかろうと、家に帰ったら手洗いである。今この瞬間に厚生労働省から「国民のみなさん、家に帰ったら直ちに手を20秒間洗うように」と通達があったら「国民を馬鹿にしているのか」と非難が殺到しそうである。

この通達が国家機関から国民へ送信されているくらいには、帰宅してから手を洗うことはヨルダンの人々にとって常識とは言えないのだろう。実際、職場の同僚は出社してから手を洗わないし、屋外での調査などから戻っても手は洗わない。帰宅したときは洗うかもしれないが。

誤解しないでもらいたいが、彼らに手を洗う習慣が無いわけではない。お祈りの前には手も足も顔も良く洗う。コロナウイルスがあろうとなかろうと、イスラム教徒は1日5回は手を洗う。トイレ後の手洗いを除けば、むしろ日本人より多く手を洗っているのではないだろうか。

通信規制当局からの通達の肝は、「帰宅してから直ちに」というタイミングの部分なのだろう。「(いつもやっているお祈り前の手洗いとは別に)帰宅したときも手を洗いなさい」という指示なのだろう。

COVID-19の感染者が1名確認され、当該感染者の家族および濃厚接触者を追跡調査している段階である。次なる感染者が確認されていない現時点における国民への通達内容としては適切な行動指針を提示していると感じた。非常にシンプルであるだけに、ヨルダンという国においてはこの指示が及ぶ範囲はおそらく広い。

各国が国民に対してどのような指示を出しているのか見ることで、国民の習慣が見えてくるのかもしれない。

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