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【あの銘店をもう一度」第1弾和歌山「井出商店」

 新横浜ラーメン博物館は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗の銘店が2年間かけ、3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日(金)よりスタートします。

 当企画のオープニングを飾るのは、和歌山の銘店「井出商店」。
同店は、ご当地ラーメンブームの火付け役であり、今もなお塗り替えられる事のない数々のラー博記録を叩き出した、ラー博史に残る伝説のラーメン店です。そのような背景からも、ラー博30年の集大成といえる当企画のトップバッターにふさわしいラーメン店と考えております。

あの銘店をもう一度 第1弾 和歌山「井出商店」
出店期間:2022年7月1日(金)~21日(木)
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21 
     新横浜ラーメン博物館地下1階
     ※旧支那そばや跡地
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
     詳細はコチラ

・和歌山「井出商店」店舗概要

店舗名:和歌山「井出商店
住所:和歌山県和歌山市田中町4丁目84 ☎073-424-1689
営業時間:11:30-23:30 定休日:木曜日 
創業:昭和28年(1953年)7月 創業者:井出つや子 二代目:井出紀生

🍜過去ラー博出店期間
①1998年10月1日~1999年5月30日(期間限定店)
②2003年3月18日~2011年12月25日(ラー博史上初の再出店)

・井出商店の歴史

女手一本で創ったトンコツ醤油昧
復員後亡くなったご主人に代わり家計を切り盛りしていた創業者 井出つや子さんは、昭和28年7月見よう見まねで覚えた中華そばを屋台で売り始めました。昼間は家業である氷の卸、夜は中華そばの屋台という働きづめの生活で3人の子供を養ったといいます。
創業当時は和歌山中華そばの源流とも言える澄んだ醤油味のスープでしたが、炊き込むうちにスープが濁ってしまいました。その偶然濁ってしまったマイルドなトンコツ醤油味が「井出系」のルーツとなりました。
このスープは地元で好評を博し、井出商店で修行した人や、井出商店の味を目指す人の出した店が徐々に増え、今や和歌山中華そばのひとつの系統を作るまでに至っています。

・和歌山ラーメンの特徴

ラーメンではなく「中華そば」と呼ぶ
和歌山では「ラーメン」と呼ばずに「中華そば」と呼ぶのが普通。どの店の暖簾にも書かれている文 字は「中華そば」。和歌山の人にとっては、「ラーメン」というとインスタントラーメンがイメージされるといいます。中華そばを主力商品とする店が市内に1 0 0軒近く点在し、店舗数も多ければ中華そ ば好きの人も多いです。

旱寿司が置かれている
どの店にも鯖の早寿司やゆで卵が置かれており、中華そばが到着するまでの間に食べます。ラーメンに寿司というとちょっと奇異に感じるかもしれませんが、和歌山では当たり前。これがピッタリ合うのです。
屋台時代から続いている和歌山ならではの習慣です。

早寿司

スープの味は「井出系」 「車庫前系」の2系統に大別
戦前から伝わる屋台の中華そばのスープは澄んだ醤油味が主流。当時市電の車庫があった場所が一番の繁華街で、その車庫の前に軒を連ねる屋台の中華そば店が大繁盛していたことから、澄んだ醤油味 の系統を「車庫前系」と呼びます。対して、井出商店に端を発する戦後派のトンコツ醤油味を「井出系」 と呼びます。和歌山の味は、はっきりこの2系統に分類されます。

井出系と言わる「井出商店」のスープ

具にかまぼこが乗る
和歌山では「なると」のかわりに「カマボコ」がのるのが特徴。なるとのような渦巻き模様の入ったカマボコを使う店が多く、屋台から続くベーシックな中華そばに華やかな彩りを添えます。その他の具はチャーシュー、メンマ、青ネギと至ってシンプル。

和歌山のかまぼこ


・和歌山「井出商店」の中華そば

和歌山「井出商店」の中華そば

井出商店の中華そばの特徴はスープにあります。
豚骨を強火で沸騰させるため、骨の髄からゼラチンが溶け出し、スープと脂をトロリと乳化させます。このため醤油味がうまくマスキングされてまろやかな口あたりとなります。
麺はストレートの細麺。具材は和歌山ラーメンの特徴でもあるカマボコにチャーシュー、メンマ、青ネギといたってシンプル。屋台時代からの素朴さそのまま、それが井出商店の中華そばなのです。


・井出商店が残した数々の記録

【8ヶ月間1日平均杯数】
期間限定出店をしていた平成10月10月1日から平成11年5月30日までの間、わずか23席の店内で食されたラーメンはトータル、212,610杯。1日平均893杯ということになります。土日平日問わず通算しての数字ですから、ラーメン店としては驚異的な数字です。全国的にも繁盛店として認知されている歴代店舗の中でも類をみません。

1998年出店時の和歌山「井出商店」外観

【最長待ち時間、最長行列距離】
期間限定出店をしていた平成10月10月1日から平成11年5月30日までの間、行列は一度たりとも途切れることはありませんでした。そして平成11年5月2日に最長待ち時間は3時間30分を記録、そのときの行列の長さは57mに達しました。全国に行列店の数あれど、この記録も前代未聞です。

1998年出店時の和歌山「井出商店」行列

【本店が和歌山県知事より表彰を受ける】
社会現象といっても過言ではないブームを巻き起こした和歌山ラーメン。その牽引役となり、「和歌山ラーメン」の名を全国に広めた功績が認められ、平成11年3月25日和歌山県知事から観光功労者感謝状を受けました。これもラーメン店としては異例のこと。多額の資金を投下した観光施設ではなく、戦後屋台から始めた1ラーメン店の功績が世間を驚かせました。

・第二弾発表!!

「あの銘店をもう一度」第2弾は、90余年の歴史を持つ会津屈指の老舗、
福島・会津「牛乳屋食堂」の登場です!

「あの銘店をもう一度」第2弾は福島・会津「牛乳屋食堂」

出店期間は2022年7月22日(金)~8月11日(木)となります。
お楽しみに!

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